BLUE ARCHIVE ZERO~THE BELKAN SCHOOL WAR 作:神宮寺志狼
調査4日目
今日はゲーム開発部が当番になった。
と言うのも補習授業部とミカを含めたティーパーティーが交流を深めるためにショッピングに行く事になったのだ。
提案したのはハナコだったらしい。
ゲーム開発部、もといモモイが、『同行して、直接当事者達から話を聞くことでゲームの完成度をより高めたい』、と言い出したことがきっかけだった。
という訳でミカの居ないうちにヒナをシャーレに招いて話を聞こうと思ったのだが、
当然の如くそんな急にヒナの予定が空くことはなかった。
『ごめん先生。事情も分かってるし、
「"ごめんね、無理言って、予定が開かないならまた今度にしよう。"」
『...ありがとう。このお詫びはまた今度するから。』
という訳で暇になってしまった。
「え?先生当てはないの!?」
「"無い事も....無いのかな?"」
これに関しては完全に当てずっぽうだが。
"円卓の鬼神"──デーモンオブラウンドテーブル─
彼女はキヴォトスでは知る者は知る名の売れたやり手の傭兵だ。
となれば、その辺に詳しい者に尋ねれば情報が出てくると私は考えた。
Rabbit小隊にCROW小隊の事を聞こうと思ったが、当時の彼女達は中学生。
恐らくベルカ戦争の事すら知らない可能性がある。
私はとある生徒に電話をかけた───────
『もしもし、便利屋68の陸八魔───あら先生、ごきげんよう。』
「"もしもし、アル?今時間あるかな?聞きたいことがあるんだ。"」
便利屋68─金さえ貰えればどんな依頼でもこなす(ただし社長のアルが拒んだりする)がモットーの
『ええ、良いけれど。
何について聞きたいのかしら?』
「"実は───"」
『べ、ベルカ戦争について聞きたいですって!?』
受話器からかなり興奮した口調で聞き返してきた。
『あ、あら、ごめんなさい、つい興奮してしまって。』
「"その口調だと何にも知らないって訳じゃないみたいだね"」
『.....あ!』
しまった、とまた白目を向いていることだろう。
「"どうかな?アルさえ予定が空いていれば話を聞きたいんだけど"」
アルは少し考えた後カヨコに相談し始める。
話をするのに相談がいる程の情報があるのだろうか?
『.....いいわ。今から先生の所に行ってあげる。事務所でいいのよね?』
「"うん、忙しいところごめんね。"」
『し、仕方ないわね!先──』
『別にムツキ達仕事なくて暇だし~私もついて行こうかな!』
『ちょ、ちょっとムツキ!』
何となくそんな予想はしていたが。
「"じゃ、じゃあ待ってるね。"」
『あ!ちょっと先生──』
〈ガチャ〉
私は電話を切った。
「どうだったんですか?先生」
ミドリがいち早く情報を聞きに来た。
「"相手の予定は空いてたからそのうち来るよ。"」
「じゃあアリス達はどうしましょう?」
「"制作の続きじゃないの?"」
私の言葉にユズが返答した。
「部室にあるPCでしか作業出来ないので....それにある程度は作り終わってますので、後お話さえ聞ければ....という状態です。」
「"つまり?"」
「....暇です..」
「よしっ!皆ゲームしよ!」
ユウカが、事務所に来ないといいな。
と私は願わずにはいられなかった。
1時間後
事務所の扉がノックされた。
「あれ、先生もしかしてさっき電話してた人?」
何故か私はモモイに気持ち半分意地悪をしたくなった。
「"もしかしたらユウカかもね"」
私は扉の向こうの生徒に「"ちょっとまってて"」と声をかける。
「「えっ!!?」」
「ユウカ先輩はまずいよ....昨日、あんな宣言して先生の隣でゲームしてる所を見られたら...」
「アリス達のゲームが没収されてしまいます!!」
「み、みんな早く片して!!」
急いでゲームをセーブし片付け始めるゲーム開発部部員がそこにはいた。
それはそれとしてもお客さんが見たら仕事をしている私の隣で生徒が4人揃ってゲームをしていたら不快に思うかもしれない。
まぁアル達はそこまで神経質では無いが....
