BLUE ARCHIVE ZERO~THE BELKAN SCHOOL WAR   作:神宮寺志狼

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F.K R-08.THE INFERNO~焔

《ベルカ生徒の敗走が始まった。

 

これ以上のベルカ学園による被害を減らすため、ベルカの軍事拠点を破壊することを連邦生徒会は決議。

 

本作戦は工場地帯を中心に市街地にも及びかねないデリケートな作戦だ、各員気を引き締めて掛かれ》

 

そうして地獄の作戦が始まった。

 

しいて言うなら、ホシノ達があの場にいなかったことは救いだったわね。

 

私達がそこに着いた時には、町はもう火の海だった。

 

 

 

────────────────────

 

《ガルム2からサイファー、P.Jへ。前方に炎上中の都市を確認したわ。》

 

焼け野原になった森を通り過ぎ、私たちは都市にたどり着いた。

《もう、爆撃が始まったってことっすか?》

 

イーグルアイからの連絡が入る

《ゲヘナの砲撃隊を支援しろ!作戦開始!!》

 

都市前まで私達はやってきた。

違和感を感じたのはその時だ。

 

《こちらP.J、なにか妙だ!作戦地域とは別の場所が燃えている!!》

 

《......》

 

混乱する私達にイーグルアイからの説明が入った。

《.....一部のゲヘナ生徒による無差別の都市破壊、爆撃が行われているようだ。

 

無理もない。

彼女達はこれまでずっと戦争に圧殺されていた。》

 

私とサイファーは押し黙った。

覚悟していたことだ。

しかし、P.Jは違った。

 

《正気ですか!?一般市民もいるんですよ!?》

 

私は銃を握る力を強めた。

 

《これが戦争よ.....P.J!》

 

《無差別爆撃や放火や破壊活動が戦争だって言うんですか!!?》

 

私だってそう思っている。

他の部隊の子達だって、きっとそうだった。

それでも、強がりを見せた。

 

《理想で銃を持つなと言ったはずよね!現実を見なさい!!》

 

それは私の精一杯の強がりだった。

 

そして、告げられる作戦任務。

《......何をしているのです?ガルム隊、ゲヘナ砲撃隊を支援しなさい。》

 

その威圧的な声は防衛室長不知火カヤのものだった。

 

《....ガルム1、了解。》

 

《ッ!ガルム2了解!》

 

《っ!こんな物が戦争だなんてっ!》

 

そうして都市部工場への攻撃が始まった。

 

戦車、装甲車が街を闊歩し、迫撃砲が建物を破壊する。

 

どう考えても狙っているとは思えない。

まるで、私とニーナがB7Rで襲われた時みたいに味方ごと────

 

《こちら5番戦車中隊!敵工兵に囲まれた!》

 

味方からの救難信号。

《ガルム隊援護せよ!!》

 

イーグルアイからの指示を受け、砲撃を受けていた戦車中隊を支援する。

 

味方から湧き上がる歓声。

 

「おおっ!!ガルム隊よ!!!」

 

「行けっ!!全部焼き付くしちゃえ!!!」

 

敵の工兵を憤りを抑えられないまま撃ち倒す。

 

 

「クソっ....連邦生徒会の犬め....ッ!!!」

 

「ッ!!私は.....私は。」

 

 

《助かったわ!ガルム隊。》

 

そして助けた味方の戦車が街を焼いていく。

 

《各員、散開して援護に回れ....》

 

サイファーの指示で私たち三人はバラバラになった。

 

 

 

私は無線機を切り、遊撃と称して逃げ遅れた市民が居ないか確認していた。

案の定───

 

「誰か!誰か~!!!」

市民の叫び声が聞こえた。

 

瓦礫に挟まっている市民が居た。

それも1人では無い。

私はその場に銃を置いて駆け寄る。

「今助けるわ!!」

 

体を覆うコンクリートに力を入れて退けようとするがビクともしない。

 

「ダメね....私一人じゃ」

こんな時にサイファーが入れば、と思った、それは無理な相談だ。

 

その時、駆け寄ってくる生徒が数人見えた。

 

「ヴァルキューレ警察学校の....お前は...」

「あの時の...!!手を貸して!!」

 

尾刃カンナだ。

 

「了解した。行くぞっ」

4人がかりでやっとのこと瓦礫を退ける。

 

「助かりました.....」

 

「無事でよかったわ....」

胸を撫で下ろす。

 

