第11章
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KINGの集団が壊滅した。
首領のシン以下数名の幹部が敗死すると、残った連中は散り散りになってしまったらしい。
※ ※ ※
拳王の支配地域が縮小している。
「奇跡の村」や「カサンドラ」など北方の町は、拳王系の武装勢力によって統治されていた。
しかし、それらの武装勢力の首領が倒されると、部下も住民もたちまち拳王から離反してしまった。
今では奇跡の村もカサンドラも、住民による自治都市になって、拳王軍も手が出せないという。
前に、東方でKINGが壊滅したが、今度は北方で異変が起こっている。
一体、何が起こっているのだろうか。
※ ※ ※
KINGを倒したのは、北斗神拳伝承者のケンシロウだという情報が入った。
奇跡の村やカサンドラの首領を破ったのもケンシロウであり、彼は各地に出没して、他にも凶悪な野盗や武装勢力を倒して回っているという。
ケンシロウは物静かな大人しい男で、決して戦いを好む者ではないと聞いている。
その彼が何故そのようなことをしているのか、それは分からない。
彼の思惑は分からないが、ただ世間では、ケンシロウこそ今の時代に平和をもたらす救世主と期待する向きが生まれている。
奇跡の村やカサンドラの首領が倒されると、たちまち部下や住民が立ち上がり、拳王から自立してしまったのも、その表れだろう。
ケンシロウの行動が、人々の勇気を呼び起こしたのだ。
※ ※ ※
ケンシロウのせいで拳王の支配地域が縮小していくので、さすがの拳王もたまりかね、自ら出てきてケンシロウを討伐しようとしたが、両者とも重症を負って決着がつかなかった。
※ ※ ※
ケンシロウに重症を負わされて逼塞していた拳王が動きだした。
目指すは、南方。
南方で権力を振るっていた聖帝党は、ケンシロウに敗れて没落したが、さらに南方の僻地で「南斗最後の将」なる人物が兵を集め、今や拳王軍に対抗できる唯一の勢力に成長していた。
その南斗最後の将を倒せば、拳王による全国制覇は成ると踏んだのだろう。
※ ※ ※
この一ヶ月ほどで天下の情勢は目まぐるしく変わった。
南斗最後の将は拳王に激しく抵抗したが敗れ、捕らえられた。
これで拳王の覇権は固まったかに見えたが、その直後にケンシロウが拳王に挑戦し、拳王は敗死した。
これで、武力で天下を統一し得る勢力は全て没落してしまったことになる。
この後どうなるか、固唾を飲んで見守っていたら、「海のリハク」の使者が私のところへ来た。
リハクは、南斗最後の将を守護する五人の戦士「五車星」の一人で、将の軍師だった男である。
彼も拳王と戦って敗れ、重症を負ったが、それにも屈せず、壊滅した五車星軍の残党をまとめていると聞いていた。
そのリハクが私に何の用であろうか。
そう思いながら使者に会ってみると、使者が言うには、この世紀末の乱世を終わらせるために、講和会議を開催したいという。
実力で天下を制し得るような、強大な勢力がいなくなった今こそ良い機会である。
各勢力の代表が集まり、話し合いで内戦を終結させよう。
ついては、あなたにもファルコ派の領袖として出席していただきたい。
使者はそのようなことを言った。
私は天帝の臣であって派閥の領袖ではないが、この村の代表ということで出るのは構わない。いやむしろ、この乱世を終わらせるためなら、私にできることは喜んでやろう。
そう私は回答した。