BLUE ARCHIVE ZERO~THE BELKAN SCHOOL WAR   作:神宮寺志狼

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前書き


この作品は独自の概念

・キヴォトスに先生が赴任する1年前学園間での戦争があったら


がありますが。

今回からは

・桐藤ナギサに姉と慕う先輩が居たら。

という概念を追加します



以下本編。


#6 調査2日目 interval 4 先輩と後輩

ヒフミが扉をノックする

「ナギサ様、アビドス生徒会の皆さんと先生をお連れしました。

入ってもよろしいでしょうか?」

 

緊張するヒフミ。

分からなくは無い。

 

1度とはいえ自分が退学処分にされかけた要因である生徒達が退学処分を下そうとした者に呼ばれたのだ。

固くなって、当たり前だ。

 

ヒフミは1歩を踏み出せない。

 

「"大丈夫だよ、ヒフミ。今度はヒフミがナギサを信じる番だよ。"」

 

「.....」

 

ヒフミは黙ってはいたが覚悟を決めたのか

 

「入ります....!」

と一言言って、ティーパーティーの部室の扉を開けた。

 

「ようこそおいでくださいました。

アビドス生徒会の皆様。

 

私達(・・)は当学園のティーパーティー、貴女方で言うところの生徒会を務めています。桐藤ナギサと申します。

 

ティーパーティーを代表して歓迎いたします。」

 

 

「とはいえ、私たちは監視役ですが。」

 

隣のミネがそう告げる。

「ミネさん?

アビドスの方々が困惑されてしまいます。

それに今回のお茶会(・・・)には口出しをせず清聴する、というお話でしたよね?」

 

というサクラコ。

「....すまないね、彼女達はティーパーティーの....いや生徒会の補佐、と考えてもらって構わない。

 

彼女は救護騎士団の蒼森ミネ。

隣にいるのはシスターフッドの長である歌住サクラコだ。」

 

そうして2人が頭を下げた。

 

「私は百合園セイア。

現在のティーパーティーでいうなら元ホスト、つまり生徒会長だった(・・・)、失敬説明は長くなるので割愛させてもらうよ。

 

諸事情によって今はナギサの補佐をしている、と言ったところだろうか。」

 

ホシノ達が訝しむ。

自分達を危険人物として招いたにしては異常だと思ったのだろう。

 

監視役(・・・)

額面通りに受け取るならば自分達に対してのだろうが、実際はそうでは無いという事を、ホシノやノノミは感じ取っていた。

 

 

「アビドス高校生徒会会長、小鳥遊ホシノだよ~。

 

早速で悪いんだけどさぁ、私たちがここに呼ばれた理由って何かなぁ。

流石にトリニティの自治区内で騒動解決しちゃまずかった、とか?」

 

 

ミネは驚いてナギサの方を見る。

ティーパーティーとシスターフッドの情報収集能力は高い。

しかし救護騎士団はそうではなかったらしい。

「ナギサさん、今の話は初耳ですが、知っていたのですか?」

 

「えぇ、先程正義実現委員会副委員長からお聞きしました。

 

ヒフミさんが他校の生徒と一緒に洋菓子店前で起きた銃撃戦を治めた、と

ですが────」

 

「はい、私もシスターの方からお聞きしました。

美味しいものも沢山ご購入なさって、放課後スイーツ部とも仲良くご歓談なさった(・・・・・・・・・・)、とか。」

 

「.... そうですか。その者達は後で"治療"して差し上げましょう。」

 

2人の性格と話し方は理解していても、

初対面でその言い方は不味いのでは?、と私は思ってしまう。

案の定ナギサの持つティーカップが小刻みに震えていた。

 

ホシノ達に対して威圧するのは彼女の本意では無いと、私は解釈した。

 

 

対してアビドスの面々は冷静だった。

 

「情報が早いですね.....それに正確です。

騒動解決のあとも1悶着あった話まで伝わってるとは....」

 

「え、えと....ナギサ様?

