BLUE ARCHIVE ZERO~THE BELKAN SCHOOL WAR   作:神宮寺志狼

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#15 調査日5日目 interval13 帰郷─灰色の少女達

トリニティに着いた私たちが見たのはそこかしこから煙を上げる学園の敷地だった。

 

ナギサはティーパーティーに戻り、ミカとフェリは先行して正義実現委員会の救援に向かった。

 

 

 

「どういう事でしょう.....?」

 

そうつぶやいたのはハナコだ。

 

「"どうしたの?"」

 

私の質問に彼女は直球で答えてくれる。

 

「簡単に侵入されすぎています。」

 

その意見にアズサも同意した。

 

「私もそう思う、トリニティには自警団と正義実現委員によって過剰なまでに守られている。

だというのに容易く敷地内奥まで侵入されているみたいだ。」

 

確かに、トリニティに別の学園の生徒たちが押し寄せてきたらいくらなんでも私たちがいる場所で食い止められる筈だ。

 

 

だが、その戦場はもはや敷地内奥であり、いま私たちが立っている正門付近には薬莢一つすら落ちていない。

 

「裏門から侵入したんじゃないの?」

とコハルは言うがヒフミが否定した。

 

「いえ、それも無理だと思います。

以前ペロロ様のライブに行くためにこっそり学園を抜け出そうとしたときに確認したんですがほぼ正門と変わらない警備量でした。

あれを気づかれずに抜けるなんて余程の事がない限り不可能だと思います!。」

 

ヒフミは言い切った。すごい自信満々に。

 

「ヒフミはシロコ達に会わなくても、元から"こちら側"の人間だったんだな......」

 

「え?アズサちゃん何か言いました?」

 

「いや、なんでも...というより私たちも急ごう!!」

 

「"いいの?ヒフミ?"」

 

 

私はヒフミに再び問う。

 

「"これは一般生徒、つまり普通の学生がする行動からはずれてる。

ハスミにも注意はされていたんだよね?"」

 

駆け出していたヒフミの足が止まる。

 

しかし、その決意の硬さは彼女の目に現れていた。

 

「いいんです!!」

 

ヒフミはペロロのリュックサックから一つの紙袋を取りだす。

 

「目の前で困っている学友がいるのに見過ごして、解決を誰かに委ねることが『普通』であるとは思いたくありません。

 

仮にそれが『普通』だとしたら.....私はそんなものなんて要りません!!!

 

それに........私はファウストですから!!」

 

 

 

「そだね~、私から見てもヒフミちゃんはちょっと変わってると思うよ~」

 

そしてヒフミの肩に手を置いた生徒。

 

「貴女方は......」

 

「来てくれたんですね!ホシノさん。

それに皆さんも!!!」

 

「"アビドス対策委員会!?"」

 

ホシノ達がそこには立っていた。

 

「あはは....ここに来る最中に皆さんに助けてください、って連絡しておいたんです。」

 

「ヒフミからのお願いならいつでも飛んでいってやるわよ!」

 

 

「それに今回の騒動元はベルカ生徒だそうですね。

1年間矯正局にいたからと言って甘くみていい相手ではありません。

故に少しでもアドバイスができたら、と。」

 

「ノノミさん....」

 

アズサが頬を少しだけ緩ませる。

 

「皆が居てくれたら心強い。」

 

 

 

一方困惑するゲーム開発部。

 

「お、お姉ちゃん、これどういう状況.....??」

 

「ヒ、ヒフミさんが、覆面水着団のリーダーのファウスト......?」

 

「え?よ、よく分からないけどネル先輩とあれだけ渡り合う人が仲間になったんでしょ!もう100人引きだよ!」

 

「はい!アリス達のパーティーの勝利は揺らぎありませんね!!」

 

 

「ん、じゃあお灸を据えに行こう。」

 

「ですね....アビドス生徒会!!準備完了です。

先生、いつでもご指示を!」

 

 

「ほ、補習授業部もいいわよ!先生!!」

 

「同じくアリス達ゲーム開発部も問題ありません!いつでも戦闘コマンドを選んでください!!」

 

 

「"よし、じゃあ始めようか。"」

 

「「はい!!」」

 

 

─────────────────────

 

《すみませんハスミ先輩!!また数人抜かれたっす!!》

 

「負傷者続出!!戦線が維持できません!!」

 

 

ハスミ達は敵が強襲した大聖堂の前を固めていた。

「くっ .....」

 

