受肉体無双   作:覚め

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禅院?知らんわ。殺すぞ。
フィジカル?いらないね、そんなの。


拳?ノー!術式!

…受肉したか。どうやら羂索のやりたいことはできたらしい。死滅回遊の説明を受けている最中に記憶を読み取るか…ほう。現代の話し方は随分とふらんくだな…いや、フランクか。海の外の言葉さえ使いこなすとは。受肉したやつの名は…えーと…修羅機(ぱーま)…?

 

「わ、訳がわからん…?」

 

「おい、退けよ」

 

後ろから一撃。反応が遅れるも、問題はない。呪力で守り、呪力放出で弾く。しかし、まあ。なぜだろうか。このコロニーの中で、余程の人間はいないと思える。俺の術式で一掃できる程度…記憶は読み取れた。後は消す。上書きして、受肉を完了する。その後、一撃を喰らわせて来た男に一撃。

 

「俺の術式は範囲攻撃。範囲は出力にもよるが、最大で半径一里」

 

「開示させる訳ねえだろ!!」

 

「お前も受肉か」

 

と言うわけで。術式を発動させる。領域は便利だがその後がきつい。なので、まずは最大火力で数を確かめつつ、ルール上のポイントを集める。とすれば、必要なのは全滅させた後のこと。何人か生かせば呪霊が湧くだろうが、それでも1ポイント。なら、ルールで全滅させたやつに得点を加えさせれば良い。

 

「は…?」

 

「これが俺の術式。鎌倉でもここまでの火は観れんぞ」

 

「隕石…!?」

 

俺の術式は隕石。と思われがちだが、あれは極ノ番。まあ、あの隕石も隕石で拡張術式ではないのだが。俺の本来の術式は空洞になっている岩の球体を作り出すもの。遠く離れた場所に岩を落とし、俺は自分を岩で包み隠れる。これが一番強く、一番楽。岩を動かせないのが玉に瑕といったところか。

 

「ぐあっ!?」

 

「…楽で助かる」

 

本来、こう言った術式は呪力を圧倒的な速度で消費していくものだが。俺は恵まれている。何せ、呪力量で言えばそこらの術師の3倍は軽く超える。羂索からは『宿儺と同等はあるよ、君』と言われるくらいには多いらしい。その宿儺と言うのがどこにいるのかもわからんが。

 

「…さて」

 

『ポイントが追加されました』

 

「鎌倉なら、これでも生き残る奴はいたんだがな。やはり、時代か…」

 

追加で二回落とし、ルールを追加する。死滅回遊のコロニー内に他プレイヤーがいない場合、その者はポイントの変動がなくても死なない。新しく入って来た者がいた場合はその日を0日とし、カウントを再開する…まあ、こんなものか。全員殺すことが決まった訳だな。

 

「そうか、呪霊も…仕方ない。更地にするか。」

 

しかしこのコロニー、広いな。更地にするだけでも呪力を相当食う。さらに言えばこの付近には地下もある…それを考えれば、かなりきついな。珍妙な奴に数を数えてもらいながらやってるが…残ったのは21人。鎌倉なら非術師でももう少しは残ったものだが、平和ボケか。

 

「…ん?」

 

「死ねぇ!!」

 

男がこちらに珍妙な…短筒をこちらに向けて呪力を放って来た。手で受け止めはせず、避ける。読み取った記憶から、あれは拳銃…距離にもよるが、生身の人間を殺すには十分なものらしい。すると拳銃の姿が変わり、何やら先ほどよりも長いものになった。放たれた呪力は散らばり、殺すよりは当てることにまず重きを置いたやり方。素人が。

 

「だからこうなる」

 

「や、やめて」

 

短筒を奪い取り、放つ。やめてほしいのなら術式を止めれば良かったのに、何故止めなかったのか。それこそが素人の選択だ。

 

「残りの20人、全てが俺に来ないと勝ち目はないはずだが」

 

コロニーの壁近くで激しい爆発が起きる。数が2人消えたことを示す。自爆か、爆発。そのどちらかの術式だな。

 

「ふむ…まずは飯、か」

 

数が増える。なんだ?何があった?まさか、現代には、幕府お抱えの術師集団がいるのか?あり得なくはないが、だが…どうなっている。質が悪い。何なら、今殺した男より質が悪いぞ。

 

「失望、だな。おいコガネ、今のポイントは?」

 

『215ポイントです』

 

「まじか。術式持ちの受肉体じゃなければこんなものか…」

 

3人くらいが徒党を組んだか、三方向から囲んで来た。といっても、徒党を組むだけで質が悪い。

 

「んっ?」

 

「加茂君さぁ。ヤケになったのは良いけどさぁ…もう少し、ないわけ?」

 

「無い。ここまで荒れた結界も、他にはない」

 

「同感だけどよ!!」

 

三人。箒に乗る女、弓矢を携える男、刀を持つ男。この中でいちばんの実力者は刀を持つ男と見た。刀か…まあまず斬られたら死ぬな。で、しぬのならばそいつは鎌倉で死んでる。鎌倉だって武士はいた。そいつに殺されるような奴は、羂索からみて特に興味も湧かないだろうしな。それに、術式が術式だ。

 

「巻き添えは、何人で済むと思う?」

 

「は?」

 

ある程度更地になった今、場所がわかれば出力を絞ってもまだ余裕はある。上から落とすのではない。出現させて、岩を投げ飛ばす。気分は玉乗りピエロ。

 

「うおっ!」

 

「それを斬るか!」

 

「鎌鼬!」

 

「苅祓!」

 

術式は大体割れた。箒は付喪に関するもの。弓矢の男は血を操る。または何かを利用して斬撃を放つもの。刀の男は…何か変なものだな。術式ではないが、それに似たものは使って来ている。

 

「少しは骨のあるやつが来た、と言うことか」

 

「…嘘だろ…」

 

「止めた!?」

 

「やっぱり、私の鎌鼬って弱いのね」

 

「待て、俺たちはお前のポイントを使いたいだけだ!」

 

「…え、殺し合いに来たのでは?」




パーマ…受肉元。キラキラネーム。羂索が面白がっただけの凡夫。術式も何もないカス。
ちなみに。隕石のせいで起きる気象変化はほとんど結界の外には影響しません。羂索が主人公の術式を思い出して『やっべ、死滅回遊の前に日本沈むやん』となった為の特別製です。やったね。
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