流石にやりすぎちゃいましたか?」

 

「待って欲しい、彼女達は何も悪くない!」

アズサは弁明する。が、対策委員会の皆は脱出する段取りを整えようとしていた。

シロコは退路を既に確認しており、ホシノも何時でも背負っている盾を展開できるように手を伸ばしている。

 

「"待って、皆"」

 

このままでは不味いと思い、マリナの時同様、私は間に入った。

 

「はい、先生?なんでしょう?」

 

「"とりあえずサクラコ、初対面に良い印象を与えようとしてるのは分かるんだけど、変に作り笑いをするのは止めた方がいいかな、ホシノ達に変にプレッシャーを与えてると思う。

それとサクラコの聞いた話はただ放課後スイーツ部と対策委員会が喧嘩していたって言う話がねじ曲がって談笑してたという情報を聞いただけだと思うよ。

 

 

あれはもう傍から見ても喧嘩だったし"」

 

「え゛っ?!」

私の言葉を聞いて白目をむくサクラコ。

 

「"本題に戻そっか。

ナギサ。害をなそうと思ってホシノ達を呼んだ訳じゃないよね?"」

 

「は、はい。そうです。

私はただ、以前からヒフミさんがお世話になっている対策委員会の方々をお茶に招きたかっただけで....」

 

ほっ、とため息をつくヒフミ。

 

「なんだ、そんな事だったのね。」

 

「セリカちゃん、警戒心解くのはやくないですか?!」

 

「いやだって、先生が仲介してる訳だし....」

 

「それにしても紛らわしい。今のは確実に私たちが拘束される流れ。」

 

「別にやましいこともしていないでしょう?どうしてそのような思考になってしまわれるのか、私にはわかりません。」

 

いや、残念ながら言えない、秘密があるんだ、ナギサ。

 

「─だってさぁ」

 

ここで、仲間内からボロが出る前にホシノが流れを変えた。

 

変えてしまった。

 

そう、私が歩くべき地雷原を、ホシノが1歩踏み出してしまったのだ。

 

「ナギサちゃんは優しくて、見た目ほど心は強くなくて、それでも手の届く範囲であればその人を守ろうとする善い子だって聞いてるし、

 

セイアちゃんは恐ろしく頭の回る、敵に回すと怖い子で、テーブルゲームにだって1度すら勝ったことないってあの人(・・・)言ってた。

 

それにティーパーティーの最強格のもう1人(・・・・)がいないんじゃ、何かあると思うじゃん?」

 

「....失礼ですが...誰から聞いたお話でしょうか?」

「え...?妖精(ピクシー)ちゃん.....片羽フェリだけど...?」

 

〈パリンッ!!〉

 

突如、陶器の割れる音が響いた。

皆が音の方向を見る。

 

発生源は、ナギサだった。

 

「....」

 

その身体は立ち上がり、

 

 

1歩、2歩と後ろに引き下がり

 

 

───ついに、崩れた。

 

「....ぁ」

 

声にならない声を上げ、床にしゃがみこみ、顔を手で覆い、泣き始める。

 

「ナギサさん!?」

「どうしました!?ナギサさん?!」

 

サクラコとミネが脱力したナギサに駆け寄った。

 

「....んなさい....ごめんなさい、お姉様、私は、わた.....」

 

 

 

ナギサのすわってた席隣のセイアだけが全てを理解しているようだった。

 

「あぁ、そうか。君が先輩たちから聞いていた、"暁のホルス"その人だったんだね.....」

 

「え....?」

 

何が起きているか分からないアビドス対策委員会を他所に1人納得したセイア。

ナギサの元にいき、その震える背中をさすりはじめた。

 

「ナギサ、君のせいじゃない。あれは彼女たちが─」

 

セイアの言葉を切ったナギサの言葉は何かを知らないようだった。

 

「違います!

 

私は、今の今まで忘れていました。

 

私達が!彼女達を死に追いやったことを!!

 

忘れてのうのうと生きていたんです!!」

 

 

「お待ちください!まだ先輩方が亡くなったと決まった訳では──」

 

 

ナギサの言葉をサクラコが否定しようとする、がナギサの激昂とも言えるヒステリックな声でかき消された。

 

「あれから1年!1年も経ちます!