しかし500人規模の猛攻撃に耐えられず戦線は瓦解。

ハスミやイチカなどの主戦力を残して正義実現委員会は追い込まれていた。

 

「なんて数......陣形を乱しては行けません!!」

 

ハスミ達が現場に到着した頃にはもう既に遅く、何人かが礼拝堂に侵入し、シスターフッドと戦闘になっていた。

 

ツルギは内部に侵入した生徒を単独で相手している。

 

「どうしてこれだけの生徒の侵入を許したのでしょう.....。

いえ、根本原因を探るのは後回しです。」

 

 

「そこのデカ女邪魔なんだよ、さっさとくたばれやっ!!」

 

敵生徒の弾丸がハスミに直撃する。

 

「......が」

 

「ぁあん?聞こえねぇよ!」

 

「誰が!デカ女ですって...??」

ハスミは眉間に皺を寄せ狙撃体勢に入った。

 

「 ....情報通りだな!打て!!野郎ども」

 

ハスミが敵の生徒に集中したその瞬間、ミサイルが飛んでくる。

 

「「ハスミッ!ミサイル来てるわよ!!」」

 

「───ッ!?」

〈スチャッ〉

 

彼女はその銃の標的をミサイルに変更する。

すんでの所でハスミは迎撃に成功した。

 

「コホッ....コホッ....あの声は....」

 

「よそ見しちゃダメだよ☆」

〈ダダダダダッッ!!!〉

 

「ミカさん?!ナギサさんと先生の所に行っていたのでは!?」

 

「話は後だよ。今フェリお姉様が陽動かけてくれてるから今の内に体勢を建て直して、って。」

 

「.....まさか!あの方がお戻りになったのですか!?」

 

「うーん....戻ったようで戻ってないような~、ちょっと話すのめんどくさいなぁ。」

 

ハスミの目付きが変わる。

「こうしてはいられません!皆さん動ける方は集まってください!

負傷した方は大聖堂へ撤退を!」

 

「で、ですが大聖堂は....」

 

「.....もう、終わった...。」

ハスミの言葉と同時に礼拝堂からツルギとサクラコが出てくる。

 

「皆さん、さぁこちらに。」

 

怪我人をサクラコが誘導するのすれ違いにツルギがハスミと並び立つ。

 

「....恥ずかしい姿は、見せられない......お前達、気合い入れろ。」

 

ツルギが睨むような厳しい目で委員会生徒を見る。

 

「.....ッ!?そうですね....」

 

「よしっ、じゃあ行こっか☆。」

 

仕切り直した正義実現委員会が前進する。

 

 

 

一方。

 

ハスミ達がいる礼拝堂より少し前方の防衛線は総崩れになっていた。

 

「いやぁ~助かったっす!!お姉様。」

〈ダダダダダッッ!!!〉

 

「イチカね、元気そうで何よりよ。

 

やりたいことは見つかった?」

〈ダダダダダダッッ!!〉

 

「へっ!?急になんすか!?」

イチカの顔が真っ赤に染まった。

 

「宅配所に荷物運んでるの何度も会ったわよね?。

それとたまにガラスケースや店の外から色んなものを見ていたじゃない?

 

それも食品やアクセサリじゃなく道具を。

 

だから「もしかしてこの子やりたいこと見つからないのかな~」って思ってたの。

もしかして違った?」

 

「正解っす、流石お姉様.....」

 

「ごめんなさいね。相談に乗ってあげられなくて。

で実際どうなの?」

 

 

「あ~それはまだなんとも言い難いっす。

お姉様は今まで何してたんすか?」

 

フェリはその質問にバツが悪そうな顔をする。

「....色々、かしらね。」

 

2人は話をしながら積み上げられた土嚢から射撃をしては身を隠し、また射撃を繰り返し、残った数人の生徒と共に防衛線を建て直していた。

 

「それより状況は?」

 

「あ!そうっすね。

1時間半程前、急に武器庫が爆発したと思ったらベルカ生徒が敷地内で暴れ始めたんすよ。

 

サクラコ様の通報で大聖堂が1番被害受けてるって連絡受けてシバキ倒したんすけど...

