皆の意見や知識で動かせ戦国物語   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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1541年 佐助8歳 智との婚約 算術合戦

 1541年 佐助8歳

 

 武田信玄が父親の武田信虎を追放、家督相続

 ポルトガル船が豊後に漂着

 

 

 

 

 冬の間に作っておいたほだ木にドリルで穴を開けて椎茸の素を入れ込む。

 

 椎茸の素はホームセンターの中にあったので最初はこれを使い、来年からは椎茸の菌をホームセンターの中で保管して冬を越させていこうと思う。

 

 せっせこ自分の畑の世話をする姿を見て家族からの評価が更に上がる。

 

 ただ遊ぶ時は遊ぶ、今日は焼き魚だけでは飽きるので仕留めた鳥と魚を使って燻製作りに挑戦してみた。

 

 自家製の燻製器に火を付けた炭とチップを入れて煙を充満させて燻製を作っていく。

 

 あとは数時間燻製させれば出来上がりである。

 

「いつもと違う!」

 

「魚が臭くない!」

 

「美味しい!」

 

 子供達にも好評で

 

「佐助のアニキ! 俺も作ってみたい!」

 

 と4歳になった日吉丸こと秀吉(元服までは日吉丸でいきます)も燻製作りに挑戦する。

 

 日吉丸は家族からやや煙たがられていたが、俺がよく遊び相手になってやると凄いなつき、アニキアニキと慕うようになっていた。

 

 日吉丸との遊びはよく川で釣りをしたり山菜採りをしたり、コンパウンドボウやトリモチを使って鳥を捕まえて焼き鳥にしたりしてよく食べ、よく遊んだ。

 

 確かに日吉丸は目がギョロっとしていて顔が赤みを帯びているので猿っぽいが、チビだった理由は栄養不足だと思うので智と一緒に色々と食事を与えるとすくすくと成長していった。

 

 日吉丸と智を通じて木下家とも良好な関係を続けていた。

 

「悪いな佐助」

 

「いやいや、竹阿弥さんから小麦分けてもらってますし」

 

「そう言えば智が持ってきた薩摩芋だっけか、あれのおかげでなかとまた子供が産まれたよ。今度は女の子だ」

 

「それはおめでとうございます」

 

 史実では朝日姫と呼ばれる娘で、秀吉の出世の影響で凄い苦労することになる子だ。

 

 まぁ俺は別に気にすることは無いがな。

 

「薩摩芋を植えるのはこれでいいのか?」

 

「はい、種芋からこれで数倍に実ります」

 

「ホゲぇ。凄い芋だな。ツルや葉まで食えるしな」

 

「ええ、焼いてよし、漬物にしてよし、煮て良しですからね」

 

「なぁ佐助に智を嫁がせたいと思うのだがどうだ?」

 

「俺的には気がしれてますしありがたいですが良いのですか?」

 

「智に聞いたら佐助が良いと言ってたし、日吉丸もお前さんの言う事はよく聞くからな。2人の為にも是非」

 

「まだ8つですし、せめて10になるまで待ってくれませんか」

 

「そりゃぁ勿論だな。ただ畑をどうするかだな。田んぼにできそうな場所はもうねぇべさ」

 

「畑だけでも養蜂とかが許されるなら食べていけると思いますが……」

 

「うーむ、村長と相談してみっべさ。お前さんは村の宝だからな」

 

「それはありがたいですが、俺武士目指しますよ」

 

「それも良いな。俺も元々信秀様の下で働いていた事があったが、病気で辞めることになってな。今は病気も治ったが、今更戻ることもできねぇからな。俺の伝手ならあるが……」

 

「それはもう少し様子を見てからにしようと思います」

 

「そうか、そうか!」

 

 竹阿弥さんと今後の事を畑仕事を手伝いながら喋るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「鹿之助さんどうっすか?」

 

「おお、更に絡繰弓を小さくしたのか……うん、これなら更に猟で使いやすくなるな! ありがとう」

 

 猟師の鹿之助さんはアニキと同世代で、非力故に罠を仕掛けて狩りをしていたが、コンパウンドボウが使えるようになったことで罠とコンパウンドボウ2つで他の猟師達よりも成果を出せるようになっていた。

 

 弓矢で鹿を初めて射抜いた時に感動して、その鹿の角や骨で被り物を作り、猟の時以外はこれを被っていた。

 

 村人からは鹿殿と呼ばれて小馬鹿にされていたが、弓に縁が無い、猟師としては半人前で終わると思っていた所にコンパウンドボウという神アイテムをゲットして無双を開始したので、それを開発した俺に対しては崇拝に近い物を感じていた。

 

「これをこうすれば鹿や猪がかかる罠になるが」

 

「じゃあこれをこうすればもっと良くならない? 餌に食い付いたら檻が下がる様に紐を設置して」

 

「なるほどこれならば更にかかりやすいし、子供が間違ってかかる事も無いな」

 

 鹿之助さんと罠について語り合ったり、独学で学んだ弓の構えを手直ししてもらったり、改善点を聞いたりと色々約にたっていた。

 

 時には鹿を狩ったのだが長期保存する方法が無いか聞かれることもあり、燻製のやり方を教えたりして伊達のアニキとは別の兄貴分として色々頼っていた。

 

