転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

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フォースを作ったのでメンバーを勧誘しよう

 フォースを作れるランクDというのはそんなに高いハードルではない。

 

 あくまで最低限。初心者を脱出する程度の通過点であると思う。

 

 ガンダムしゃちほこを城の天守閣の屋根に設置し、上がる花火を眺めながら、俺はその瞬間を迎えた。

 

「よし! ミッションクリア―! そして―――Dランク達成」

 

「おめでとうございます」

 

 いえいえリリネットの協力のおかげですとも。

 

 だけどDランク達成なんてまだまだ、最初の一歩に他ならない。

 

 まずはフォースを立ち上げるわけだが、当初一人で立ち上げるはずだったフォースの所属がすでに1名いることは僥倖である。

 

「フォース名は……アヴァロンに対抗して、モルガーナとでもしておこう」

 

 チョイと意識しすぎな気がするが、目標は高い方がいい。

 

 それにこういうのは呼んでるうちに慣れるものだ。

 

「でも大変なのはここからだ。いい感じのフォースネストを手に入れるには、GBN内に土地を買わなきゃいけない。……妙なところリアルなんだよな」

 

「フォースネストですか?」

 

「そう、フォースの拠点だ。なくてもチュートリアルスペースに基本的なのがあるから、別に構わないと言えば構わないんだけど、せっかくメンバーがいるならカッコイイ拠点があってもいいかなと。お金で手に入れたりミッションで手に入れたりと色々らしいけど、たぶん早い者勝ちだ」

 

 特別なネスト用スペースは、様々な形でばらまかれている最中だ。

 

 当然いい場所は入手難易度が高く、また競争率も高くなるだろう。

 

「それは急がなければならないですね」

 

「そういうこと。フォースネストは複数所有可能だ。取れるだけ取っておけば、役に立つ。となると、もう一人くらい頭数が欲しいところだ」

 

「フォースの人員に心当たりが?」

 

「ちょーっと……反則臭いけど。これ以上ない人材だよ。さて、乗ってきてくれるかな?」

 

 俺はフォースが出来たことで準備完了と判断。

 

 メールの履歴からある人物にメールを送った。

 

 

『シバ君へ♡ GPD筐体改造してんだけど興味あったらうちの店来ない?』

 

 実は知り合いなのだよ、シバ・ツカサ君とはね。

 

 伊達に俺もGPDで暴れていたわけではないのだよ。

 

 大会にでも顔を出せば、トッププレイヤー帯と顔を合わせる機会もあった。

 

 そこでこの転生者は、なけなしのコミュ力を振り絞って、布石の一つを打ったわけだ。

 

 まぁ友達……と言っていいほどかはわからないが、メールの連絡先を手に入れることには成功した。

 

「さてどうなるかなぁ。うまくいけば、リリネットの新しいボディが手に入るかもしれないぞ?」

 

「それは……セクハラというものですか?」

 

「違います。どこで覚えて来たのそんな言葉?」

 

「ネットに接続すれば造作もないことです」

 

「…………世界が広がるってのもいいことなのか悪いことなのか」

 

 これも教育に悪い、と言うのだろうか? ネットにフィルターでもかけておくかな。

 

 和ませるにはハートはやりすぎたかと思っていたけど、しばらくして一言『興味がある』というメールの返事が送られてきた。

 

 

 

「……おい、GPDの筐体改造したってなんだ?」

 

「おお……見てわかるほどやさぐれている」

 

「……やさぐれてねぇよ」

 

 やはりシバ君は、あのシバ君である。

 

 前会った時は目つきは悪いがもう少し生き生きしていた気がしたが、今は目つきの悪さが5割増しで、目の下のクマが痛々しい。

 

 元々はGPDの公式大会で見かけたから、有望選手へのコネ作りと、お店の宣伝のために声をかけておいたのだが、ちょっとだけ仲良くなれたのは意外といえば意外だった。

 

 忘れられてやしないかと思ったが、まんまと店に誘い出すことに成功した俺はウムウムと頷いた。

 

「GPDに相当ハマってたからなぁ。まぁ新作出たらノリきれないのも仕方がない」

 

「……別にそんな事ねぇよ」

 

「そうなん? 俺なんかは結構戸惑うとこがないわけじゃないけど。作ってたガンプラはGPD前提で組んでたところあるしさ。消えていった小遣いを想うと……無念だ。GBN用に機体も作り直しだよ。困ったもんだ」

 

「お前! GBNやってんのかよ!」

 

「あったりまえじゃん? 俺はビルダーである前に一人のガンプラ好きなのだよ。公式の燃料供給がGBNに投下されるんなら、拾いに行かなきゃ楽しめないじゃないか。唯一の趣味なのに」

 

「そりゃ……まぁ」

 

「それにGPDだってこれからだろ?」

 

「……どういうことだ?」

 

「いや、プラモが直接ガシガシ動くなんて面白コンテンツ、需要がなくなるわけないじゃん。それに公式サービス終了ってことは―――やりたい放題ってことだろう?」

 

 俺はシバ君を、倉庫に案内する。

 

「これこれ、見せたかった奴だ」

 

 バチンと大きめにスイッチを入れて照明を照らすと、大幅改造したGPD筐体のお披露目だ。

 

 俺達はフィールドを従来の5倍ほどの大きさに拡張し、今では巨大な城を出力しているそれを見た。

 

「ハハッ! ……こいつは! ど、どうなってる? つーか派手にいじりすぎじゃねぇか?」

 

「別にいいだろ。サポート終了してるんだから。ついでにGBNの方のデータも流用できて、バトルも再現できるぞ?」

 

「……GBNか。でもよ、あんな緊張感のないままごと、意味あんのか?」

 

 不機嫌そうに眉間に皺を寄せるシバ君だが、俺は肩をすくめた。

 

「意味なんてあるわけないだろ。だけどだからこそ面白いのがガンプラだよ。というか棚に飾るだけでも楽しい」

 

「……」

 

「それで、まぁこれはまだ序の口だよ。実はシバ君に紹介したい人がいる」

 

「俺に紹介したい奴? なんだそれ?」

 

「この中見てみ?」

 

 俺の言葉に合わせて、リリネットが城の中から姿を現す。

 

 そしてシバに向き直るとぺこりと頭を下げた。

 

「初めましてシバ様。わたくし、こちらでお世話になっていますELダイバーのリリネットと申します」

 

 それを見たシバは俺の方をジト目で見て言った。

 

「…………お前の趣味か?」

 

「違う。GBNの中にいたんだよ。中に人なんていないぞ。今GPDの筐体使って安定させてる謎のデータだ」

 

「……本気で言ってるのか?」

 

 この目は全然信用されてないね。

 

 でもほんとにいたんだから信じてほしいものだった。

 

「この目を見ろよ? 嘘をついている目に見えるか?」

 

「……クマがひどい。何人かやっちまってないか?」

 

「ヒドイ! そんでシバ君は、こういうの強かったろ? ちょっと見ればわかるはずだから。それを踏まえて相談があるんだけど」

 

「何だよ?」

 

「一緒にGBNやらない? フォース作ったんだ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 俺がそう誘うと、シバは心底嫌そうな顔をしていた。

 

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