 

でも第2波がやって来てこのザマに......」

 

 

「.....いきなり暴れ出したってことは侵入されたのね?」

 

イチカは頷いた。

「そうとしか思えないっす。

例え見廻りサボってたんだとしてもこれだけの生徒がいたら普通気づくと思うんすよね。」

 

「普通じゃない侵入のされ方をしたって事ね。」

 

「考えたくないっすけど、手引きした生徒がいるって事になっちゃうすね。」

 

フェリの顔に陰がかかる

 

「やっぱり、そうなのね。」

 

「そうなのね....って知ってたんすか?」

 

「.........後で、話すわ。」

 

「.......そっすか。」

 

フェリの雰囲気をくみ取ったイチカはそれ以上追求しなかった。

 

 

「ニーナお姉様も来てるんすか?」

 

その問いには期待は込められてはいなかった。

もはや来てないことを確認するように。

 

「いいえ、残念だけど。

 

でも安心して。

 

援軍は私だけじゃないわ、サクラコが先生を呼んだから。」

 

 

その言葉の瞬間前方からの射撃が一瞬止んだ。

 

「どいたどいた~!モモイ様のお通りだよー!」

 

「お姉ちゃん調子乗りすぎじゃない?」

 

「いいのいいの!アリス詠唱始めちゃって!!!」

 

「了解しました!魔力充填.....完全解放しますっ!!」

 

〈ガコンッ!ウィィィィィィン.......〉

 

「せ、正義実現委員会の皆さんは物陰に隠れてください!!

 

アリスちゃん、お願い!」

 

ユズが精一杯の大声で叫んだ。

 

 

 

 

 

 

「へぇ......イーグルアイの言ってた電磁投射砲。

今はあの子が使ってるのね。

 

ほら皆~?

頭下げないと巻き添え喰らうわよ。」

 

「やられるって何に...」

 

フェリはイチカの頭を無理やり下げさせる。

 

「.....魔法に...かしらね?」

 

 

 

 

 

「───聖なる光よ!」

 

フェリとイチカ、それに多数の正義実現委員会の生徒が土嚢に頭を隠したのと同時に彼女達の頭上を白い光が通過した。

 

前方のベルカ生徒はボロボロになって倒れている

 

 

 

「.....あれはもうレールガンじゃないわよ......」

 

「え!?え?!お姉様あれなんすか!!?」

 

「ミレニアムの作ったレールガンよ。

所有者を紹介するわ....ってまだ会ってから2時間くらいしか経ってないけど。」

 

 

「ご、ご無事ですか。」

 

イチカの前に自分より身長の低い生徒が4人並ぶ。

 

「彼女達はミレニアムのゲーム開発部よ。」

 

「ど、どうもこんにちは。」

 

「お邪魔してます....ちょっとお姉ちゃんも頭下げなよ。」

 

「えー?だって私たち助けた側だよ?」

モモイの言葉を聞いてイチカも挨拶をした。

 

「どうもどうも。あたしは正義実現委員会の仲正イチカっす。

さっきは助かったっす。

 

いやぁ、凄いっすね!これっすかさっきビーム見たいな奴を撃ったの。」

 

「ふふん!褒めても何もで....ってなんでアリスなの!?」

 

「いや当たり前でしょお姉ちゃん....。」

 

 

「いや貴女達も来てくれて嬉しいっすよ!

こんな状況じゃなければトリニティを案内したんすけど。」

 

 

そしてまた飛んでくる銃弾。

 

「ってな訳で手助けして欲しいっす。」

 

イチカが目線をモモイの高さに合わせるように屈んで言った。

 

「こ、今回だけだからね!!」

 

「あ!アリス知ってます。モモイのそれは「ツンデレ」というやつですね!」

 

「ち、違うもん!」

 

弾丸が飛び交うなかフェリはゲーム開発部のメンバーをほほえましく見守っていた。

 

「なら頼りにしてるわよ?」

 

「はい!どんな依頼(クエスト)もアリス達にお任せください!」

 

「うぅ....、頑張ります。」

 

 

 

 

 

 

一方、対策委員会と補習授業部はティーパーティの部屋を目指していた。

 

「こちらです!!」

 

「ヒフミちゃん!わかったから老体に鞭打つのはやめてほしいかなぁ....」

 

「だ~か~ら!私達と年齢は変わらないでしょうが!!」

 

時々現れる生徒を倒しながら廊下を歩く。

 

その傍らでナギサがミネに電話をかけていた。

 

「はい....はい、それではセイアさんは無事なのですね?」

 

『セイアさんについては、問題ありません。私が警護しながら部室に立てこもっております』

 

『ナギサかい?私は大丈夫だ。

ただいつもの如く校内は混沌としてて指揮系統は総崩れだ。

戻ってきてくれると有難い。』

 

「それはもちろん、今向かっています。」

 

