BLUE ARCHIVE ZERO~THE BELKAN SCHOOL WAR 作:神宮寺志狼
制圧した生徒を最寄りの駅に呼び出したヴァルキューレ警察学校の生徒に引き渡した。
「局長、確認をお願いします。」
『....よし、問題ない、そのまま連行しろ。
...引渡しを確認しました、お疲れ様でした、先生。』
電話越しに会話しているのはヴァルキューレ警察学校公安局局長の
「"カンナもお疲れ様。"」
『はい、では私はこれで....』
電話を切ろうとする声を遮った。
「"ちょ、ちょっと待って!"」
『どうしました?連行手続きに不手際でも...?』
「"そうじゃなくて"」
「先生~置いてくわよーー!!」
遠くでセリカが手を振って呼んでいたので私は歩きながら電話をする。
「"カンナに聞きたいことがあるんだけど"」
私は通報する際にカンナに直接電話をかけた。
というのも、キヴォトスの
出来ることならば生徒を疑わない。
しかし油断はしないようにとカンナに直接連絡している。
『なんでしょう。私がお答えできることであればお教えしますが?』
「"カンナってベルカ戦争の事知ってる?"」
『......』
沈黙の後少し冷たい彼女の声が聞こえる。
『.....先生、どうして"それ"を聞きたいのですか?』
「"連邦生徒会関連の仕事でベルカ戦争の資料を作ることになって、情報を集めてる。"」
カンナはため息を着くといつもの声に戻した。
『.....そうですか。興味本位などの理由でなくて、幸いです。
この話は長くなりますから、先生の都合に合わせてスケジュールを空けておきましょう。』
駅の改札をくぐるとアナウンスが流れてきた。
〈1番線、トリニティ行きが参ります。危ないですので....〉
『それと先生、分かってると思いますが、電車内で端末での通話はご法度です。
では、また後で。』
通報している時の事を言っていたのだろうか?
カンナは珍しく冗談を口にして通話を切った。
「先生、遅いわよ!乗り遅れるところだったじゃない!」
「"ごめんね、セリカ。皆もお待たせ"」
こうして私は皆と共に運転が再開した電車に乗りこんだ。
この調査中、分かったことがある。
それは至極当然の事。
戦争、いや『戦場』を体験した生徒ほど、この話題を警戒している、ということ。
『下手な事には首を突っ込まない方がいいとおじさん思うな~』
『あれは嫌な思い出が多すぎる......それは私だけでは無いだろう。』
『.....そうですか。興味本位でなくて、幸いです。』
ホシノ、マリナ、そしてカンナ。
皆の反応が物語っていた。
私が聞いているのは生徒達の体験談であり、敵や味方、ましてや当人の気持ちは分からない。
悲しみ、怒り、憎しみさえも。
それをなんとか忘れて生きている生徒も存在するだろう、トラウマになっている子もいるだろう。
これまでの生徒が当時の事を話してくれていたのはその生徒達が単に引きずっていなかったからだ。
私は唐突に理解した。
今私がしている行為そのものが、地雷原を素足で歩く様な行為だと。
だからこそモモイがベルカ戦争の話を聞きに行った時にユウカは突き放したのだろう。
「先生、ヴァルキューレ警察学校の生徒と何を話されていたんですか?」
電車内で考えているとアヤネから声をかけられる。
「"ちょっとね、'今調べてる件'を日を改めて聞くことになって──」
「...ねぇ、先生私思ったんだけどさ。」
私の言葉を遮ったのは真面目な顔をしたホシノだった。
「"どうしたの、ホシノ"」
隣に座る面々も怖くなるくらい真剣な態度のホシノに姿勢を正した、が
何か考えるような沈黙の後彼女の口から出てきたのは驚きの言葉だった。
「....あれれ、何を言おうとしたのか忘れちゃった。」
歳を取ると記憶力落ちてダメだね~
なんて言い出すホシノ。
ふと違和感を感じた。
ホシノをよく知っているアビドスの面々もそのようだった。
「学校に帰るまでに
私達も聞きたいことあるしさ。」
急に話題を振られるフェリ。
「え?私?
別に良いけれど...