「じゅ、準備OKです...先生。」
肩を揺らしながら息をするユズ。
「"じゃあ出てくるね。"」
椅子から立ち上がり扉を開けた。
そこに居たのはアルではなかった。
「来たぞ、先生。何の用だ?」
アリウススクワッドリーダー、錠前サオリ。
「"良かった!Momotalkが既読つかないから心配してたんだ!"」
「.....そんなに心配することか?」
私はサオリの後ろを覗き込む。
1人のようだ。
「"サオリ1人なんだ。"」
「.......私では力不足の案件か?
お前には借りがある。どんな要件でも命をかけてこなしてみせる。」
私とサオリの会話の雰囲気にゲーム開発部のメンバーが怪しみ始めた。
「....先生、もしかして生徒をわざわざ呼びつけて脅迫してるんですか....?」
ミドリから辛辣な心配そうな半信半疑の声が上がる。
「アリス知ってます!あれは「トリタテヤ」です!
「ドラゴンの如く」で何度も会いました!」
「え!じゃあよくある「金がないなら身体で払ってもらおうか姉ちゃん?」って流れ!?」
モモイの発言を聞いてユズが顔を真っ赤にした後泡を吹いて倒れた。
「"違うからね!?それとそんな言葉どこで習ったんだ... "」
サオリは声の主、ゲーム開発部のメンバーを一目見て言った。
「先生、状況が読めない。」
─────────────────────
「ベルカ戦争で起こった事を、あの「鬼」を主軸に置いてゲームにする....だと?」
「"サオリは反対?"」
眉間に皺を寄せたサオリ。
その迫真の表情にゲーム開発部が少し震え上がった。
「......いや、先生にも考えあっての事だ。
そもそも反対する権利もないだろう。
それでも───私がベルカ生徒の立場なら、そっとして欲しいと思ったかもしれない。」
彼女は付け加えて「気にするな」と言った。
「せ、先生この人は?」
モモイがサオリが纏う雰囲気に震えながら私に質問した。
「"え、えーっと、裏の情報に詳しいとある学校の生徒かな...."」
「.....錠前サオリだ。名前は覚えなくてもいい。」
サオリが名乗った。
ユズがオドオドと自己紹介をする。
「わ、私たちはミレニアムサイエンススクールの....ゲ、ゲーム開発部です.....私は部長の花岡...ユ、ユズ。」
彼女達の怯えた雰囲気を察してサオリは戸惑った。
「......先生、怯えられる様な事をしたつもりは無いが...私の顔はそれほどまでに───」
「"そ、そんなことは無いと思うよ!"」
確かに彼女の纏う雰囲気は他校の生徒と比べても一線を画している。
「"ほ、ほらネルだと思って。"」
その言葉にピンと来たのか最初に態度を改めたのはアリスだ。
「....!確かにチビメイ.....ネル先輩も怖い方でしたが、とても優しい人でした!!」
「.....確かに....ネル先輩だと思えば....」
アリスの言葉にモモイとミドリは納得したようだが、ユズの表情は青ざめていた。
まだ時間がかかりそうだ。
「"じゃあ話を進めるよ"」
ゲーム開発部の面々こくりとうなずいた。
「で、「鬼」についてだったか?」
「"うん、サオリはその生徒と戦ったんだよね?いつどこで?"」
「....「B7R」。先生も知っているだろう?」
「"うん、「円卓」の事だよね?"」
「そうだ。
奴とあったのはあの場所だ」
B7R...ベルカ学園における絶対防衛戦略領域の名称。
フェリ達が"円卓"と呼んでいる場所だ。
「「あの女」がどうしてベルカ学園を援助していたのかは知らないが、当時の私達はベアトリーチェの指示でB7Rの防衛戦を支援していた。
現地での補給には困りはしたが、それ以外は好調だった。
実際負けこそはしたが、B7Rでの戦闘はベルカ学園が優勢だった。」
サオリの語りを静かに聞くゲーム開発部メンバー。
モモイはメモすら取っていた。
「だが....あの「鬼」が来てから
奴は『片羽の妖精』と呼ばれる名の知れた生徒を引き連れてきたかと思えば、一時間足らずでベルカ学園の総勢力の約5割をねじ伏せた。」
「"「え!!?」"」
サオリを除いたここにいる者が驚いた。
「"それはほんとうに....?"」
私の質問にサオリははっきりと答えた。
「嗚呼....今でも鮮明に思い出せる、それくらいには衝撃を受けたからな。」
「"ヒナやツルギがいたんでしょ?サイファー一人で戦況を巻き返したわけじゃ......."」
それが成立するならサイファーはキヴォトス最強と名高いヒナと同じかそれ以上の実力の持ち主と言う事になる。
「"サイファーがアリウスの生徒かもしれないっていうのは本当..?"」
私は一番疑問に思っていたことを聞いた。
サオリは語る。
「アツコを助けに行く途中、ミサキから「昔話」を聞いただろ。
おそらくサイファーは、10年前の内紛でアリウスを捨て、逃げ延びた派閥の生き残りである可能性が高い。」
自らの銃を私に見せるサオリ。
「サイファーの使用していたメインアームはアリウス製の
アイツもカスタムしていたが元をたどれば私の使用しているコイツと同じものだったんだ.....」
「"そう言う事だったんだ......"」
そういえば、『B7R』の調査任務の話をしてくれたフェリがそんな事を言っていたかもしれない。
話が一区切りしたその時、
事務所の扉がノックされて聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「先生?入っても良いかしら?