『なら安心だ。

それと今回の敵の目的だが、どうやらトリニティの乗っ取りやクーデター狙いではないらしい。』

 

「というと?」

 

『1番最初に報告が上がったのが大聖堂なんだ。

 

被害としては他は二の次でね。

そちらはいまフェリお姉様と他校の生徒が支援してくれて何とか立て直せそうとの事だ。』

 

「そうですか.....後でサクラコさんを問い詰める必要がありそうですね。」

 

「どうやらそのようだ。

では君は速やかに合流してくれ、待っているよ。」

 

 

ナギサの通話が終わる。

 

「"被害が多いのが大聖堂だって?"」

 

サクラコの言う、秘密が関係してるかもしれない。

 

 

「フェリお姉様が向かわれたとの事なので大丈夫です。」

ナギサは断言した。

 

「そうですか、では私達もやるべき事をしましょう。」

とハナコが。

 

「だねぇ~。」

銃を構える生徒達。

 

「ではこれからティーパーティー部室の支援に向かい混乱するトリニティを制御下に起き直します。

 

ホシノさん達アビドス生徒会の方々は部室に着いたら別行動とします。

貴女方は校内にいるベルカ生徒を鎮圧してください。」

 

「責任重大だ~。

おっけ~。じゃあみんな行くよ~」

 

「ん、了解。」

「いつでもいけます☆」

「こうなったらとことんやってやるわよ!」

やる気満々の3人

 

「あ、でもアヤネちゃんはティーパーティーの部室に残って情報整理と伝達よろしく~。」

 

「わかりました!ホシノ先輩。」

 

「ナギサ様、補習授業部もいつでも動けます。」

 

「ではヒフミさん達は私と先生の警護を。」

 

「わかりました!」

 

「"じゃあティーパーティーの部室に向かおうか。"」

 

「「はい!!!」」

 

 

ティーパーティーの部室前ではベルカ生徒が侵入を試みていた。

「チッ!!このドアどれだけ硬いんだよ!!」

 

「先代のパテル分派のリーダーから怪力女続きでドアを強化したって話だったが....」

 

「おい!C4はまだ調達できねぇのか?」

 

『こちら第6班、建て直した正義実現委員会の生徒と交戦中!!

コイツら何処からこんな力を!』

 

『7班もダメよ。

武器弾薬庫を漁ったけど戦車と砲弾しか見当たらない!!』

 

「じゃあ戦車でも装甲車でも使えるもんは何でも使っちまえ!!!」

 

『それが.....鍵が掛けられていて...』

 

「は!?そんな話聞いてねぇぞ!?」

 

 

夏、ヒフミ達が学校の備品である「クルセイダーちゃん」を強奪──もとい借りてから正義実現委員会は全ての車両にキーを付けた。

 

いくら彼女達の内通者がトリニティの事情に詳しくても全ての情報を得ることは不可能であった。

 

「ちくしょう、トリニティの中枢さえ占拠すりゃこっちの勝ちだと思ってたのに.....」

 

「ねぇ、ちょっとやばくない?

大聖堂の方面の奴らと連絡がつかないんだけど.....」

 

「は?あっちは腕のいい集団の集まりだぞ?

1年収監されてたからってそんな事.....」

 

「それが、あの「片羽」とパテルの元リーダーが戦力に加わったって報告が.....」

 

「んだと!?

 

クソが、サイファーへの復讐まで後一歩だってのに、あの裏切り者が。」

 

「へぇ.....」

〈バァァンッ!!〉

 

「なんだ!?」

 

煙の中から出てくる身長低めの生徒。

手にはショットガンと盾を持っている。

 

「今の話、おじさんに詳しく聞かせて欲しいな~」

 

「な、なぁ、あの盾とショットガン!!」

 

「あぁ....間違いない。」

 

 

「──暁のホルス、アビドスの生徒がなんでこんな所に。」

 

「ちょっとちょっと!ホシノ先輩だけじゃないわよ!」

「ん、正義の味方ごっこ執行中。」

 

「そゆこと~、少しおじさん達とお話しない?