....元。トリニティ総合学園ティーパーティー所属の
こちらも違和感があった。
彼女は
トリニティ総合学園、元ティーパーティー所属、なら分かる。
彼女が何らかの理由で留年し、ティーパーティーから除外されてしまった、なら話はわかる。
だが彼女の言い方では、もはやトリニティ生徒ですらない、
そう、言っているように聞こえた。
それにいまだ分かっていないホシノの問の答え。
『育ちのいいトリニティのお嬢様が何で義手を付けてまでこんな戦場にいるのさ。』
過去、ホシノがフェリにした質問である。
たしかに妙だ。
トリニティのティーパーティー所属の生徒がどうしてウスティオ傭兵育成学校の部隊員になったのか。
片羽フェリにも謎が多い。
まるでベルカ戦争のように──
「で、小鳥遊ホシノ、砂狼シロコ、十六夜ノノミね。
で後輩2人と。
貴女達名前は?」
フェリが指をさして見知った生徒の名前と顔を確認した後、セリカとアヤネを見て質問した。
「私は1年生の奥空アヤネです、アビドス生徒会では書記をしています、となりにいるのは同級生の黒見セリカちゃんです。」
「...ど、どうも。」
セリカの挨拶の歯切れは悪かった。
そういえばセリカは初対面、大人であったのもあるが私の事を警戒していた。
普段騙されやすい分、初対面の人にはこう言った対応なのかもしれない。
「アヤネとセリカちゃんね、
後はキヴォトスで知らない人はいない先生とその隣に座ってるシロコちゃんの...お姉さん...かしら?」
自信が無いのか、疑問形だった。
どう説明しよう、とホシノ達が目線を泳がす中、シロコ*テラーが答えた。
「.....正解。私はそこにいる砂狼シロコの姉、アビドス高校3年生の
私も対策委員会の皆も「"「え゛!?」"」とうっかり声に出してしまう。
シロコ*テラーがハッタリをふかしたのだ。
「え!?嘘よね!?」なんて言っているセリカ。
以上の2点のせいで怪しむフェリ。
「─って反応してるけど。大丈夫?」
「ん、当たり前。今初めて正体を明かした。
私は名前と顔を隠してこれまで「覆面ライダー」と名乗ってきた。」
と戦闘中に被っていた覆面をどこからともなく取り出す。
「3年生....?でも、さっきの戦闘中にホシノの事を"先輩"呼びしてなかった?」
「.....そこにいる
だから、"先輩"」
上手いこと筋は通っている....のか?
「皆も、これからは私の事をそう呼んで。」
最後のそれはお願いにも聞こえた。
同一の存在が二人いてはいけない。
そんな無情な世界に対してのせめてもの抗い。
その意思表示なのだろう。
「そう、わかったわクロコ。」
アビドス対策委員会の皆も頷いた。
「"フェリ、話したい事って?"」
一通りの自己紹介が終わってから私はフェリに話題を振った。
彼女が先程の戦闘で前方車両に行く前にすれ違いざまに私に呟いた事について。
向かいの席に座るフェリは私に質問をした
「いくつか聞きたいことがあるの。
この書き込みに覚えは無い?」
フェリは自分の端末を操作してある掲示板サイトを表示した。
それは昨夜私が書いたスレッドだった。
「あちゃー.....これ先生?」
ホシノが画面と私を交互に見る。
連邦生徒会直轄の組織であるS.C.H.A.L.Eの顧問の発言というのは自分で理解している以上に影響を及ぼすものだ。
故に生徒のフリをして書き込んでみたのだが....
『関わるな』
『危なすぎる。』
『ベルカ戦争の闇に触れた人は誰1人生きていない。』
「見事に忠告の文書ばかりですね....」
アヤネがフェリからタブレットを借り、スクロールしていく。
あるアカウントのIDが目に止まった、同時にフェリがアヤネに待ったをかける。
「そこで止めて。」
皆の目に映るのはひとつの書き込み。
C.I.P.H.E.R『ベルカ戦争の真実を知っている者は少ない、何故ならその多くがあの戦争で亡くなった、もしくは消えたからだ。
だが、存在していない訳では無い、何故なら私はその一人だからだ。』
ガセネタを怪しむ数件の書き込みの後に文章は続く。
C.I.P.H.E.R『真実とはシュレディンガーの猫の様なものだ。
事実が観測できないのであればそれは両方の結果が存在する
"1"か"0"、コインの裏表、ONかOFFなのか。
貴方がこれを理解してなお、真実を知りたいのであれば
私を、探し出してくれ。』
「"C.I.P.H.E.R.....つまるところ
ホシノが"
本人かどうかはともかく私はスレッドを読み込んだ。
しかし以降このアカウントによるコメントの書き込みは無かった。
「まず整理したいのだけど─」
皆がコメントを読み終えるとフェリが口を開いた。
「先生は、どうしてベルカ戦争を調べているの?」
「"とある生徒と連邦生徒会長代理からの依頼で資料を作らなきゃいけない、からかな?"」
「....そっか。仕事なら仕方ないわね...」
フェリは空を眺めて語り出す。
「なら次は私の番かしら。
貴方達が降りる駅まで、後どのくらいあるか、分からないけれど、
さて、どこまで聞いたの?
