※注意
第一章は修正&書き足ししてリメイク版として新たに投稿していますので、そちらをご覧ください。
主人公タカナシ・ライトのイラストはリメイク版第一章幕間の後がき、または小説情報に載せていますので見てくださると嬉しいです。
第一話 転移
目が覚めたら、日本ではないところにいた。
「ここ…どこなんだ…?」
首に白金のネックレスを下げる少年。小鳥遊来翔が一人呟く。
あたりを見渡す。見慣れないレンガ造りの建物。闊歩する人たち髪色は、アニメや小説のキャラでしか見ない派手な色をしている。それに加え、猫や犬の耳を持っている亜人のような何かも、当たり前のように存在している。
「ここって。いやm」
「危ねぇぞ、坊主!」
「うわっ!」
声に驚き尻もちをつくと、すぐ目の前を竜のような動物が車を引き、通り過ぎる。
「異世界に来たってことなのか...?」
呆けて商店街らしき場所を見る。ふと赤い果物が目に入るが、
「きゃーー誰かーーー男の人呼んでーーーー!」
「えっ!?」
どこからか助けを求める声がこだます。
「助けないと!」
一人の少年が街を走る。声がした方向の、路地裏に。この瞬間、物語の歯車がずれた。
「大丈夫です!、か?」
「「「あ゛?」」」
少年は目の前にもう一人の目つきが鋭いジャージの少年と、大中小のみすぼらしい服にみを包んだ暴漢を見る
「えぇと、一人相手に3人は卑怯じゃないですか?」
「てめぇなにいってんだ?」
「こいつ絞めたら次はてめぇだ!」
3人が2人にじりじりと詰め寄ってくる。
「そこの君!はやく俺の後ろn」
「そこまでだ」
声のした方向に振り返る。燃えるように赤い髪。そしてその目は漫画で見た最強の男のように輝く蒼い双眸。今まで見たことがないぐらい整っている顔も凛々しさを引き立てている。仕立ての良い白服に身を包み、腰にいかにも強そう(小並感)な剣を携えた人がそこにいた。
「赤髪に、空色の瞳...鞘に竜の爪が刻まれた騎士剣…」
暴漢の一人が赤髪の騎士を確認するように見て、
「まさかっ、ラインハルト...『剣聖』ラインハルトか!?」
「自己紹介の必要はなさそうだ。...もっとも、その二つ名は僕にはまだ重すぎる」
ラインハルトと呼ばれた青年が自嘲げに呟くが、その眼光は強くなっていく。
その視線を浴びた暴漢たちが気圧され後ずさる。
「僕の微力がどれだけ彼らの助けになるかわからないが、もし強硬手段に出るというのなら」
その双眸が強まる
「騎士として、抗わせてもらうよ」
「じょっ冗談じゃねえ!割に合わねぇよ!」
「「ひー!!」」
三人が慌てふためいてその場から脱兎の勢いで逃げ去っていった。
「無事でよかった。ケガはないかい?」
放心してるとジャージの少年の昴が慌てて感謝を伝えていた。
「ここのたびは命を救っていただき、心からおお礼を申し上げる。この菜月昴っ、その御心の清廉さに感服いたしますれば....」
「お、俺も!い、いや私も命を救っていいただきありがとうございます!本当に、本当にありがとうございます!」
ラインハルトが微笑し
「そんなに畏まらなくても構わないよ。むしろそちらの少年のように言ってくれたほうが接しやすいよ。向こうは三対三で互角になったけど、騎士として多少腕の立つ僕が来たことで、優位性を確保できなくなってのことだ。僕一人じゃこうはならなかった。」
突然の自嘲で二人はずっこけそうになる。
「えぇと、ラインハルトさんで...いいんですか?」
「呼び捨てで構わないよ。スバル。えぇと君は...」
名乗っていないことに今更気づいた。慌てて名乗る。
「あぁっ俺は小鳥遊 来翔、です」
「ライトだね」
「(なんかさらっと距離を縮めてきた)」
少し引いているとスバルが
「改めてありがとうラインハルトに、来翔。俺の叫びを聞いて駆けつけてくれたのお前らだけだぜ。マジ寂しい」
「(確かにあれだけ人がいるのに、聞こえたのが俺とラインハルト。この世界ってそんなに世知辛いのか?)」
人心の寂れっぷりを嘆くスバルと世界の常識に気づかされているライトにラインハルトは目を伏せて、
「多くの人にとって、彼らのような人と反目するのはリスクが大きい。その点、衛兵を呼んだ君と、僕が来るまでに時間稼いでくれたライトの判断は正しかったよ」
ラインハルトとスバルが話している中、来翔は思考の波に潜り、彼菜月昴について考える。
「(昴の髪の色とか目の色は俺が日本にいた人と同じ色をしている。そしてこの世界にはそぐわないジャージもしかすると昴は...)」
そう彼が思考にふけっていると
「ーーー東の島国ってーーー」
来翔はその言葉を聴き、自分の考えがあっていることに気づく。自分と同様に彼もこの世界に来たと仮定。どのようなことが原因で来たと考えていると。
「ーー翔。ーい来ー。って!、来翔!」
「うぇッ!?」
「大丈夫か?」
そう言われ、やってしまったと思い思考から覚める
「っと。一つ伝言を頼まれてほしい。」
「もちろん喜んで。誰に何を伝えればいい?」
「(なにか。考えてた時にあったのかな?)」
「このあたりで『銀髪』で『白いローブ』を着た『女の子』知らない?付け加えると超絶美少女!」
元気に空に指をさすスバルが声高々に言った。
「いや見てないな」
「んまぁもし見かけたら。何があっても『盗品蔵』には近づくなって伝えてくれ。探し物は必ず届けるからって」
「わかった。もしその女性に出会ったら必ず伝えよう」
その言葉を聴きスバルはラインハルトから背を向け駆け足で、ライトもそれに続いて路地から出ていく。
「この礼は必ず!」
「今度会ったとき何か持ってきます!」
ラインハルトから何か言われた気がしたが、おそらく返事だと思いその場から去る。
しばらく走った後、二人は並んで歩いていく。
「ほんと助かったぜ!お前の男前っぷり。俺が女だったら惚れてたかもな!」
そんな言葉に「あはは」と返すライト。そして本題に入る。
「なぁ/もしかしてさ」
「お前/昴って、日本人?/なのか?」