この「便利屋68」社長である陸八魔アルが直々に出向いてあげたわよ。」
「陸八魔....アル、だと....?」
驚いているサオリを置いてけぼりにしてしまったが、アルを待たせるわけにもいかない。
「"今開けるね!"」
私は事務所の扉を開けた。
そこには便利屋メンバーが勢ぞろいしていた。
カヨコが事務所にいるモモイ達を横目で見る。
「........初めて見る生徒ばかりだね....」
「すみません!すみません!すみません!.....大事なお話の最中にお邪魔してしまって......」
「大丈夫よハルカ。話の切りが良いタイミングで扉をノックしたんですもの。」
「か、かっこいい.....」
「まるでゲームにでてくる悪の組織の女ボスみたいです!!」
モモイとアリスの感想にアルは嬉しそうな顔を浮かべていた。
「当たり前よ、私は完璧なアウトローで、金さえもらえれば何でも依頼を引き受ける便利屋の社長だもの。」
胸を張るアルを、ムツキが揶揄った。
「そうそう!!入っていいのか困惑していたアルちゃんのあの表情といったら。くふふ♪」
「ちょっと!ムツキ!!」
「"まあ皆座って、お菓子もあるから。"」
やったー、とよろこんでソファーに座ったのはムツキでそれを皮切りに便利屋メンバーが席に着いた。
「先生、どうして便利屋68がここに?」
「"彼女たちにも話しを聞こうと思ってね。朝連絡を取っていたんだ"」
サオリに簡潔に事情を話した。
「そう言う事か.....。」
私はアルに質問した。
「"アルは『円卓の鬼神』って呼ばれてる生徒のことは知ってる?"」
私の発した言葉に目を輝かせるアル。
「!!知ってるも何も、私の命の恩人よ!」
「"え....?じゃあアルはベルカ戦争に参加していたの?"」
アルはうなずいた。
その隣に座るカヨコが答える。
「あの時の風紀委員は連戦でボロボロで脱落者も多くて風紀委員会以外の生徒も駆り出された。
ま、かくいう私もそこにいたんだけど.....」
アルは目を輝かせ続け、懐かしむように語り出す。
「私がアウトローを目指すきっかけをくれたのがサイファーだもの。
忘れるわけがないわ。
あれはB7Rの戦闘の時よ.........」
後書き
この話でいちばん難しかったのはサオリのエミュレートでした。
と、いうのも原作の彼女の思考は私とは反りが合わず、絆ストーリー見ても「????」となっていたので。
皆様から見て違和感ないか心配なところ。
あと、カヨコ元風紀委員説、などがありますが、結局のところ真相は定かではないので、
「カヨコはベルカ戦争には参加していた。
しかし風紀委員としてなのか、一般生徒として駆り出されたのかわからない。」
という、描写にしています。
推しはミカですが、一番最初に気になったのはアル社長です。
基本アル社長が誰かの脳を焼く展開が多いですが、私はその逆で
「アルがアウトローに憧れる程アルの脳を焼いた生徒」としてサイファーを出したい、というのもこの作品の根底のひとつです。
え?0068イベント?
見てないです!!復刻して欲しい。
まぁ、というわけで私個人のアル社長の脳内補完ですが、当然過去話本家で出されたらこの作品は木っ端微塵です。
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