....お姉様達からの連絡はとうとうありませんでした.......もうきっと....」

 

 

困惑した表情でホシノが謝る

 

「ええと....あのさ、ごめん.....私何か変なこと言ったっけ?

私は1年前の戦時に妖精(ピクシー)ちゃんから聞いた事を、言っただけなんだけど。」

 

そういえばホシノはアビドスの皆でヒフミとカイザーの書類強奪をしたあの時にもこう言っていた

 

『へぇ~、あのトリニティの生徒会長がね~?』

 

つまりあの時点で会ったことはなくても、ナギサの事をフェリから聞いてどのような人物か知っていたのだろう。

 

ホシノの言葉に返事を返したのはセイアだった。

「いや、君は悪くない....そうかお姉様方にとっては私達は誇れる後輩だったのか......

 

ミネ、サクラコ。ナギサは私が面倒を見よう。

君達はお客さんを待合室へ案内してくれ。

 

アビドス生徒会の諸君、暫し時間を置かせてくれないかな?」

 

「で、ですが....」

 

「....誇りあるティーパーティーホストの情けない姿を、これ以上賓客にお見せするつもりかい?」

 

ナギサをこのまま放置していけない、サクラコはそんな気持ちなのだろう。

それをセイアが強めな言葉を使ってまで遠ざけた。

 

「わかりました....行きましょう、サクラコさん。」

「ミネさん...

はい、承知しました。

 

皆様────」

 

 

その時だった。扉が強引に開かれ、この場にいなかった(・・・・・・・・・)彼女(・・)が姿を現した。

 

 

 

 

 

 

 

「.....どうしてナギちゃんの泣き声が聞こえるんだろう?」

 

 

 

 

 

「"ミカ!?"」

 

「ミカさん!?どうしてこちらに!?」

 

「ミカさん、お客人の前です、元とはいえ貴女もティーパーティーの一員であれば───」

 

 

 

「ふぅん、お客さん、ね。

 

初めまして、私は聖園ミカだよ!

そこで泣いてるナギちゃんと隣にいるセイアちゃんのお友達!」

 

声は軽快だったが、瞳の奥には底知れない怒りが漂っている。

 

「あれ!先生もいたんだ!久しぶりじゃん!いっぱいお話したいことあるんだけどそれは後回し!

 

 

 

で?誰がナギちゃんを、泣かせたの」

 

 

 

 

正に修羅場といって間違いなかった。

 

「"ミカ!待って話を──"」

 

私の言葉を切ったのは

 

「多分、おじさんかなぁ?」

 

ホシノだった。

 

「へぇ!貴女が小鳥遊ホシノなんだぁ!あのゲヘナの風紀委員長と互角に戦ったって噂の!

『おじさん』なんて一人称珍しいー!!」

 

そうして、止めるまもなく次の瞬間には

 

「─────じゃ初めよっか?!」

その言葉と共にミカは愛用のサブマシンガンの弾丸を放ち、元より準備が出来ていたホシノは盾を構え、戦闘が始まった。

 

〈ダダダダダダダッッッ!!!〉

 

〈ガンガンガンガンッ!ガンッ!ガンッ!〉

 

ミカの放った弾丸は全てホシノの盾に弾かれる。その度跳弾した弾が石柱に傷を作った。

 

銃撃はミカのサブマシンガンのワンマガジン全て撃ち尽くすまで続いた。

 

 

「思ったよりその盾、固いんだね、私の弾じゃ貫通しないみたい。」

 

ミカは余裕があるのか攻撃対象である、ホシノを見ずにリロードをして空弾倉を投げ捨てた。

 

否、放り投げ、ぶつかった先の壁に、それはめり込んだ。

 

 

「そう易易とやられてあげる訳にはいかないかなぁ~、

 

これでも後輩から頼られてる生徒会長だからね。」

 

ホシノも負けずと攻撃の機会を見計らう。

 

「そっちこそ、何も考えてなさそうなのに一切、

隙っていう隙が見当たらないんだよねえ~?

