とてつもなく関係ない話に感じるかもしれないが。
シャンフロにおいて、トップ層とライト層を簡単に見分ける方法というのが存在するのをご存じだろうか。
見分ける方法はとてつもなく簡単で、見たことない装備をしているかどうか、これだけである。
極端に言ってしまえば見た目が違えば基本的には何かしらの要素をやりこんでいる者だと考えていい。それくらいにシャンフロにおいて見たことのない装備、というのは
それは例えば黒狼のリーダーであるサイガ-100や同じく黒狼のエースであるサイガ-0の恰好なんかが分かりやすい。
全身がユニーク産のサイガ-0と同じ格好ができる者は居ないし、聖剣という唯一無二があるサイガ-100も他の者が再現することは不可能だ。
まぁなにが言いたいかというと、このシャンフロにおいて、見たことない装備というのはイコールでユニーククエストであるという事で
「――アンちゃん、要求しといてなんだけどさ」
「……?なんです?」
「なにその装備。見たことないのばっかりなんだけど」
そんな見たことない装備で全身を覆った協力者、なんてものが現れた黒狼館に、先ほどまでとは別の緊張感が走ったのを感じながら、ペンシルゴンはとんでもない爆弾を抱えてきたスポンサーに内心頭を抱えていた。
確かにペンシルゴンは、アンバーに対して「入ってくる時はできるだけ正装でヨロシク!なるべく知られてない恰好なら最高!」とは言った。
しかしだからといって全身ユニークで包んでくるんじゃない。どこぞの
「全身キッチリ話聞きたいところではあるけど……とくにその聖職者っぽい服、なに?」
「これはクエスト報酬で貰えたやつで、聖じ「おっけーわかった、ちょっとストップ」」
とんでもねぇ爆弾である。おかげさまで後ろにいる
今はもうこれ以上、深掘りすることはやめよう。ペンシルゴンはそう決意して話を進めることにした。藪蛇はあとで突っつくことにするのを胸に秘めて。
「ま、とにかく。この子が旅狼のスポンサーでねぇ、貧しい新興クランの私たちを憐れんで、色々援助してくれてるんだよね」
「そ、そうですか。ですがそれがどうしたと?」
予想外の展開にいまだ思考が追い付いていないのか、さっきまでの饒舌っぷりが嘘のように察しの悪いリオリウス。
思わずサイガ-100と一緒に呆れそうになってしまうのをグッと堪えながら、ペンシルゴンは彼に自分が作った盤面を教えてあげることにした。
「簡単だよぉ、今度の勝負にアンバーちゃんもちょぉーっとお金出してくれるってだけ。あ、ちなみにアンちゃん。参考までにどのくらい出せる?」
「即金だと100億くら「ハァ!!??」うるさっ」
軽く出てきた金額のデカさにリオリリリが叫ぶ。他の面々も大小はあるが驚いているようで、たいした反応がないのは全く話を聞いていないサンラクくらいだ。
「そんな金額を個人が出せる訳ないでしょう!冗談もほどほどに「この場で出してもいいけど?」――な、あ」
「アンちゃんストップ。片付け大変だから」
「そうだな、迂闊にそんな額をアイテム化するものじゃない」
冗談と言われたのにムッときたのだろう。まさかのアイテム化して見せようとするアンバーをペンシルゴンとサイガ-100が止める。
さすがにここから散らばったマニー集めはご免である。
しかし実物を迷う素振りすら見せずに叩きつけようとする姿勢に臆したのか、それっきりリモリモスは黙り込んでしまい、そんな姿にペンシルゴンは嘲笑を、サイガ-100は呆れと少しの心配が混ざったため息を溢す。
そうして黒狼と旅狼の会談は、旅狼が主導権を握ったまま終わることとなったのだった。
「で、なんで私は捕まってるんですかね?」
「そりゃあアンちゃんが着てきた服で」
「逃がすわけにはいかなくなっちゃったからなのよねぇ」
「ではアンバーくん、楽しい話し合いと行こうか」
黒狼との話し合いが終わり、今度ゴルドゥニーネに挑むとかいうとんでもないことを漏らしたサーモン被った半裸女性が逃げ切った後。
私はペンシルゴンとジョゼットに両脇から抱えられた状態で、なぜか取り調べを受けていた。
「色々と聞きたいことはあるが、まずは服の詳細を聞いてもいいかね?」
「その前に降ろしてもらってもいいですか……」
「ふむ、それもそうだね」
キョージュの合図とともにようやく解放される。さて、この装備を手に入れた経緯を聞きたいということなのだが……
「長くなりますよ?」
「構わないとも」
いや、多分他の人はそうじゃないと思う。間髪入れずに返してきたキョージュに、思わずそうツッコんでしまった。