BLUE ARCHIVE ZERO~THE BELKAN SCHOOL WAR 作:神宮寺志狼
目覚ましのテジタル音で目を開く。
「ここは...」
気づけば見たことの無い部屋に居た。
薬品の匂いからしてどうも保健室か養護室のようだ。
「お目覚めになりましたか。セリナさん、先生と皆さんをお呼びしてください。」
上半身を起こそうとする。
しかし、かなりの力で押し倒された。
ボロボロの体からしたら、かなり辛い。
「....ッ!」
「ここはトリニティ総合学園の救護騎士団の病室です。
貴女は体の至る所を打撲、骨折、裂傷しています。
安静に寝ていてください。」
この体では彼女の力には逆らえない。
大人 しく言う通りに従った。
「.......朝か....」
久しぶりに見る日差しが眩しく、私は手の甲で両目を覆った。
「おはよう....サイファー。」
姿は見えないが、声だけでわかる。
「....どうしてまだトリニティにいるんだ、シロコ。」
「昨日泊まっていったから。」
私は目を覆ったまま質問する。
「今は何時だ?」
「もう、昼の1時になってる。
もうすぐ先生達が来るから──」
「"先生"....?」
「うーんとね... サイファーか言うところの教官とか──」
「いや、いい。その部分はいくら何でもわかる。
その先生は"大人"だろう?」
「....大丈夫。悪い大人では無いから。」
「そうか...」
「...いつ.. 」
「ん?」
「あいつは....どうした?」
「フェリなら隣の部屋で寝てた。
ねぇサイファー────」
「シロコ、私は知りたい。
アイツがベルカ生徒終戦後、何をしていたのか。
知っているなら教えて欲しい....」
「.....知って、どうするの?」
「私の気持ちと....折り合いをつけたい。」
「ん、知ってることだけ、私も昨日の夜先生から聞いたばかりだけどそれでいいなら。」
「....頼む。」
「ん、了解。」
シロコは頷いて椅子に座った。
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私は部屋の扉をノックする。
「ん、空いてるよ。」
部屋の中からはシロコの声が聞こえた。
「"こんにちは、"」
私はベッドの仕切りをめくる。
「"君がサイファー...?"」
寝ている状態からの推測では彼女の背丈はホシノ位。
「"こんな子が───"」
1人で、ベルカ戦争の罪を背負っていると考えると歯がゆくて仕方がない。
「...それで?ホシノ達は?」
「"さっきまでティーパーティーの部室でもてなされてたよ。
もう少ししたら──"」
「....もういるよ~。」
真後ろにホシノがたっていた。
「やっほ~先生~。」
ホシノは手を振りながらシロコの隣に座った。
その隣にノノミ、セリカ、アヤネが。
そしてそれに続くナギサと包帯だらけで左腕を首から下げたアームホルダーに収納しているフェリ、寝不足なのか目を擦りながら入ってくるモモイ達ゲーム開発部。
「......随分大所帯だな ....」
「"みんな、君の話が聞きたくてここに集まったんだ。"」
「....ベルカ戦争の話か....。
何処から話せばいい?フェリ。」
そうして寝ている彼女はフェリに顔を向ける。
「....そこの所、サイファーの記憶をセイアちゃんの夢越しに見た、先生としてはどうなのよ?」
「...なんだと?ッ....!」
サイファーは起き上がろうとして脇腹を抑える。
ノノミが体制を戻すのに協力した。
「私の記憶を...誰かの夢越しに見た....だと?」
「"そうだね、話せば長くなるんだけど..."」
私はセイアの特性を話した。
「....嫌なものだ、勝手に人の記憶に土足で踏み込んで、尚のこと制御出来ないなどと。」
「"今はそんなことは無いんだけどね。"」
「....それで、後はアヴァロンダム攻防戦....か。」
「"アヴァロンダム.....?"」
私の疑問にホシノが答えた。
「アヴァロンダムは
ベルカ自治区を跨いだ川の集合地点で、アビドスの自治区の水源でもあるんだ。」
生徒会の谷 ...以前ホシノが向かった雷帝の遺産が残されていた場所。
「"そのアヴァロンダムで一体何が?"」
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chapter:12-1 THE DEMON OF THE ROUND TABLE
《連邦生徒会より情報が入った。
ベルカ残存勢力は「学籍なき世界」を名乗る大規模なクーデター軍だということが判明した。
高度に組織化された、この革命軍の生徒構成はベルカ生徒は元より、ウスティオ、ゲヘナ、連邦生徒会の1部生徒を取り込んでおり、大規模な兵器を保持しているものと推定される。
このクーデター軍は、アビドス砂漠に存在する生徒会の谷より南部に位置するアヴァロンダムをベルカ生徒から武装占拠により接収し拠点としている。
そしてこれはミレニアムからの情報だが
当施設には先の爆弾7機の威力を軽く超える兵器、コードネーム「V2」が配備されている。
このV2は
弾道ミサイル内に複数の弾頭が搭載されている。
これが起動した際の被害はキヴォトス全域に及ぶと推定されている。
彼女達のいう「学籍なき世界」が多くの犠牲と死者と共に成されるだろう。
残念だがこの情報はゲヘナの諜報部とSRT、そして私たちしか知らない。
連邦生徒会、主に防衛室はこの期に及んでまで隠す腹積もりだ。
ガルム隊はSRTと合流し、生徒会の谷の合間をかいくぐってアヴァロンダムへ侵入する。
目標を伝える。
V2、並びにその制御装置を破壊しろ!
