皆の意見や知識で動かせ戦国物語 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
1567年 家操34歳
ルイス・フロイス、信長様と面会(非史実)
石山本願寺との交渉が決裂、石山本願寺の号令で一向宗が武装蜂起(非史実)
毛利元就、大友宗麟による足利家の御三家である筑後にいた渋川氏を勝手に室町再興の為に担ぎ上げる(非史実)
西国公方の誕生(非史実)
俺が安土城築城を頑張っている頃、信長様から安土の地にて布教の許可を貰ったルイス・フロイスがやって来た。
とりあえず仮で建設した安土城三の丸の屋敷に招待をする。
『初めまして津田家操様、ルイス・フロイスと申します』
「津田家操だ。ポルトガルからようこそ」
『……織田信長様も出身国及び地球儀を持っていられて世界を理解しているのに驚きましたが、津田様も世界を知っておられるのですか』
「まぁ齧った程度にはな。カトリックとプロテスタントの違いも理解しているぞ」
通訳がルイス・フロイスにそう言うとルイス・フロイスは凍りつく。
「正直多神教の日ノ本にキリスト教を広めてもそちらの神、聖四文字ヤハウェ(一神教の神のこと)もあくまで神の1神としか見られないぞ。日ノ本は宗教が融合することに定評がある」
「それに九州にて奴隷貿易を行っているのもいただけん。日ノ本は技術がある……アフリカの様な布教及び奴隷貿易はできるとは思うなよ」
『津田様はキリスト教がお嫌いなのですか?』
「いや、政治と宗教が合致することが嫌いなのだ。例えキリスト教が清廉潔白を謳っても奴隷貿易をした事実やポルトガルやスペインの政治色が見えてきてしまう。個々人の宣教師は別に嫌っては居ない」
「それに色の付いた人々や他宗教の人々を人ではなく人語を喋る獣としか見ない傲慢さも嫌いだ……」
「俺はそう言う先入観がある。ただ信長様が許可を出した以上教会を建てるのは許そう……」
『それだけでもありがたい事です。安土にいる間は津田様の所に通ってもよろしいですか』
「好きにしろ」
ルイス・フロイスの書いた【日本史】において津田家操についても日本における重要人物として書かれていた。
その文の一部を抜粋して紹介しょう。
『津田家操は他の侍とは違い農民から成り上がった人物であり、家柄を優先する常識からは外れた例外的人物である』
『思想も常軌を逸しており土着の宗教(仏教)の僧の下で教育を受けたらしいが、神の声を聞いたことがあると自称する異端者であるが、能力は織田家の中でも飛び抜けている』
『安土に留まった2年で城作りを任せられていた津田家操は時折近くの農村に赴いては農業指導をすることがあり、強権を使って既存の農法とは違う農法を強制した』
『普通権力者が介入した結果収穫量が減ることはあるが、津田家操が指導した村々は例年の4倍程の大豊作となり、人々は津田家操を生き神として崇める』
『他にも失伝してしまったローマ街道やコロッセオで使われているコンクリートの製法を独自に発見し、城作りや街道の整備を行い、それがローマ街道に似通っていた』
『戦でも数倍の敵兵を打ち破ることが多く、全国に砲聖として名を轟かせており、大量の鉄砲や大砲を使用するが、ヨーロッパで使われる銃よりも改造が施され、射程は5倍、大砲の性能も高く、大砲は鉄砲の仕組みを理解すれば大型化及び発射機構を改造すればできたというが、それだけでは考えられないほどの高性能である』
『ヨーロッパ文化にも知見があり、ある日にはワインや砂糖菓子を振る舞われた事があり、砂糖菓子はパンを作る工程を理解しているとしか思われなかった』
『一番凄いのは商売の才能であり、相手の商人が何を求めているかを理解しており、ヨーロッパ商人には真珠や絹、ワイン、蜂蜜、砂糖などを売り込んでくる』
『また宣教師の間では毒芋や悪魔の芋と嫌厭されていたジャガイモの調理方法や栽培方法を確立したのも彼である』
『金を生み出す能力に長けており、後年行った浜松という津田家操の領地では巨大な港にヨーロッパの外洋船の様な大型船が数多く停泊していた。その気になれば津田家操は外洋を航海することが可能であると書いておく』
『もし本当に神の声を聞いたのであれば聖人であるが、彼は神道というキリスト教ではない宗教を信仰しており、妻を多数娶り、男色にも理解があるのが惜しい』
『キリスト教の布教の許可はするが積極的に保護することも無かった』
『能力だけなら日本一であると言わざる得ない』
『また織田政権における信頼されている家臣であるが、血筋の悪さ故に宰相的な立場ではなく、あくまで数ある大臣の1人という立場であった』
『彼が築き上げた安土城は水の便が良く、ローマ水道を模した上下水道や大衆浴場、水洗トイレ等があり、とても清潔感のある難攻不落の城に仕上がった』
『内部構造を理解している私でもどうやって落とせば良いか見当もつかない』
と書かれていた。
また日本については
『技術格差が各地であり、織田政権はヨーロッパ諸国よりも技術を上回っていると言わざる得ず、高い技術力により生み出される陶磁器や硝子細工、工芸品の数々は高い価値があり、ヨーロッパの王族が求める水準の逸品である。また武器は生産力、性能を含めて上回っている』
『軍事国家であり、他のアジアの国家とは一線を画す軍事力を保有している。今は国内で内乱をしている状態だが、この力が外征に向いた時にはアジア植民地維持は難しい可能性が高い』
と評価した。
他にも真珠の品質が良いとか布の値段が安い、ヨーロッパの料理と似たものがある、牛乳を粉末にした粉乳があるといった事が書かれていた。