ウスティオ中央都市ディレクタス解放?
「
アヤネとセリカが疑うように言葉を繰り返した。
一瞬耳を疑う単語が出てきた。
都市奪還は分かる。
だが、エクスキャリバーとは?
イングランドのアーサー王伝説でアーサー王が金床から引き抜いたとされる剣である。
王を選定する為の剣だったが屈強な戦士にも抜けず、若き少年が剣を引き抜くところを周囲から嘲笑されながら柄に軽く力を込めたら抜けてしまったという。話ではなかったか?
色々なゲームの武器にされている聖剣の名前がどうして?
一瞬だけ「ここにゲーム開発部の皆がいたらいい反応するだろうな」などと考えてしまった。
特にアリスだ。
あれだけ基本思考がRPGに寄っている彼女なら確実に反応しただろう。
「エ、エクスキャリバー....あ~ぁ
お、おじさん思い出したくないな~........」
ホシノを見れば珍しく顔を青くし白目を向いた後、頭を抱え始めた。
「ん、後にも先にも死ぬかと思ったのはあの任務だけだった。
二 度 と や り た く な い !」
「.....私も同意見...下手をするとアビドス高等学校が無くなってた....」
2人のシロコがホシノに続いた。
「え、ホシノ先輩が頭抱えるとか.....何があったの....?」
最早その様子にセリカすら引いている。
ノノミだけが、笑っていた。
「そういえばそんなこともありましたね☆」
「なんでノノミちゃんは笑ってられるのさ....」
「逃げ回るのもいい運動になりましたし?」
ぽかん、としている私とセリカとアヤネ。
見かねて
「.....先生....ビナー...覚えてるよね?」
デカグラマトンの預言者...ビナー、忘れもしない。
「サンクトゥムタワーからあの
ゲーム開発部がいたら多分「こんなのチート!無理ゲーだよ!」って言い出すような性能だった。
シロコが続いて話す。
「ん、強いて言うなら塔のようなレーザー砲台だったから動かない所しか良いとこない....」
ここで珍しくアロナが口を開いた。
「先生。もしかしたらその兵器.....
キヴォトスには存在しない技術....その可能性は高いだろう。
唸るホシノを横目にシロコが変わってフェリに話した。
「...まだ、そこまで言ってない。
ルート171号の所。」
「え?まだまだ進んでないじゃない!!
なら次は....あー.....『B7R調査任務』ね....あれはサイファーと私しか参加してなかったから。
先生、それと私、今はトリニティ追放処分、みたいな事になってるから'あの子達'の所には行けないの。話を聞きたいなら、1度降りて貰えない?」
フェリは電車から降りて、2人きりで話そう。と言った。
その言葉を聞いた
「それは...ダメ。どうしてもと言うなら私も降りる。」
「"え?どうして"」
「信用出来ない. ...」
「....そう、まぁいいわ。ここはキヴォトス、ヘイローの無い先生を心配するのは当然だもの。」
ここで次の駅に近づいた事を知らせる車内アナウンスが流れる
「対策委員会の子達はトリニティに用事があるのでしょう?行ってらっしゃいな。」
いつの間にかホシノがこちらを見る。
「先生、大丈夫?」
それはどの意味なのだろう。
対象的にクロコは言う。
「任せて、
「うん、先生をよろしくね、2人共。」
『〇〇~〇〇、お出口は~。』
「"じゃあ行ってらっしゃい。私も後で行くから"」
「ん、待ってる。」
「先生、お気をつけて。」
こうしてアビドス対策委員会と私達3人は別れた。
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