BLUE ARCHIVE ZERO~THE BELKAN SCHOOL WAR 作:神宮寺志狼
「....チッ」
シロコが珍しく舌打ちをした。
[GAME OVER]
〈テーレーテーレテテテー♪〉
「....ちょっと休む。」
「ええ、その方がいいわよ...私もクタクタ.....。」
「シロコ先輩、少しコンを詰めすぎなのでは?
続けて6時間プレイすれば集中力も欠きます。」
「.....分かってる。」
「はーい。飲み物入れましたよ~☆」
「ん、ありがとうノノミ。」
私が持ち込んだPCで対策委員会の生徒が「ZERO~THE BELKAN SCHOOL WAR」をプレイしていた。
「まぁ気楽にやろうよ~、ノーダメージで20ミッション中半分は超えたんだしさぁ。」
私はノーダメージどころかクリアすら危うかったのでアビドス対策委員会に匙を投げたのだ。
一応、ホシノの言う通り折り返しまで来ていた。
彼女達はこのゲームを軽くプレイした。
そして分析した結果、サイファーのメッセージを聞くための裏技を見つけ出した。
モモイは「ノーダメージでクリアしろ」、と言っただけで別に「通しでクリアしろ」、つまり一度もミスってはいけない、とは言っていなかったのだ。
彼女達は1ミッションを丁寧にプレイしながら被弾しても諦めずむしろ敵のパターンをよむ為にプレイした。
その結果、
被弾→再挑戦→ノーダメージクリア→セーブ→次のミッション
と言った形で進めることが出来ている。
しかも1人でプレイしているのでは無い。
2人1組でプレイしていた。
操作に集中する者と追加兵装として購入したレーダー+
シロコとセリカ。
ノノミとアヤネ。
この2人組だ。
そんな中、ホシノは彼女達の操作を机に肘を立てて眺めていた。
「そこグラディサント兵舎でしょ?
正攻法じゃ無理だよ~。」
「"ホシノはプレイしないの?"」
ホシノは細目のまま気怠げに言った。
「おじさんの出番はまだだよ~。
あの4人がトリガー押せなくなった時かな?」
よく考えてみればそうだ。
このゲームは史実を元に作られている。
となれば、当然市街地爆撃の任務もあるはずだった。
だが、それがフェリから語られた時には対策委員会の生徒はいなかったはず。
「"ホシノ、聞いたの?"」
誰からとは、あえて言わない。
「まぁね~。」
「じゃあ次は私ですね~☆」
選手交代のようだ。
私はその姿を見ながらまたホシノに問いかける。
「"サイファーからの寄付金は使ってないんだよね?"」
「そだよ~。
皆で話し合って、サイファーちゃんが戻ってくるまで使わないってことになったの。」
夕日が沈みかけた空をみてホシノがため息を着く
「....どうして居なくなっちゃったんだろ。」
「"....きっと、戻ってくるよ。"」
私は気休めの言葉しか、かけられなかった。
そしてその日はそれ以上進まずお開きとなった。
「ん、先生、おはよう。」
「おはようございます♪先生。」
次の日、またシロコがPCと睨めっこしていた。
「....超えた....。」
また長時間ゲームをプレイしていたのか、彼女は机に突っ伏した。
「お疲れ様でした。シロコ先輩。」
「では、次は私──」
ノノミより先に椅子に座ってホシノが言った。
「んいや、おじさんがやるよ。
アヤネちゃんサポートよろしく。」
その真剣な目を見てアヤネは一層気を引き締めた。
「は、はい。」
「ここから2~3ミッション続けて私がやるよ。」
そして、ホシノの担当したステージは
・エクスキャリバー破壊任務。
・B7R制圧戦
だった。
彼女はアヤネが発する情報を元に敵を倒していく。
そして、例の作戦が始まった。
「な、何よこれ!!