あんまり痛い思いしなくて済むけど。」

 

 

「誰がお前達と───」

 

「そっか、じゃあノノミちゃんやっちゃって~」

ホシノは予想していた様に斜線を開けた。

 

「はーい、悪い子達にはお仕置で~す☆!」

 

〈バリバリバリバリッ!!!〉

 

「待て待て全部聞いてから────」

 

「」

 

ティーパーティー部室の前に居たベルカ生徒は全員蜂の巣になった。

 

「一丁上がりです♪」

 

可愛らしくガッツポーズをとるノノミ。

 

対照的にヒフミとアズサはボロボロの姿で気絶した生徒を憐れむ目で見ていた。

 

「....こ、これは酷いな」

「あはは....ノノミちゃん、もう少し手加減してあげても良かったのでは....?」

 

「え?何言ってるのよ2人とも、この人たちは自業自得でしょ?」

 

コハルの発言にハナコまでが引き気味になる。

「えぇ....?コハルちゃん少し過激じゃありませんか?」

 

何を隠そう倒れている生徒は元々ボロボロだった制服が今の銃撃で更に状態悪化し下着が見えかけていた。

 

「え!?あ.....///先生は見ちゃダメ!!エッチ変態!!!」

 

「"マッテ、ワタシナニモワルクナイ"」

 

困惑する私を他所にホシノが口を開く。

「今この子、「サイファーちゃんに復讐する」って言ってたよね.....どうしてトリニティ占拠がサイファーちゃんへの報復に繋がるのかな....?」

 

「ホシノさん、敵の目的を調べるのは後回しにしませんか?」

 

「私も賛成です。

欠片だけでは何も分かりませんし、ナギサさんがティーパーティーに戻れば情報収集の効率も格段に上がります。」

「そだね。」

ホシノがナギサとハナコの言葉に諭される。

 

ナギサ達がティーパーティーの部屋をノックしようと近づく、

 

しかし。

 

「まずい、行っちゃダメだ!!!」

 

何かに気づいたアズサがナギサを突き飛ばした。

 

「きゃぁっ!」

「っ!!」

直後、アズサの側面の壁が爆発する。

「"2人とも大丈夫!?"」

 

「ナギサ様!?アズサちゃん!!!」

ヒフミが駆け寄った。

 

その様子を見たホシノは壁の下の方を注意しながら部室のドアを通り過ぎ反対側の廊下を何かを探すように歩き始める。

 

 

「ナギサ様!ご無事ですか!? 」

 

「私は大丈夫です、しかし一体何が.....」

 

「「ブービートラップだ」よ」

アズサとホシノが同時に答えた。

ホシノは反対側にあった起爆装置を解除して持ってくる。

 

「敵が攻めてきても引っかかるように対策してたんだろうね、この子達。

ごめん、何も聞かずに倒したのは迂闊だったよ。」

 

 

「いや、ブービートラップの圏外から射撃で制圧したのは正解だと思う。

下手に接近していたらトラップにみんな引っかかって返り討ちにあっていたかもしれない」

 

アズサは足を抑えながら立ち上がろうとする、しかし誰がどう見ても無理をしていた。

それを見たヒフミとホシノが肩を貸した。

 

「済まない....私がもっと早く気づいていたら....」

 

「何言ってるんですか!?アズサちゃんは何も悪くありません!」

 

アズサは自分の足に視線を落とした。

「....この足では戦闘に参加できない...」

 

「だ、大丈夫よ!!アズサの分も私達が戦うもん!!」

 

「はい、それにアズサちゃんはナギサさんを庇ったんですよ?人を助けた事を誇るべきです。」

「しかし....」

 

「ええ....ハナコさんの言う通りです。

おかげで助かりました。

 

アズサさん....ありがとうございます。」

 

「....迂闊だったのは皆同じ。

やっぱりベルカ生徒は侮っちゃいけない。」

シロコが厳しい目で転がる彼女達を見た。

 

「"一先ずアズサをティーパーティーの部室に連れていこう。

ミネも居るし。"」

 

私の発言にナギサやヒフミ、ハナコが苦笑いする。

 

「あはは... まさか苦しがってるアズサちゃんを殴りつけて「救護」なんて言いませんよね?」

 

「"いくらミネでもそんな....."」

 

まずい、否定しきれない.....。

 

「....ミネさんが「強引な救護」をしようとしたその時は私が止めます。」

 

一応ナギサはそう言ってくれた。

 

「......私も説得した方が良さそうですね...。」

 

仕方ありませんね、とハナコが言う。

 

一方ホシノはドア周辺を慎重に確認していた。

「大丈夫そうだけど、私が開けるね。」

 

「ん、わかった。骨は拾う。」

 

「何言ってんのよシロコ先輩!!!縁起でもない!!」

 

「.....ごめん。」

 

「じゃあノックするね、ナギサちゃん声掛けお願い。」

 

「.....わかりました。」

 

そうしてホシノが部室のドアをノックした。

〈コンコンッ〉

 

「ミネさん。ご無事ですか?

