「流石に戦う気のない奴と戦うのはな…」
「まず、一つとして。ポイントの譲渡を可能にして欲しい」
「…何故だ?コロニー間の行き来が先だろう」
「俺たちの仲間は殺し合いをどうにかしたいらしい」
なるほどな。うーん。あまりこう言うことは言いたくないのだが。そいつのために集めたポイントではないからな。条件として、ポイントの譲渡くらいはお前らがやれと言うわけで。鎌倉時代だったら死んでるぞと言いつつ、条件を提示した以上は譲渡するという話し合いの決着になった。
「それより上を求めるなら、それこそ殺し合いだ」
「へぇ」
「…日下部先生、私は」
「ここで待機だな…西宮も」
「待機?待機か…なら、俺の側にいた方がいい」
「?」
「何でだよ」
「天から、地面が降ってくるからな」
「ぁあ!?」
「この結界に来るまでの間に起きていた地響きはこれか…!!」
さらに。領域を展開。俺としては、領域には二つの使い道がある。一つ、対象を縛った落石。こっちは対象を絞ることで味方の被害を無くせる。二つに、自分を領域の外壁と設定して術式の威力を上げる。これなら、半径は7キロまで広げることができる。
「領域展開」
「更にでけえのが!」
「日下部先生!西宮!」
「分かってる!」
「っ」
と言っても、外壁を自分にして出力を上げる方法は縛り込みだ。一撃のみの落石。地面に触れ、大地が隆起する。領域の解除と共に俺は術式が使えなくなる為、ここは自力で生き延びる。俺の最大火力だ。
「ったく…危ねえな」
「ふむ…今のでこのコロニーには俺たち以外の奴は死んだ。俺が術式を取られるのは19日後だが、お前らはそうもいかない。」
「つまり…」
「お前の仲間がポイントの譲渡を達成しなければ、俺はお前らを殺してこのコロニーを家とさせてもらう」
「…」
そこから数日。ポイントの譲渡が確定した。ふむ…使われたのは、日車とか言うやつのポイント。仲間に引き入れたか…なら、俺はポイントを譲渡しようか。まあ先ず、俺としてはコロニーの行き来だな。それをやってからポイントを渡してやる。
「コガネ、ルールだ。コロニー間の行き来を可能にしろ」
「!お前、貴重なポイントを!!」
「で、誰に譲渡すれば良い」
「っ…クソッ。伏黒恵って奴だ。」
「…お、いた。コガネ、ポイントの譲渡だ。伏黒恵」
と言うわけで一足先におさらば。そもそもここはどこだ。あ?名古屋コロニー?…名古屋?まあ、それは良いとして。鎌倉はどこだ?俺が一度滅ぼそうとした鎌倉。そのあとは幕府お抱えの術師になりはしたが…な。俺の術式を使うなとか言い出した幕府は…多分ないな。仕方ない…首都の東京に行くとしようか。
「…東京コロニーが二つ…?そうだな…伏黒恵は…こっちか」
さっと歩き出して、そのまま東京コロニーへ。落ちる際は岩で身を包み、地面に衝突。
「…━!」
「新手だ、虎杖」
「うす!」
「あれは隕石じゃないかな少年!!」
「なかなかの使い手が二人。いや、一人だな」
呪力を感じる。片方の呪力量だけで言えば、かなりの使い手。もう片方は…恐らくは、羂索の言っていた宿儺の器か。一人に二人の呪力が混じり合っているのを感じる。間違えたな、来るコロニー。だが宿儺の器は隣にいる呪術師よりも弱い!
「まずはこじ開けろ!」
「応!!」
「ほう」
思ったよりも出力があるな。
「宿儺の器。お前が死ねば、羂索が…どうなるか」
「は?」
「玉犬!」
「お前らが仕掛けて来たんだ」
石を作り出し、宿儺の器を囲う。すぐに出てくるだろうが、その間に式神使いの恵を蹴り飛ばし距離を取る。式神は式神使いを守りに行くはずだ…が。守りに行かず俺を殺しに来た。犬の形からして考えられるのは噛みつきか爪、もしくはタックル。
「っ!」
式神使いの方向に飛ばしてくるか。
「ってな」
「クソッ」
「伏黒!!」
油断した、厚めに作ったら少しは時間を稼げるだろうと。一瞬で出てこなかったから時間がかかるだろうと、思ったが。俺にはこうも、こういう殴り合いのやつが刺さるらしい。
「っ…綺麗な都だ。壊すには惜しい」
「うらっ」
「待て、虎杖!」
小さめの出力で隕石。半径は1メートル程度、速度もまあまあ。かなり大きい被害が出る。宿儺の器。お前が受け止めるか、お前らが死ぬかだ。
「ふん」
「…っ!」
「ぬおおお!!!」
「おっさん!?」
「アンダー!!」
「なっ!?」
「お、トス!!」
「半径1メートルの岩石だぞ…!?」
「玉犬!アタックだ!!」
「クソが!!」
半裸の男が混じり、バレーボールのアンダーパスでボールを浮かせたと思えば、宿儺の器が上げ、式神が正確に俺に返して来た!!受け止めれるか?いや、受け止めるのは無駄、避けてもう一度隕石を落とす。そのあとは半裸の男を抑えれば!
「なっ!?」
「あ、あいつ落としたぞ!」
「邪魔だな、あの男!!」
「こっちだ!!」
「ごっ」
宿儺の器に頭をぶっ叩かれる。何故だ、いつもの俺ならしないようなミスが乱発する。更にあの半裸の男、あの男が何故、こんな
「っ!!」
自分の影に重なるように、誰かがいる。空を飛んでいるのか、宿儺の器ではない。では、誰が─
「─ぁあ!!?」
「天使!!」
肌が、焼ける!空を飛び、対象を焼き殺す…日照りか?日照りの上位互換か!?
「がっ…」
「…コガネ、こいつは誰だ?」
「隕石の中から出て来た…桃太郎では?」
天使「ステルスヤコブ、サイコー」