 

下手に攻撃するとしっぺ返しくらいそうでおじさん怖くて近づけないなぁ。」

 

私は耐えられずホシノに駆け寄った。

 

「"待って!ホシノ!ミカは!!"」

 

ホシノはミカを見据えたまま私を腕一本で制し、こう言った。

 

「うん、どれだけフェリから惚気話聞かされたか....

純粋でいい子なのは私も知ってるよ。

でもさ、先生、アレ説得しても止まらないよ?」

 

ミカを見た。

 

サオリを追いかけてた時よりマシではあったが、それでも言葉の1つでは(・・・・・・・)止まってくれなさそうだった。

 

「まぁまぁ、暴走する子はおじさんにまかせてさ、とりあえず先生はナギサちゃんの誤解を解きに言ったら?

 

多分、あの子、フェリももう1人(・・・・)も死んだと思ってるんじゃない?」

 

私を説得するホシノの決意は硬かった。

 

後ろから

「あの時暴走したのはホシノ先輩の方。」

 

なんて言葉が聞こえて彼女は苦笑いした。

 

「ま、何とかなるよ。大丈夫、いざとなれば皆もいるし。

 

それにあの子を止められるのはキヴォトスでも私かヒナちゃんしかいないと思うよ?」

 

 

 

 

「ふぅん?先生はナギちゃん虐めた子の味方をするの?」

 

一触即発の空気。

 

 

 

私は

 

 

・[任せたよ、ホシノ!]

 

・[ミカ、話を聞いてほしい!]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────違う、このどちらも違う。

 

 

懐からある二通の手紙(・・・・・)を取り出した。

 

 

「あれ、先生誰からの手紙ですか?」

「うわぁ、お洒落ですね~?....あれ、これはトリニティの校章のついた蝋で封がしてありますね。」

 

私は喉がはち切れるばかりに叫んだ

 

 

「"これは先代ティーパーティーホストの片羽フェリと!

その友人の吾妻ニーナからの手紙だよ!!"」

 

 

私の言葉を聞いてナギサが顔を上げた。

 

ミカも手に持っていた銃を床に落とした。

 

「 ....嘘...ですよね?先生、そんなお姉様.....先輩方は .....」

 

その場から動けないナギサとは対称的にミカが駆け寄って、ホシノを通り過ぎ、私のところまできて手紙を受け取って、文字を見ては棚から数枚の書類を取り出し字を比べた。

 

「ナギちゃん.....間違いないよ....これ、フェリお姉様の字だよ....」

 

ボロボロと泣き出すミカ。

それの言葉を聞いてヨロヨロとセイアに支えられ私の持つ手紙を受け取るナギサ。

 

そうしてミネが静かに誘導する

 

「では....アビドス生徒会の方々、こちらへ。」

 

サクラコが私の袖を引っ張った

「誰にも話したくない、漏らしたくない懺悔もあるでしょう。先生も席を外しては頂けませんか?」

 

正直、私はこの選択が正しいか、わからなかった。

 

フェリの事は信じている。

 

しかしあの手紙の内容は読んでいない、つまりフェリの恨みつらみが1%として書かれていない保証は無い。

 

「先生。心配しないでくれ。今は私がついている。」

 

そうしてセイアに背中を押され、私達はティーパーティーの会議室を後にした。

 

閉まった扉の奥からは嬉しさとも悲しさとも取れない小さな嗚咽だけが聞こえている。

 

 




後書き

分かりにくいでしょうが
先生がフェリの事を言い出さなかったのは

ただ単純にホシノとミカの戦う姿が見て見たかっただけです。

セイアのCV何時になったらつくんですかね?

嘘です。

「そういう空気」だと読んだ上、泣き出したナギサに切り出しにくかったから。

です。

まぁそもそも先生の片羽フェリに対する認識が

・トリニティを出禁にされている
・ナギサとの関係が不明
・生存報告をしていないとは思っていなかった。

という状態なので。
ホシノ同様混乱してたと思います

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