尚、この駐屯地から生徒会の谷まではB7Rと山々が行く手を阻む。
事前情報ではB7Rにはクーデター軍勢力が配備されている可能性が高い。
危険だがこの区域を突破する。
道を選んでいる余裕は無い。
作戦目標地域の『V2』破壊お呼びお前の帰還をもって今作戦は終了とする。
必ず帰還しろ、それ以外は許可しない!》
ブリーフィングが終わって各生徒が立ち上がる。
廊下を歩いている最中数名から声をかけられた。
「最後の出撃になるといいな!」
「必ず帰ってこいよ!」
輸送車に乗る。
「必ず、ここに戻る.....。」
P.Jはそう呟いた。
イーグルアイから通信が入る。
《最悪の場所だが、最速の近道だ!
輸送車!そのままの進路で走行を続けろ!》
《来ると思いますか?》
P.Jからの質問にはハッキリとは答えられなかった。
《...何時でも動ける準備はしておけ。》
《了解、問題ありません!何時でも行ける!》
突如輸送車が揺れた。
《敵クーデター軍の生徒を確認.....!》
《イーグルアイ、数は!?》
私がイーグルアイに聞くと同時にP.Jが無理やり輸送車のハッチをこじ開けて確認した。
《目標確認!!
その数.....4!!?
前方より接近中!!》
B7Rの特性上、敵の生徒の通信が混線した。
《Wizard1から各員へ、『鬼神が網にかかった。』》
《Wizard2~5、了解。》
《では、始めよう。》
続けてイーグルアイからの情報が入る。
《情報称号....魔術師のマーク.....
元ベルカ学園多学籍部隊、通称「ウィザード隊」
それだけじゃない!迷彩で潜んでいるがSRTの「CAT」小隊もいる!!》
《え!?SRTが!?》
P.Jは動揺している。
当たり前だろう。
《そんな!?なんで!?》
《ガルム隊!このままでは輸送車が破壊される。
敵勢力を一掃しろ!》
私とP.Jは輸送車から飛び降りる。
《鬼神め、名声すら味方にしたか。
私が確かめる。》
イーグルアイの言葉にP.Jが頭をかく
《ちくしょう ....SRT!制服で!端末でのIFFで分からないのか!?
私たちは敵じゃない!友軍よ!!》
《.....P.J、奴らは敵だ!クーデター軍だ!》
《何言ってるんすか、サイファー!
SRTは味方じゃないですか!!何か勘違いされてるんだ!
でなきゃ騙されて───》
《目を開けろ!!》
《何してるんです?!もう戦争自体はとっくに終わってるのに!!》
《理由は分からないが....クーデター軍にはSRTの生徒も混じっている。
足止めされている場合では無い!!
突破しろ!!》
P.Jは歯を食いしばりながらウィザード1と撃ち合う。
《これは何の為の戦いなんだぁッ!!!》
〈ダダダダダダダダッッッ!!!〉
《最早ここは戦場ですらないわ!!》
《何を言ってるんだ!》
ウィザード1が小さく呟く。
《.....連邦生徒会の会議室にある小さな
P.Jはそれに反論する。
《新しい時代を....決める為の話し合いだ!》
《所詮は欲のぶつかり合い!