おかしいわよ!急に市街地を焼き払う部隊を援護せよ、なんて!!!」
セリカが叫んだ。
ホシノが諭すように言った。
「これが....サイファーちゃんが迷いながらも突き進んだ道だよ。」
ここでプレイヤー、ホシノ達は『鬼神』か『片羽』、どちらを操作するか迫られた。
「え...どうするんですか?ホシノ先輩。」
ホシノは悩んだ末、セーブをしてから提案した。
「ねぇ、ここ
その言葉にシロコとノノミが頷いた。
「2人の内、どちらか選べるというのであれば、この後彼女達は....。」
「.....フェリは橋から落ちそうになったレッドウィンターの生徒を自分が無防備になりながらも庇った。
フェリがこの作戦をおとなしく敢行できるとは思えない。」
シロコの考察は正解だ。
そしてホシノはフェリを選択した。
ホシノは何時もより余裕そうにプレイしている。
というより、これは追い詰められてボロボロになったベルカ生徒の再現の為に、敵からの攻撃がほぼ無いのだ。
『クソっ....連邦生徒会の犬め....ッ!!!』
『ッ!!私は.....私は。』
結果、ゲーム内の『片羽』も耐えきれなかった。
場面は移り、ムービーが流れる。
ヴァルキューレの生徒と共に市民を助けるフェリの構図だ。
そして、その足元に弾丸が飛んでいく。
『......何してるガルム2』
銃を構えていたのは『鬼神』だった。
「そ、そんな.....。」
アヤネが言葉を飲み込むように口を覆った。
シロコ達は暗い表情をしながらもしっかりと画面を見ていた。
『対策委員会の子達が言ってたわよね
戦う理由、見つかった?』
『.....いいや。』
『私はそれを見つけた。』
そして、『鬼神』と呼ばれる生徒との初の正面対決が始まった。
ホシノと言えどノーダメージとはならず、被弾する。
しかも、撃ち込んでも撃ち込んでも、彼女のHPゲージが一向に減らない。
にも関わらずプレイヤーのHPはゴリゴリ削れていく。
アヤネが気づいた。
「ホシノ先輩!!これは時間制限まで生き残る負けイベントです!!!」
「そっか!!」
そしてホシノが攻撃より回避に専念し、何とか凌いだ。
『さよなら、『相棒』私は戦う理由を見つけたの。』
[STAGECLEAR!!]
皆が黙る中、セリカが口を開いた。
「ひ、酷いわよ!!あのサイファーってやつー!!
ムカつくぅっ!!!」
「セリカちゃん.....落ち着いてください。」
「落ち着いてられないわよ!!
だって『片羽』はヴァルキューレの生徒と一緒に市民助けてただけでしょ?命令違反とかそんなの関係ないわよ!!
どうして理解してあげられないの!?」
「「.....」」
言葉に詰まるシロコとノノミ。
2人も困惑しているようだった。
「...サイファーさん....どうして....」
「....じゃ、サイファーちゃん視点でプレイしようか....。」
「やる必要なんてないわ──」
キレているセリカをシロコが睨みつける。
「"ストップ!シロコ待った。"」
私が仲裁に入った。
「....先生は知ってるんだよね?サイファーがどうしてこんなことしたのか。」
「"本人の声を『聞いた』からね。
セリカも、見れば納得出来ると思うよ。
お願い。"」
私はセリカを説得して座らせた。
「じゃいいかな?」
ホシノがセーブデータから同じミッションを選択した。
そして『鬼神』を選ぶ。
『鬼神』の独白が入る。
彼女は達観していた。
戦場を見た瞬間に酷い状況だと分析していたのだ。
意図した情報の隠蔽。
偽のゲヘナ生徒。
そして、意図的に入る敵生徒の
セリカは困惑した。
「え!?え?なんで。
ならこんな任務受けなきゃ良かったじゃない!!」
序盤は変わらず攻撃があまりなかった。
しかし、それは戦車中隊の支援が終わったあと急にやってきた。
『ガルム1』
それはボイスチェンジャーの声だ。
『連邦生徒会の防衛室長が何の用だ。』
そうしてやり取りが始まる。
鬼神への勧誘だ 。
『鬼神』はそれを断った。
「あー.....そっか。だからサイファーちゃんは撃つしか無かったんだね。」
ホシノが納得した。
「え!?何よ!?」
「ホシノ先輩、どういうこと?」
セリカやシロコがこぞって聞く。
「.....サイファーちゃんは連邦生徒会、特に防衛室長から脅されてたんだよ。
変な動きをしたら、反逆者として指名手配されるって流れ。」
そして防衛室長の用意した雇われ傭兵との戦闘が始まる。
彼女のルートは『片羽』より難しくなっていた。
しかしホシノは被弾など一切せず倒しきった。
だが、完全に『鬼神』は疑心暗鬼になっていた。
故に『片羽』に戦闘を強要することしか出来なかったのだ。
セリカの目は潤んでいた。
「な、なんでこんな事に、ただ2人とも頑張ってただけなのに.....グズッ....」
アヤネがセリカにハンカチを貸していた。
シロコは歯をギリギリ鳴らしていた。
「ん、連邦生徒会を襲う。」
「"待った!!もう本人は罰を受けてる最中!!"」
シロコは苛立ちを隠せない。
ノノミも涙目になっていた。
それでもホシノだけは冷静にコントローラーを握る。
そして『片羽』との戦闘。
ホシノは被弾無しで、『片羽』を圧倒した。
[STAGE CLEAR!!]
「....おじさん疲れちゃったな。
今日はお開きにしよう。」
ゲームをしっかりセーブした後、お通夜状態の部屋から、ホシノは去っていった。
後書き
よくよく読み直してみたらこのアビドスルートですが、下手すると『曇らせ』に該当する可能性が出てきました。
やば、晴らさねば。
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