ニーナ達一年生は、ハグリッドの引率で黒い湖を船で渡った。
学校に着くとそこには、厳格な表情をした、きっちりとした魔女が立っていた。
「一年生の皆さん、御入学おめでとうございます。私の名前はミネルバ・マクゴナガル。皆さんには、これから寮の『組み分けの儀式』をしてもらいます。では、先ずこちらへ」
と言って、マクゴナガルは後ろを向いて歩きだした。
「『組み分けの儀式』ってどんなだろう」と言う声でざわつきながら一年生はぞろぞろついて行った。
大広間へと続くであろう階段の途中まで来ると、マクゴナガルは一年生に待っているよう言った。
「これから『組み分けの儀式』の準備をしてくるので、ここで静かに待つように」
「静かに」と言われたことは無視したかのように、所々で話し声が聞こえてきた。
ニーナも皆につられてパティに話しかけた。
「『組み分けの儀式』って何するんだろう?」
ニーナは恐る恐る聞いたが、パティは堂々と答えた。
「分からない。でも、私達はまだここに来て間もないし、少なくとも試験的な事ではないわね。だとすると、心理的なものかしら?」
すごいな、とニーナは思った。パティと一緒にいれば、自分の成績の問題も回避できそうだ。
そんな事を思っていると、マクゴナガルが戻ってきた。
「準備が整いました。ついてきなさい」
そう言って、マクゴナガルは長いマントを翻し、大きな扉を開け放った。
そこは輝きに満ち溢れていた。
大きなテーブルが4つ縦に並んでいて、前の方には同じようなテーブルが横に置いてあった。
ニーナは緊張で気分が悪くなってきた。
その間にも、もう一年生は縦に並んだテーブルに背を向けるようにして並んでいた。
一年生の前には、一脚の椅子と古い帽子が置いてあった。
すると、その帽子が歌いだした。
その歌の内容によると、ホグワーツには4つの寮があるらしい。
グリフィンドール…勇気ある者が住まう寮。勇猛果敢な騎士道。
ハッフルパフ…正しく忠実で、忍耐強く真実で、苦労を苦労と思わない。
レイブンクロー…古き賢いレイブンクロー。勤勉な者が住まう寮。
スリザリン…どんな手段を使っても目的遂げる狡猾さ。
私は何処に入るんだろう?と思っていると、マクゴナガルの声が聞こえてきた。
「アルファベット順にファミリーネームを呼ばれたら、この椅子に座りなさい」
そう言って、長い羊皮紙を持ちながら、名前を呼び始めた。
「アボット、ハンナ」
そう呼ばれて出てきた女の子は少しふっくらしていて、可愛らしい容姿だった。
暫くして、帽子が他の生徒に向かって叫んだ。
「ハッフルパフ!!」
ハンナは嬉しそうに、ハッフルパフのテーブルに小走りで行った。
「アップルトン、パトリシア」
パティの番だと思って、ニーナは小声で「頑張れ」と伝えた。
パティの組み分けはハンナの組み分けより長くかかっていた。
暫くして、帽子が叫んだ。
「スリザリン!!」
「うそ…」
と思わずニーナは呟いてしまった。
あんなに優しいパティがスリザリン?ニーナは自分の耳を疑った。
そう考えているうちに、儀式は進んでいた。
「バラクロフ、ニーナ」
マクゴナガルに呼ばれて、やっと我に返ったニーナは震える足で進んだ。
「バラクロフってあの…」「ヤバいな…」と囁き合っている生徒の声が聞こえてきたが、ニーナはそんなことは気にもせず、椅子に座った。
帽子を被ると、頭の中に低い声が響いた。
『ああ、あのバラクロフ家の子供だね。だとすると、ハッフルパフかグリフィンドールなんだが…。君は勇気や優しさより、狡猾さの方が長けている。どう思うかね?』
ニーナは通じるか分からないが、テレパシーで答えた。
(確かに、貴方の言うとおり私には勇気や優しさより狡猾さの方が長けているわね。私もスリザリンに入りたいし。いいわ。スリザリンで)
ニーナはてっきり帽子が叫ぶと思っていたので、話しかけられて少しびっくりした。
『いいのかね。君には、内に秘められた優しさがある。勇気がないわけでもない。それでも、スリザリンがいいと言うかね?』
(煩いわね!グズグズ言ってないで、早く叫びなさい!)