 

桐藤ナギサ、戻りました。」

 

そうしてカギが解錠され扉が開かれる。

 

〈ガコンッ!〉

ホシノは盾を構えた。

 

「ご無事でしたか。ナギサ様。」

 

警戒していたミネが出てくる。

どうやらこれ以上の罠は設置されていないようだった。

 

「ご心配おかけしました。」

 

「どうやら無事に帰ってこれたみたいだねナギサ。」

 

「セイアさんもご無事でしたか。」

 

2人が手を取り合う。

 

「"セイア、後で少しお話したい事がある"」

 

「やはりか。そうだと思っていたよ先生。

 

それはそれとして今は──」

 

「"うん、そうだね。"」

 

「ええ、この状況をどうにかしましょう。」

 

ナギサは少し息を吸った後仕事モードの顔に切り替え部室に残っていたティーパーティーの役員生徒に指示を出した。

 

 

「指示系統を建て直します!

 

正義実現委員会、全ての分派の連絡員を呼んでください。

状況により移動が困難な場合は端末で連絡を。

このティーパーティー部室に全ての情報を集めてください。

 

セイアさん、ハナコさん、アヤネさん。情報の整理に協力してくださいますか?」

 

「承知したよナギサ」

「わかりました。」

 

「ホシノ先輩達への情報伝達はお任せ下さい!」

 

「アビドス対策委員会の方は独自に動いてください。

貴方々の事は彼女達連絡員と端末で二重に情報を回します。」

 

「了解だよ。」

 

ホシノはそう返事した。

「もし、敵だと間違われて打たれた場合は?」

 

シロコが補足でナギサに質問をする。

考えた上彼女は答えた。

 

「できる限り、.......穏便に鎮圧を。

責任は私───」

 

「"責任は私が持つよ。"」

 

「先生.....ありがとうございます。」

 

それが今の私にできる最大限の仕事だ。

 

「"皆、なるべく怪我はさせないでね?"」

 

「ん、わかった。」

「了解よ!」

「了解です☆」

 

「りょーかい。

 

んじゃ、アビドス対策委員会、行くよ~」

そうして彼女達に私はついて行く。

 

「先生!?どちらへ!!?」

 

ナギサが椅子から立ち上がる。

 

「"もちろん、ホシノ達のフォローだよ?

 

私がいれば、トリニティの生徒も撃たないだろうし。"」

 

「.....そうですか....、お気をつけて。」

 

「"うん、行ってきます。"」

 

 

 

対策委員会と私は校舎から出た。

 

「ありゃ、やっぱり先生着いてきちゃったか。」

 

「"ホシノは反対?"」

 

「んー、半々かな?

でも、まぁ。」

 

ホシノが髪の毛を束ねゴムで纏めた。

 

「大丈夫、先生は私達が守るから。」

「そういうこと。」

 

《皆さん、聞こえますか!?》

 

突如アヤネから連絡が入る。

 

「聞こえるよアヤネちゃん!なんかあった?」

 

《ティーパーティに集まった情報から敵の多い地点の情報を回します。

 

まずは校舎裏にある武器弾薬庫がベルカ生徒によって占拠されています。》

 

「なるほどね~、そこから奴ら武器を得てるんだ。」

 

《はい!なのでまず武装の供給元を絶ってください。

 

場合によっては倉庫事破壊しても良いとの許可が出ました!》

 

その言葉を聞いてセリカがやる気を出す。

「おっけー!!!暴れるのは得意よ!」

 

「そうですね!思いっきり暴れましょう!

アズサちゃんの仇です!!」

 

 

《私は死んでないんだが....》

 

「ま、倍返しって事で!」

 

「"よし、倉庫が見えてきたね。"」

 

底には倉庫番と武器の補充に来ているベルカ生徒達が居た。

 

2~30人と言ったところか。

 

「うへぇ~沢山いるね。」

「ん、でも私達の敵じゃない。」

 

「"よし、じゃあ始めよう!"」

 

「そだね。

先生サポート宜しく、セリカちゃんとノノミちゃんは先生の護衛よろしく、私とシロコちゃんで前に出るよ。」

 

「わかったわ!」

「了解です☆」

 

「....ならスモーク投げてから突入はどう?」

 

「お、いいね、シロコちゃんナイスアイデア。

そうしよう。」

 