 俺の畑で穫れた作物と狩りで得た皮とか肉を交換してくれる約束もし、鹿之助さんとは長い付き合いになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 畑の一角に植えていた菜の花が穫れたので菜種油を絞ることにした。

 

 石臼を使って油を絞り、濾して綺麗な油を壺に入れていく。

 

 余った菜の花とかは漬物として食べていく。

 

「ふふふ、親父、お袋、アニキに蜜璃の姉さん、今日は凄いの作るから米をいつもよりも多く炊いてくれねぇか」

 

「なんだなんだ?」

 

「何をするんだ?」

 

「ふふ、鹿之助さんと交換した鹿肉でカツを作っていくぜ」

 

「カツ?」

 

 卵が無いので小麦粉とパン粉を使い、衣を付けて鍋に油を入れてジュワァと揚げていく。

 

「ボゲェ!?」

 

「あ、油がもったいなくないかそんなに使ったら!」

 

「この料理は油を沢山使わないと駄目なんだよ。大丈夫、濾してまた使うから」

 

「そ、そうか」

 

 きつね色になったら菜箸で取り出して木の皿に盛り付ける。

 

 人数分行き渡ったら塩で味付けをし、副菜として菜の花のおひたしを置いておく。

 

「お、おお!?」

 

「これがカツか!」

 

「凄い料理ね」

 

「大陸の料理らしい。じゃあいただきます」

 

「「「いただきます」」」

 

 全員が食べてみると確かにカツの味がする。

 

 野生の鹿肉を使ったので少し筋張って居るがこれはこれで美味い。

 

「うっんめぇ!」

 

「なんだこれは! こんな料理があるのか!」

 

「美味しいわ!」

 

「贅沢な味だ」

 

「確かに米が進むな」

 

 皆気に入ったようでバクバクと飯をがっついている。

 

 あっという間に無くなってしまい、親父が

 

「こりゃいかんな。正月やお盆に食べる贅沢な料理だ」

 

 と口にし、アニキは

 

「今まで食った飯で一番美味かった」

 

 と、絶賛した。

 

 冷やした油は濾してまた明日、今度は天ぷらに使おうと思う。

 

「蜜璃姉さん、どうしたの?」

 

「いや作り方を習おうと思って」

 

「温度の調整が難しいからな。俺も小麦粉を油に少し入れてみて温度の確認をしていたが、熱すぎれば焦げるし、温すぎれば生焼けになる。明日違う油を使う料理をするから一緒にやりましょう」

 

「おお! ぜひ!」

 

 翌日は天ぷらを作ってまた皆感動していたが、親父から油を沢山使うこの料理達は何かの記念日に食べようということに決まるのだった。

 

 

 

 

 

「1足す1は2、1足す2は3……」

 

「なぁ佐助、俺達農民が算術を知ってもどうしようも無いと思うが……」

 

 ある日俺は子供達を飯で釣って算数を教えていた。

 

「いやいや幸之助、算術ができれば商人になれる。税の計算ができるから村から重宝されるし、戦の時も槍で戦うよりも兵糧の購入とかで目立たないが活躍して生き残ることができるぞ」

 

「田畑を継げないと兵か商人、職人の弟子入りをするか新しく開墾しなきゃいけねぇもんな」

 

「そうそう。俺は大人になって絶対に偉くなってやる! その時に算術ができてれば色々な仕事ができるから俺じゃなくても偉い人から重宝されるぞ」

 

「確かに親父から俺は武芸はからっきしだから算術とか字の綺麗さで頑張るしかないと言われたな」

 

 伏龍丸もそう言うと子供達も覚えておいて損は無いと思うようになった。

 

「そして算術がわかるようになればこれで遊べるようになる!」

 

 ジャジャンと俺はそろばんを取り出す。

 

「なんだその板は?」

 

「これを使うことで大きな数字を一瞬で計算することができるんだ。伏龍丸何か数字を言ってくれ。それを一瞬で計算してやる」

 

「じゃあ1050足す162」

 

「1212」

 

「合ってるのか?」

 

「適当に言ったんじゃないか?」

 

「ちょっと待って今計算する…………合ってる! すげぇ」

 

「やっぱり佐助は神童だ!」

 

「いやいや! この道具を使えば皆これくらいできるようになるんだ。で、今みたいな算術で賭けができる」

 

「賭け?」

 

「3人組になって問題を出す人、計算する人、答えを確認する人で計算する人が間違えたら問題を出す人の勝ち、答えられたら引き分けで、引き分けたら問題を出す人を3人で交代していき、勝った人に魚を渡したり食べ物を渡す遊びができる。将来役にたつし、面白そうだろ?」

 

「確かに頭を使う遊びだな」

 

「俺やりたい」

 

「僕も!」

 

「私も!」

 

「じゃあ基礎の算術を教えるからな。あとそろばんを人数分用意しておくから」

 

「やった!」

 

 中村の子供達の間で算術合戦が流行りだすのであった。

 

 これで日吉丸がめちゃくちゃ早くできるようになり、俺と伏龍丸と日吉丸の3人でよくバトルをするようになるのであった。

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