グズグズ言っている帽子に向かって、ニーナは喝を入れた。
「スリザリン!!」
帽子が叫んだ。
パティのように、歓迎されると思っていたニーナは、静かなスリザリンのテーブルに驚きを隠せなかった。
ニーナはパティの隣に座った。すると、パティが待ってましたと言わんばかりに話しかけてきた。
「ニーナに紹介するね。私のお兄さん」
そう言われて出てきたパティのお兄さんは、パティとあまり似ていなかった。唯一似ているとしたら、黒髪な所だけだ。
「初めまして。パティの兄の、エドマンド・リデルです。色々事情があって、名字が違うけど、でも、兄妹なことには変わりないから。よろしく」
にこっと笑ったエドマンドの笑顔も八重歯が見えて可愛かった。
話し方も好青年な感じで、誰にでも好かれそうだ。だが、パティはエドマンドのそういう所が嫌いならしい。ニーナの前で言い争いをしていた。
「全くエド兄ったら。またそうやって、女の子たらしこんで。ニーナは私の友達なんだから、やめてよね!」
言い争いを見ていると、いつの間にか組み分けが終わっていた。
ダンブルドアの良く分からない演説(?)の後で、待ちに待った宴の時間がやってきた。
ニーナはパティやエドマンドと沢山話をした。
エドマンドはこの学校の3年生であること。エドマンドはエドと呼ばれていること。(「ニーナも呼んでいいよ」と言われた)エドの家にパティが養子に来たこと。訳あって、今は離れて暮らしていること。でも、文通していること、など…。
「何で別々に暮らしているの?」と聞きたいニーナだったが、それを遮るように、エドが質問してきた。
「ニーナは?」
ニーナは話そうか話すまいか悩んでいた。友達として話しておきたいが、ドン引きされたら…。
色々考えた末、(父が罪人なことは伏せて)話すことにした。
自分の母が、自分が2歳のころ死んだこと。父も程無くして亡くなったこと。それからは、一人で暮らしていたこと、など…。
ニーナが話し終えると、2人は暫く押し黙っていた。
先に口を開いたのは、パティだった。
「そういえば、スリザリンに選ばれたってことは、ニーナと私っ純血なのかな?」
場を盛り上げようと必死になっている声に、ニーナは申し訳なさを感じた。
「純血って何?」
ニーナが聞くと、エドが若干嘲笑ったように答えた。
「純血って言うのは、魔法使いと魔法使いの間に生まれた魔法使いのこと。スリザリンは基本的に純血が選ばれることが多いんだ」
エドに説明されると、段々わかってきた。
成程。じゃあ、父さん達は魔法使いだった可能性が高いんだ。
そう思うと、ニーナの走り出した好奇心が止まらなくなったみたいだった。
ニーナは、ダンブルドアの学校での諸注意を半ば上の空で聞きながら、気付いたらいつの間にか、寮に向かって歩いていた。
パティと並んで歩いていると、後ろから声を掛けられたのに気付いた。
「やあ、バラクロフ。もう友達ができたみたいだな」
ニーナはこの声色に聞き覚えがあった。しかし、それはあの時のように気取った感じがなく、ニーナの頭は混乱した。
「あら、マルフォイ。久し振り。そういう貴方こそ友達を見つけてよかったね」
ニーナは疲れていたので、適当にあしらった。
私、疲れてるから、の意を込めて前を向いたのだが、逆効果だったみたいだ。
マルフォイはニーナの隣に来て、ニーナには興味のない話をベラベラ話し始めたからだ。
「私、疲れているの。今日はもうやめにしない?」
ニーナはイライラしているのがばれないよう、出来るだけ優しく言った。
「ああ、そうだな。では、また明日」
そう言ってマルフォイは男子部屋に入っていった。
私も寝よう、とニーナが女子部屋に行きかけると、誰かに呼び止められた。
「ニーナ。ちょっと」
ニーナを呼び止めたのは、エドだった。
2人は談話室の隅の方に移動した。そして、エドが話し始めた。
「ニーナは、ヴォルデモートって知ってる?」
不思議な事を言うな、とニーナは思った。
「ううん、知らないよ。なんかあった?」
「なんでもないよ。じゃ、また明日」
エドは短くそう言うと少し早足で男子部屋に入っていった。
ニーナは寝床に入ってから、エドが言ったことを考えていた。
――どうして、エドの目が赤く光ったんだろう?――それだけが気がかりだった。
*
パティside
「頑張れ」
そうニーナが囁いてきた。
優しくなったなとか思いながら、椅子に座る。
帽子を被ると声が聞こえてくる。
『っ…まさか!本当に?』
(ええ、そうよ。そのまさか)
そういう私の顔が思わず綻ぶ。
『扨、どっちで考えるべきか…。君はどっちがいいかね?』
(勿論この人でいいわ。私は少し見れればそれでいいから)
『そうか。それじゃ…』
「スリザリン!!」
*
校長室にて…
「案外穏やかでしたね」
とマクゴナガルが呟くように言った。
「これこれ、ミネルバ。『あの子』も普通の子じゃよ」
限りなく穏やかな表情でダンブルドアが言った。
暫くの間、部屋には静けさが漂っていた。
「しかし、備えあれば憂いなしじゃ。セブルスよ。寮監として『あの子』を監視しておいてくれ」
「承りました、校長」
そして、小会議が終わった。
その間にも、『あの子』はスヤスヤ眠り続けていた。
自分が狙われているとはつゆ知らず――
前回に引き続き、今回も「教えて!あの人の容姿!」(勝手に命名しました)をやりたいと思います。扨、今回取り上げたのはリビです!
毛(色)…短毛種。色は真っ白。雪みたい。
目の色…青と黄色のオッドアイ。
性別(笑)…メス。
とまぁこんな感じですかね。何か質問があれば、感想に書いて下さい!
しぃ~ゆぅ~(^^)/