「"じゃあ状況開始、頼んだよホシノ、シロコ!"」

 

「私に任せて!」

「わかった。」

 

そうして彼女たちはスモークグレードを投擲した

 

 

「な、なんだこれ!!」

 

「ガスか!!?ゴホッゴホッ!!」

 

「とりあえず1度倉庫から───」

 

〈ダダダダダダダダッッッ!!!〉

 

〈バァァン!!パンパンパンッ!!〉

 

「こいつらいつの間に!!」

 

「....そこ退いて!」

〈ドンッ!!〉

 

「ぐはっ!!」

 

ホシノは咳き込む生徒を盾で突き飛ばしてから躊躇無く引き金を引いた

〈パンッ!パンパンッ!!〉

 

シロコもまたベルカ生徒に向かって引き金を引き、確実に弾丸を直撃させる。

 

〈ダダダダダダダッ!!!〉

 

「うわぁっ!!」

 

 

「なんだ!?何が起こってる!?」

 

「増援だ!こっちに人を寄越せ!」

 

《こっちも精一杯なんだけど?》

 

「何言ってるのよ!弾薬庫で補給が出来なくなればどうしようも───」

 

〈バァァンッ!!〉

 

増援を要求した生徒にホシノの散弾が直撃した。

 

「ダメだよ。」

 

「こいつ...」

ダメージを受けた生徒はホシノを睨みつけている。

 

「ありゃ.....相変わらずタフだなぁ....」

 

〈ダダダダッ!!〉

 

「うっ.....」

〈バタッ〉

 

「ホシノ先輩油断しすぎ。」

 

「大丈夫。シロコちゃんもいるし。」

 

「いたぞ!!アイツらだ!!」

 

〈ダダダダダダッッ!!〉

 

〈バリバリバリバリッッ!〉

 

他のベルカ生徒が彼女達に銃を向けた。

 

「おかわりみたいだね....」

 

「シロコちゃん、私の後ろに。」

 

「ん、わかった。」

 

ホシノが盾を展開、敵に肉薄し、その後ろからシロコが制圧射撃を開始する。

 

その姿は、まるでサイファーの記憶にあった、ディレクタスの時を彷彿とさせた。

 

盾の防御範囲からシロコが飛び出し、射撃を開始する。

 

その背中を狙う生徒をホシノが的確に排除していく。

 

それは5分もかからなかった。

 

「これで終わりかな?」

「みたいだね。

 

アヤネ、武器庫は取り返した。

補給を受けたい生徒達を回して。」

 

《了解しました!ナギサさん!》

 

《わかりました、ではそちらに生徒を向かわせますのでしばらくお待ちください。

 

ホシノさん達も補給したいのであればご自由にどうぞ。》

 

 

「了解。

 

先生、終わったよ。」

 

「"お疲れ様。

 

アヤネ、次のめぼしい場所は?"」

 

《1番敵の勢力が多かった大聖堂は均衡状態にあります。

 

なのでその他の場所を回ってください。》

 

 

「"だって。"」

 

「了解だよ、先生。

じゃ交代で次セリカちゃんとノノミちゃん前衛宜しく。」

 

「おっけー!!」

「わかりました。」

 

「んじゃ、次行こーー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、大聖堂より少し手前の防衛陣地。

 

「え!?アリスもうエネルギー切れたの!?」

 

「うわーーん!!もう撃てませぇぇぇっん!!」

 

「えぇ.....どうしよう。」

 

「とにかく私たちで頑張るから!!」

〈ダダダダダダッ!!〉

 

〈タァーーン!!タァーーーン!!〉

 

アリスのレールガンのエネルギーが切れ、頼りにしていた高火力が無くなってしまったゲーム開発部は土嚢を積み立てた塹壕から射撃をしていた。

 

「仕方ないわね~....」

フェリは塹壕から顔を覗かせた。

 

「まさかい、行くんすか!?この弾丸の雨の中を?」

 

「ええ、このまま射撃してても終わらないわよ。

 

って、あら?」

 

「む、無茶です....」

 

ユズがフェリの袖を引っ張る。

彼女は目線をユズの高さに合わせ、その目を見ながら宥める。

 

「大丈夫よ。

 

なんならゲーム開発に役立ててよ、私の戦い方。

 

私の戦い方はサイファーを真似たものだから」

 

彼女は横から降り注ぐ弾丸の雨の中、立ち上がる。

 

彼女の顔のすぐ近くを弾丸が通り過ぎる。

 

銃弾に撃ち抜かれた髪の毛が涙目のアリスに舞い落ちる。

 

「私は、あの子みたいになりたかった。」

 

「え?今なんて?」

 

「ううん、なんでもないわ。

 

彼女(サイファー)にあったら伝えてくれない?

