受肉体無双   作:覚め

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乙骨が止めれた理由として、ドルゥヴの術式の使い方を縛ったことによって通ることの出来ないガチの不可侵領域を張れたこと。ドルゥヴの術式をコピーしてたことから恐らくはドルゥヴはリカに食われている(完全顕現かどうかは関わらず)。ドルゥヴも乙骨相手に相当な小手先を使っただろうから、そう言う使い方が出来た。
と言うこじつけ。


領域?いいえ、術師ホイホイ!

「どうした、他に式神は出さないのか?」

 

「出しすぎると疲れますし」

 

隕石が落ちてこないことで少しの沈黙。どうする、領域を展開するか?乙骨の領域に付く術式が式神なら良い。数が増えるか式神が強くなるか…条件を付け加えれば、式神に何か能力が付くな。問題は、今までの行動に術式が関係なく、髪の毛程度の媒体で出された式神が俺の隕石を止めれたと言うこと。

 

「行くよ、リカ」

 

「っ」

 

速い。式神も、乙骨も。乙骨が俺を蹴るし、それに合わせて式神も動く。岩で緩衝材を兼ねた壁を作るも、容易に壊され飛ばされる。岩で地面にぶつかる際の衝撃を分散させる。地に足つけ、そのまま岩の破片を投げつける。ダメージはないだろうが、欲しいのは時間。

 

「領域展開」

 

「っ、領域展開」

 

己を外壁とはせず。俺の狙いは蓋を作ること。領域は内側からの衝撃に強く、外側からの衝撃に弱い。先ほど隕石を降らした場所よりも少しは離れて来た。今ここならもう一度降らしても、前回の隕石を壊しながら止めている式神も倒せる。問題は乙骨の側にいる式神。アレが領域の中に入ってくれると、乙骨の術式を絞れるのだが…

 

「ぢっ」

 

「…随分と容易く渡すんですね、主導権」

 

「渡してなんかない。最低限で維持して俺の術式を拡張させれれば良い」

 

「?」

 

『!!』

 

初めに気づくのは式神か。まあ、術者を守るのを本能として動くなら当たり前か。一発撃って、領域を捨てる。ここからは術式無しの殴り合い。領域を壊す為の隕石でもある。

 

「うらっ!」

 

「ぶっ」

 

乙骨を蹴り飛ばして、式神の一撃を弾き飛ばす。そのまま式神も蹴り飛ばして、両者が領域内で離れることに。俺の経験と感覚がズレていなければ、もうそろそろ来る。領域が壊れた瞬間、走り去らねば俺も危ない。

 

「これが!」

 

『憂太!!』

 

「じゃあな!」

 

乙骨が逃げれないよう最大出力にして、走り去る。領域が消えても式神が消えないことから恐らくは式神は術式ではない。であれば、術式は別にあるか。危なかったな。

 

「…どうだ」

 

『〜!!』

 

背後に式神!いつのまに!?であれば乙骨はまだ生きている?ならどこに、どうやって!?走って逃げた?俺以下の呪力量で?見た目からすれば非力なはず、式神が運んだか?なら式神が俺を攻撃した理由がない。

 

「…嘘だろ」

 

「領域のおかげで範囲がわかりやすくて助かりました」

 

『憂太、大丈夫??』

 

「大丈夫だよ、リカちゃん。反転術式で傷も治ってる。それよりも、これからだよ」

 

『ウン!』

 

「…。やめだ。終わりがない」

 

「ポイント、くれるんですか?」

 

「いいや?というか、多分お前らには100ポイントすでに渡してる。伏黒恵にな。そいつにもう100ポイントくれてやる、これで勘弁しろ」

 

「…というか、手加減してましたよね?」

 

「知らんな」

 

「まあ、良いですけど」

 

「良いなら突いてくんなよ」

 

「やっぱり手加減してたんじゃないですか」

 

「お前、根暗じゃねえな。敬語だったらある程度接近しても良いだろって思ってんな?」

 

「僕は根暗ですよ。」

 

「…チッ。あーあー。帰れ帰れ。呪力が戻るか合図が来たら東京に行ってやるからよ」

 

「素直じゃないですね…」

 

こいつほんと、俺の想像してた奴と全然違うじゃねえか。俺の考えてた仙台の勝者って、『他愛もない連中です。僕よりも弱いですよ』とか言うと思ってたんだが。こんなひ弱で根暗なやつだったとは。まじで俺は何を…はぁ、嫌だ嫌だ。

 

「…どうした、帰らないのか?」

 

「いえ…ところで、お名前は?」

 

「パーマ。」

 

「…受肉前です」

 

新羅(しらき)。苗字はない。与えられなかったしな」

 

「そうなんですね…藤原とかに恨みあります?」

 

「ある訳ねえだろ。後、誰だよフジワラ。」

 

「知らないなら良いです」

 

「受肉した奴となんかあったろ。後、そろそろ式神引っ込めろ。圧がすごいんだよ」

 

「…わかりました」

 

渋々と引っ込めるな。俺を睨むな。岩で椅子を作って座り込む。これからどーすっかな。領域で呪力も食ったし、やっぱり回復しなきゃいかんわな。それまで待つか、ルール追加で戻るのは変わらないな。さてあとは…乙骨。こいつさっさと帰れ。帰んねーとどっかで点取らなきゃ行けねえだろ。クソが。

 

「…暇だな」

 

「ですね」

 

「隕石でも降らすか」

 

「呪力減りますよ」

 

「…はぁ。死滅回遊だからって、雑魚先に殺すんじゃなかった。暇で仕方ねえ」

 

「そう言う考え、今だと駄目ですよ。死にます」

 

「お前そろそろ手加減せずに殺したくなって来たんだが。リングでも作るか?そのリングにてめえの血で名前書いてやるよ。」

 

「は?今戦いは終わりましたよね?」

 

「うるせえ。ノーモーションで隕石落とすことだって出来んだぞ殺すぞ」

 

「ずっとしてたじゃないですか。認知症ですか?体に見合わないですよ」

 

「…殺すぞ」

 

「先ほど、終わりがないとか言いましたよね?」

 

「手加減してたと言ったはずだが?」

 

言い争い。全く、これだから術師は。しね、死ね。試しに小さめの隕石を落としたら、斬られて終わった。はー、死ね。追加で3個プレゼントだ。三個斬られた。クッソ。呪力量で言えば俺より下のくせに。全く…嫌なことだ。受肉して弱くなった訳じゃない。実力の差、と言ったやつか。

 

「…憂太」

 

「真希さん」

 

「なんだこいつ!?」

 

「来い。恵が集合をかけた。そこのパーマも。恵と約束してんだろ?」

 

「新羅さん…」

 

「行くかぁ。」




羂索「…私、漏瑚の極ノ番を初めて見た時に思い出した人いるんだよね。いやー、彼の方が強かったし、範囲も桁違いだけど。だって、半径7キロの隕石だよ?どれだけ逃げても死ぬのにさ、呪力で強化した身体で耐えてるの。キショいよ」
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