カンナは自分の部下に指示を出し、一般人の護衛につかせた。

 

「作戦行動中じゃないのか?」

カンナにそう言われ言葉に詰まった。

 

「こういうの、見ていられない性分なの。」

 

こんな姿P.Jに見られたらなんて言われるか。

「そっちこそ、ヴァルキューレの決死隊が救助活動してるなんて情報聞いてないわよ?」

 

「....当たり前だ。これは私の独断でやっている事だから。」

 

 

「わかった、なら───」

 

そして横から銃弾が飛んできて足元に着弾した。

 

《......何してるフェリ。》

 

サイファーだった。

《.......サイファー。見て分からない?》

 

彼女が聞きたいのはそういう事では無いのだと、私は理解していた。

 

《.....救護活動は私たちの作戦司令には無い。持ち場に戻れ。》

 

それはあくまでも、冷徹で冷淡で、感情を見せない彼女の冷たい言葉だった。

 

《貴女だって.....何も感じてない訳じゃないでしょう?!この状況を見て、何も思わないの!?》

 

《....それが、任務なら、仕方がない。

お前も言っただろう?これが戦争だと》

 

その言葉、1つでお互い全てを理解した。

 

 

 

 

《サイファー、前にホシノが言ってたわよね?

 

戦う理由、見つかった?》

 

 

《.....いいや。》

 

 

《私はそれを見つけた。》

 

 

 

 

そして、私とサイファーはお互いに引き金を引いた。

 

 

〈ダダダダッ!!!〉

 

〈ダダダダダダダッ!!〉

 

《ヴァルキューレの救援活動があるという報告も聞いていない!》

 

〈カチャッ!〉

サイファーのサブアームがカンナに向けられる、

私はそれを強引に蹴りで阻止した。

 

 

「ここは私が!貴女達は!」

 

カンナは苦虫を噛み潰したように言った。

 

「....済まない..!」

 

「気にしないで...気をつけて!!」

私は作り笑いを浮かべた。

 

そしてサイファーと向き直る。

 

《それが、お前の選択か。》

 

《貴女こそ。ディレクタスで見せてくれたあの表情は嘘なのかしら!!》

 

〈ダダダダッッ!!〉

〈ダダダッ!ダダダッ!!パンッ!〉

燃え盛る街の中、私たちは撃ち合った。

 

私のリロード中に彼女は懐に飛び込んでくる。

銃を弾かれてなお、それでも私は必死に彼女に喰らいついた。

 

彼女と私の近接格闘術の腕が互角なわけが無い。

 

最初から結果は見えている。

 

 

至近距離で蹴りを喰らった私は背後の建物に叩きつけられた。

 

「うっ......!!」

 

《 .....逃げるのか?》

ふと、彼女が呟く。

 

《散々これまでやってきた事だろう、命令に従って敵を倒す。

 

立場が、状況が変わっただけだ。

見たくない、やりたくないでその責任を手放すのか?》

 

《そうじゃない!こんなやり方間違ってるって私はそう言いたいだけよ!!

 

連邦生徒会とかベルカとか関係なく、誰に彼に銃を向けるのは間違ってる!!》

 

私の言葉を聞いて思うところがあったのかサイファーは銃を下ろした。

 

《......とあるバカな奴が言ってた。

「銃を向け合わないで、言葉で解決できる世界にしたいな」と。

 

私も、これを捨てられるなら、と考えた事が無いわけじゃない。

しかしそんな事不可能だ。

 

このキヴォトスで、力は相手を従えるためのモノでしかない。

それが常識だ!!

世界が変わりでもしない限り、そんな事はありえない!!》

 

《だからって!!》

 

《だから私は私ができることをしている!!

お前も責任を果たせ!!》

 

《戦う術を持たない者の痛みを見過ごして果たす責任に何の価値があるのよ!!!!

 

その先にどんな未来があるって言うのよ!!!!》

 

その時、私とサイファーを崩れてきた建物の残骸が隔てる。

 

 

それは2人の距離を表しているようで

 

 

《.....さよなら、相棒。

私は、戦う理由を見つけたの。》

 

《.......》

 

私は彼女の元を去った。

 

────────────────────

「戦う理由なんて、その時にはもう誰にも分からなくなっていた。

 

ただ、この世界(キヴォトス)が悲しかった。

 

だから、私は─────」

 

 

 

 

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