 

『ありがとうね、戦友。また会いましょう』って。」

 

「ま、待って!!」

モモイが足を掴もうとしたが、それより早く彼女が走り始める。

 

「待ってくださいっす!!お姉様!!」

 

イチカの制止を聞かず、銃の引き金を引きながら敵に向かう。

 

「何あれ!」

「凄い....銃弾を全部避けてる....」

 

彼女は弾丸の雨を掻い潜りながら敵に当てていく。

 

「ぐわっ!!」

「この裏切り者が!!」

 

2人、3人と敵を倒していく。

 

「足だ!足を狙え!!!」

 

「わかったわ!」

 

彼女の足元に弾丸が飛翔する。

 

 

「.....ッ!!」

 

足先に力をいれ跳躍する。

 

「ハッ、マヌケ!空中じゃ避け───何!?」

 

放たれた弾丸を必要最低限の動作で、直撃弾は身を翻し回避。

 

その動作とともに、その片翼を羽ばたかせ落下軌道を自由落下から螺旋軌道(バレルロール)へ。

 

「ハァァァァっっっ!!!」

 

 

そしてまた彼女が銃を向ける度、1人、2人、3人、4人と倒れていく。

 

そして着地する。

 

「た、体操教室やってる訳じゃないんだから!」

「アイツ、バカにしやがって!!おちょくってるのか!!!」

 

 

「まだまだ、これからよ!!」

 

 

〈ダダダダッ!!ダダダダッ!!ダダダダダダダダッッ!!〉

 

 

 

 

 

 

「いやぁ......フェリお姉様が銃を抜くとこ見たこと無かったっすけど.......あんなに強かったんすね.....」

 

「え、そうなの!?」

モモイがイチカの言葉に振り返る。

 

「そうっす。

基本的に椅子に座って紅茶を飲んで生徒の相談に乗ったり、書類処理したり......」

 

「したり....?」

 

「とにかく皆の憧れるお姉様って感じっすね!!

 

だから、銃を撃ってる所は、初めて見たっす。

基本、もう1人のお姉様が荒事は収めてたっすから。」

 

「も、もう1人ですか?」

 

吾妻(あづま)ニー─────」

 

 

 

 

「イチカさん!アレ!!」

 

ライフルでフェリを支援していたミドリがイチカを呼んで指を指した。

 

 

 

 

 

イチカがフェリを再度見る。

 

「うっ!!」

 

被弾し始めていた。

彼女の奇抜な動きに、敵が慣れ始めたのだ。

 

「右腕だ!!吹き飛ばせ!!」

 

「あいよ!!」

 

反応が遅れとうとうRPGの弾が彼女の右腕に命中する。

 

「きゃあぁっっ!!」

 

 

 

 

 

「いくらなんでもアレは不味いっす!!!!」

 

イチカが塹壕から飛びだそうとする、それをモモイが止めた。

 

「ダメだよ!!危ないし!!」

 

「でもずっとこれまで先輩方やお姉様に守られてきたっす!!

 

それともなんすか?このまま黙ってみてろって言うんすか!?」

 

 

「でも危ないですよ!!」

 

「ムリっす!!このまま見てるなんてそんなの我慢ならないっす!!」

 

「でも....」

 

「アイツを助けたい。その気持ちに偽りはないな?」

 

その時、ゲーム開発部とイチカの隣を問い掛けと共に影が通り過ぎる。

 

「え?」

 

 

「任せろ......」

 

その生徒は灰色の制服、襟元は青色に染まっていた。

 

「モモイちゃん。あれ、もしかして......」

 

紺色の髪に、黄色の瞳。

 

「円卓の」

 

 

「「鬼神───サイファー」 」

 

〈ダダダダダダダダダッ!!!〉

 

その生徒はフェリにトドメを刺そうとした生徒に的確な射撃を行った。

 

 

「ぐはっ!!」

 

「ぎゃあ!!」

 

 

 

 

 

そして彼女はフェリをかばうように彼女の前に立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

Yo,budy you still alive(ご挨拶だ、相棒。まだ生きてるか?)

 

エスコン×ブルアカの小説で読みたいナンバリングを教えてください(04、5、6、7)

  • 04、メビウス1無双が見たい。
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