それが最後こうなった、違うか?》
《そんな...事!!》
迷ったP.Jのアサルトライフルが弾かれる。
私は彼女を庇い、前に出た。
まずは対赤外線コートを来たSRTの生徒を撃ち抜いた。
《......やはりか、
あいつは頭は狙わない。》
《チッ!》
囲まれて銃撃される。
《『円卓の鬼神』には舞台を降りてもらおう。》
〈ダダダダダダダダダダッ!!〉
〈ダダダダダッ!ダダダダダッ!!〉
〈バリバリバリバリッ!!!〉
ギリギリの所で攻撃を避けた。
《破壊という名の新たな創造は、正道な力を
《何ッ!?》
《なんだって!?》
私とP.Jが叫んだのはほぼ同時だった。
《自治区、市民、権力、今こそその全てをキヴォトスから解放する。
『学籍なき世界』が想像する、新たな世界の姿だ!》
《....何を言っている?!》
《学籍も学校も意味を成さない。
その境界は今私達が消し去る!》
〈バリバリバリバリバリバリッ!!!!!〉
徐々に私達の戦闘機動は読まれ、被弾していく。
《ぐわっ!!!》
《チッ...!!》
《
私はフェリに話した言葉を思い出す。
『私も、これを捨てられるなら、と考えた事が無いわけじゃない。
しかしそんな事不可能だ。
このキヴォトスで、力は相手を従えるためのモノでしかない。
それが常識だ!!
世界が変わりでもしない限り、そんな事はありえない!!』
確かに、言った。
そう、世界が変わればと言った。
しかし、それは歪な物だ。
私は覚悟を決めてウィザード隊の生徒の頭部を撃った。
《ぐはぁっっ!》
《....無理をするな、無駄な悲鳴は聞きたくないのだろう?
それも
彼女は嘲笑った。
片手でM61バルカンを易々と構えて。
《....本来「円卓」の主役は私たちだった。
安心して降りろ、貴女達の墓は私達が掘る。》
《サイファー!!ぐわっ!!》
アサルトライフルを拾って応戦していたP.Jがまともに直撃を受けて地に伏せた。
《P.J!!............ッ!!》
覚悟を決め弾幕の中を掻い潜る。
《
私は怒りのままウィザード隊を全て叩き潰した。
《....学籍なき世界が新しい物語を書き連ねる....。》
《私達が....世界を...》
〈パァン!〉
私は拳銃の引き金を引いた。
《敵攻撃部隊全員撃破!!作戦に変更は無し!
このままアヴァロンダムへ直行する!全員輸送車に乗れ!》
私はP.Jを担ぎ輸送車に乗った。
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chapter:12-2THE VALLEY OF STUDENTS CONSIL~AVALON
《アヴァロンダムに着く前にもう一度情報を確認する
ゲヘナの風紀委員会からの情報によればダム周辺には強力な対空防空網が配備され、ヘリは近づけないとの事だ。
そこで、ゲヘナの風紀委員会と
ガルム隊はSRT特殊作戦班と共に攻撃目標地点へ谷を直行せよ。
それが本作戦を勝利に導く唯一の方法だ。
V2発射制御施設さえ破壊出来れば発射は阻止できるはずだ。
V2には連邦生徒会長命名の「核弾頭」が複数搭載されていると推測される。
各ミサイルサイロ基地のサイロが空だったのはアヴァロンダムに核弾頭を運んだ結果であり、彼女達はそのための時間稼ぎをしていたのだろう。
繰り返すが、この戦術弾道ミサイルは先の核弾頭7機の被害を大きく上回り、下手をすればキヴォトス全域の建物どころか生命そのものが危うい。
V2発射は必ず食い止める!!いくぞ!!》
輸送車は生徒会の谷へと着いた。
私達が降りると同時に車は飛んできたミサイルによって破壊された。
《ガルム隊か、こちらはSRTのFOX小隊だ。
攻撃目標地点へ誘導する。》
《ユキノ先輩だ!!!》
《...知ってるのか?P.J。》
私はP.Jに聞いた。
《はい、あの『災厄の狐』を矯正局送りにしたSRTの英雄です!》
私はその言葉に馴染みはなかったが嬉しそうなP.Jの気を削ぎたくは無かったので聞き流した。
《急げ!時間が無い!》
《はい!》
《あぁ...》
私は彼女が止めて居たジープに乗り込んだ。
銃撃戦が行われているただ中をジープは右に左にと走行する。
撃たれて倒れていくベルカとゲヘナの生徒。
《私達の任務はお前をアヴァロンダムに送り届けた後、制御施設のコントロールルームを制圧することにある。
制御装置の破壊は任せる。》
《了解っす!》
