BLUE ARCHIVE ZERO~THE BELKAN SCHOOL WAR 作:神宮寺志狼
#3-1√A 都市伝説~サイファーからの伝言
『あ~、サイファーちゃん?
あの子、1週間前くらいに居なくなっちゃったんだよね.....。』
ちょっと困ったような声で答えるホシノ。
「"え!!?"」
あの事件の後、学籍がなく、途方に暮れていたサイファーにホシノが提案した。
『行く宛がないならさ、アビドスに来ない?
サイファーちゃんいたら色んな方面で助かるなぁ。』
『.....そういえば借金があるんだったな。アビドスは。』
『まさか、ホシノ先輩、その為だけにサイファーさんウチに入れようなんて言わないわよね!!?』
少し不機嫌そうにシロコがセリカに聞く。
『.....?セリカは反対なの?』
『え....べ、別にそういうわけじゃないけど....』
セリカの戸惑う姿を見てサイファーが1歩譲った。
『その誘いは嬉しいが、私自身がお前達の邪魔になるなら辞退する。
私は一部の生徒から憎まれている。
下手をすればお前たちを面倒事に巻き込みかねない。』
ホシノは困った顔をする。
『いやぁ~、私達はいつも面倒事に巻き込まれてるからねぇ~』
『ん、今更1つ2つ増えたところで問題ない。』
ノノミが条件を出した。
『では、私達の面倒事を手伝ってもらう代わりに、私たちがサイファーさんを手助けする。
これでどうでしょう?』
『.........わかった。』
こうしてサイファーはアビドス学生となった。
筈だった。
『いやぁ、ヒフミちゃん達も誘って大勢で買い物に行こうって計画立てたその次の日からもう姿消しててさぁ、ここ数日が夢だったんじゃないかと思ったね。
ユメ先輩の話し聞かせて、って約束してたのに。』
「"攫われた可能性はないの?"」
ホシノは笑って答えた。
『いや~ないない。
サイファーちゃん強いから。
攫われる構図が思いつかなくない?
それに置き手紙もあったしね。』
「"置き手紙?内容は?"」
『え~っと、
"厄介事を解決次第、ベルカ戦争で世話になった人に挨拶してくる。
戦争で稼いだ資金は必要最低限以外はアビドスの口座に振り込んだから借金返済に使ってくれ。
お前が聞きたい話は、また今度。
それ以外の言伝はミレニアムの生徒が開発したゲームに収録した。"
って。』
「"じゃあ、あの話は本当なんだ。"」
『噂って何さ?』
「"ZEROをノーダメージでクリアすると結末が変わる。って噂が流れてるんだ。
それでモモイ──ゲーム開発部に聞いたら、『プレイしていないなら教えられない。』って言われたんだ。"」
『うへ~、それはキツそうだぁ~。』
「"ホシノたちはプレイしたの?"」
『いやー、皆でお金集めて買った所まで、まだ触れてないね。』
「"そっか。
じゃあもしかしてまだ皆でお出かけとか──"」
『うん、出来てない。
それでシロコちゃんとノノミちゃん凄く機嫌悪いんだぁ~『サイファーが約束破ったー』って。
先生もサイファーちゃん見かけたら帰ってくるように言ってね。』
ホシノは通話を切った。
彼女はアビドスから姿を消した。
私はある程度仕事を捌いたあと、PCを開き件のゲームを起動した。
画面には炎が燃え盛り、ガシャガシャと兵隊の歩く音のような効果音と共に何処か遠い場所を連想させるようなBGMが流れてくる。
そして、膨大なキャスト名と共にゲームタイトルが表示された。
[ZERO~THE BELKAN SCHOOL WAR]
ボタンを押すといきなり顎から上が隠されているホシノがモチーフであろうキャラクターが椅子に座ってだらしなく銃を持ちながら話し始めた。
『ベルカ戦争...?いや~懐かしい話だねぇ~
あ~、あの子達について?
うん、知ってるよ。話せば長くなるかな、
1年前だよ。』
ホシノがベルカ戦争について語り始める。
今回は1部の生徒のみだが「この事実をキヴォトスに伝えるため」という1つの方針の元、無償で本人たちが声を入れている。
このゲームの評判が高いのは臨場感あるセリフがある、というのもあるのだろう。
『先生、知ってた?
強さを求める子、プライドに生きる子、戦況を読める子
この3つかな。
やっぱりあの子は間違いなくエースだったね。』
ホシノが話しかけている相手が「先生」と呼ばれている事から、主人公は私のようだ。
『あれは雪の降る寒い日だったよ。』
そしてミッション画面へ移った。
どうやらこのゲーム内の私が集めた情報の中のサイファーを操作して倒していくゲームのようだ。
武器選択、スキル。
味方の前衛後衛、初期位置などを決めていく戦略シュミレーションパートと、自ら銃を撃つFPSパートが上手く混ざっている。
しかし、聞いていた通り難易度は非常に高く、混戦している戦場の中FPS視点では、後ろからの攻撃に気づけない。
[GAME OVER]
〈テーレーテーレテテテー♪〉
私はあっさりやられた。
「"........."」
私はそっとPCを閉じた。
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