俺は今…とても困っている
理由は目の前に居る俺を見ている少女だ
さっきまで部活動で研究をしていたが少々疲労が来た為気分転換に散歩をしていたら
「モンスターが現れました!」
「誰がモンスターだ」
俺を見るなりモンスターと抜かしやがった
失礼な奴だ、ただ顔が怖いだけだろうに
いや、あながちモンスターも間違いでは無いんだが
「見た事無い奴だな…」
「はい!アリスは勇者です!」
「…そうか、俺は前田シンだ…お前が勇者なら…俺は多分…
「アサシンとドクター!凄いです!」
「…ありがとうよ、お前は何でここに居るんだ?」
「はい!アリスは落し物イベントを進行中です!」
「落し物?」
「はい!これです!」
そう言うと、黒い注射器を取り出した
…これ俺のだわ、無くしたと思ったら落としてたのか
「…すまん、それを落としたのは俺だ」
「そうなのですか?皆、これを見せると「危ないから早くそれ捨てて!」と言うんです」
「…まぁ、確かに危ねぇ物だな」
「兎に角それを返してくれ」
「はい、どうぞ!」
すんなりと返してくれた…が、こいつはまだ俺を見ている
「何だ?」
「はい!イベントをクリアするとお金やアイテムを貰えます!」
成程見返りが欲しいのか
「…今渡せる者が無いな…あいや、これなら有るか」
偶然持ち合わせていた予備のガスマスクを渡す
「パンパカパーン!アリスはマスクを貰いました!これは特定の場所に入るのに必須のアイテムです!」
「…確かにな、俺の部室には危険な物が有るからな、俺も入る時は着ける」
「なら!アリスはシンに着いて行きます!」
「っ……変わってるな、俺に着いて行きたいなんて」
いや俺を知らないだけか?
「皆俺をビビって近づこうともしねぇ…」
「そうなのですか?」
「俺は毒物研究部って所で部長をしている…まぁ、部員は俺だけだがな」
「そうなのですか?ユウカが4人パーティーでなければ廃部になると言っていました」
「ユウカ…あぁ、アイツか…俺は良いんだよ、結果を山程出してるからな」
「…で、本気で着いて来んのか?」
「はい!もちろんです!」
「はぁ…好きにしな」
本当に着いて気やがった
「おい、入るならマスクを着けろ」
「わかりました!」
「パンパカパーン!アリスはマスクを装備した!」
ゲームみてぇな喋り方だなこいつ
そんな事は置いといて俺は部室の扉を開けた
中は普通の奴が見たら不気味に感じるだろう
大量の棚がズラっと置かれ、その中には液体系や植物系の他、蛇に蜘蛛と言った生物系も置かれている
これらは全て毒を持つものだ
窓の前には机を置いて居るがその上には先程まで研究していた毒植物の入った瓶が雑多に置かれている
「余計な物に触れんなよ、最悪死ぬからな」
「はい!」
元気だなこいつ
今考えると、ここまで人と話すのは久しぶりだな
俺は椅子に座りアリスへと向き直り
「さて…ようこそアリス…我が毒物研究部へ」