《GALM1、頼んだぞ。》
《あぁ....》
散々な弾丸の雨の中、遂にジープにベルカ....いや『学籍無き世界』の生徒の銃口が向いた。
ユキノの運転技術もあってか、ギリギリ避けれていたが、それも長くは続かなかった。
《タイヤだ!!タイヤを狙え!!》
《了解!!!》
〈ダダダダダダダダッ!〉
〈パシュン!!〉
タイヤを撃たれ、ジープがスリップする。
《くっ!!!》
《ユキノ先───》
岩壁に衝突してジープが炎上する。
《降りろ!》
近づいてくる敵生徒達。
《ガルム隊!行け、ここはFOX小隊でどうにかする!!》
《でもFOX1!貴女1人じゃ!!》
P.Jが心配する声を、FOX1は否定した。
《安心しろ、私は一人じゃない....!》
その時、私たちに襲いかかってきた生徒が銃弾で倒れる。
《狙撃!?》
そして数人の生徒が駆け寄ってくる。
《行け!!ここ我々
《....行くぞ!!P.J!!》
《....ご武運を!!》
P.Jはあの時のホシノ達に対してしたのと同様に、敬礼してから私に合流した。
《こちら、FOX1!攻撃部隊残り6、我々はGALM隊の突入口を死守する。》
《『了解しました....引き続きよろしくお願いします。』》
《了解、『生徒会長』。
聞いたな?各員!敵を1人たりとも通すな!!》
《 《了解!!》 》
──────────────────────
《2人防衛戦を突破!!》
《ガルム隊ね...頼んだわよ!!》
撃ち合っている隣を走って駆け抜ける。
やっと、アヴァロンダムへたどり着く。
《ダム内部に設置されている制御モジュールを破壊しろ!!
円筒形の物だ!!
それでV2の発射阻止ができる!!》
イーグルアイからの指示が入る。
《ここがアヴァロン、最後の地だ!!》
《....ダム内部に突入する!!!》
私とP.Jはトンネルからダム内部へ侵入し、持てる武器を持ってV2の制御モジュールを破壊する。
《照準に捉えた!!!》
《わざわざ報告してる場合か!?撃て!!!》
《了解!!P.J!fire fire!!》
〈ダダダダダダダダダッッ!!!〉
《アヴァロンダム後方の隔壁が下がっている!!急ぐんだガルム隊!!》
《うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!》
《これで!》
《終わりだ!》
最後の制御モジュールを破壊し、私達はトンネルの出口へ走る。
《ダメだっ!!扉が閉まる!!》
《いや!!間に合わせる!!》
閉まる隔壁の接続部分に残ったグレネードを投擲し、破壊した壁の破片が隔壁に挟まった。
《急げ!ガルム2!》
私は一足先に外に出てP.Jに手を差し伸べる。
《うぉぉぉぉぉっっ!!》
間一髪、彼女は私の手を掴んだ。
無理やり引きずり出す。
《V2制御モジュールの全ての破壊を確認した!
サイロの動作停止を確認!!
ガルム隊!よくやった!》
《やった核発射を阻止した!!!!
これで私達は....英雄だ!!》
《状況分析に移る、サイファー、P.J。その場で待機せよ!!》
P.Jは背伸びをして言った。
《これで、本当にこの戦争も終わりだ!》
《....だな...、お前と離れられて清々する。》
《えーー!サイファー、酷くないですか!?》
《....冗談だ》
私は空を見つめた。
《....降ってきそうだな。》
《これで色んなお話が出来るなぁ....
あ、言ってませんでしたね!
私、仲のいい姉が百鬼夜行に居るんですよ。
帰ったらいっぱい褒めてもらおうと思って!
ペロロ様のお土産なんて買ってあったりしてて───》
《警告!!
《ハッ?!───サイファー!!!》
それは一瞬だった。
真横に立っていたP.Jが私を押し倒したその瞬間、
彼女は淡い赤色のレーザーに胸を貫かれた。
《うぐっ......》
一撃で、左胸を。
見間違いだと、思いたかった。
『当然です!戦場では目や動体視力の良さが生死を分けますから!』
前に彼女はそう言っていた。
攻撃してきた者が見えていたのだろうか。
答えは返ってこない。
胸から血を流し、倒れている。
《P.J......》
《ねぇ、》
突如無線が入る。
《戦う理由は見つかった?》
それは、聞きなれた者の声で───
《......相棒。》
片羽フェリその人だった。
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