転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す 作:くずもちXXX
「おお! いるいる!」
暗黒の宇宙にバーニアの光が良く映える。
だが月の表面がチカチカと光が瞬いて―――集まった蚊トンボは、宇宙に瞬いて消えた。
「容赦ねぇ!」
アンシェの興奮した声が聞こえる。
どうやらすでに第一射は放たれたか。
しかしここにいるのは開始早々にネストを狙いに来る猛者共ばかりのはずだ。
それがああもたやすく爆砕されるのだから、サテライトキャノンのあきれた威力に俺は戦慄した。
「守りがかてぇな……。どうにかなるか?」
「ナノラミネートアーマーでも、直撃なら持つわけないよなぁ。そう言う兵器だアレは」
アトミックバズーカや、ツインバスターライフルの様に間違っても一機のモビルスーツを狙うようなものじゃない。
アレ一つあればコロニーが爆砕できるような、常識はずれの兵器がいつ直撃するかもわからないと言うのはずいぶんヒリつく状況だった。
「じゃあどうする? 様子を見るか?」
アンシェはそう尋ねてくるが、そんな悠長なことを言っている場合じゃない。
それにこの機体に乗っている時点で、待ちに入ったらすぐに負けるのは必定である。
「早い者勝ちで何言ってんだ。突っ込んでいってダメなら玉砕あるのみだって」
「……うわ。こんなにヒデェ作戦は初めて聞いたな。だが、面白れぇ」
「……私は退避していても?」
「最初からそう言ってるでしょ! 戦利品を期待半分で待ってるように!」
バルバトスに出来る事なんて、突っ込んで殴る以外にあるわけもなかった。
目の前で光が何度も瞬いている。
一瞬ごとにその光は大きくなり、撃ってくる機影を完全に捕らえたタイミングで俺達は動き出す。
「じゃあ行ってくる!」
「ご武運を」
クタン参型を切り離し、俺のGレクスは飛び出すと、基地の方から無数の迎撃が襲い掛かって来た。
「うおおおおお! めちゃくちゃ撃ってきた!」
「当たり前だ! 死ぬぞこれ!」
「いやいやいや。戦場じゃビビったら負けだ! 身構えているうちは死神は来ないもんなんだよぉ!」
所詮はNPC、適当に弾幕張ってる狙いの甘いサテキャに当たってやる気はさらさらない。
真っ正面から飛んでくるサテライトキャノンは、下半身からしびれが走る恐ろしさだった。
「ここだ!」
長年の経験を生かして、ここしかないタイミングでスラスター全開で、機体をスライド。
脇にいる機体が、光に呑まれているのを見ることが出来たのはタダの運である。
「巨大ビームの弱点は、撃ってしまえば射線がバレバレなのと! 再発射に時間がかかることだ!」
「……!」
そう信じて進むしかない!
距離が近づけば近づくほど、狙うべき機体は絞られる。
Gビットの背後のパネルが徐々に光を増して、銃口に光が灯り―――。
「……!」
次射にぎりぎり間に合って、俺のメイスがサテライトキャノンの銃口を叩き上げた。
「ヒュオー! 死ぬとこだった!」
「横のやつは死んでたよ!」
えーホントに? でもバルバトスはルプスでレクスなのでちょっとわからない。
そのまま月基地にミサイル並みの勢いで突っ込む。
狙ったのは、尤もらしい建物の中心部分である。
耐久性に自信のあるバルバトスを盾にした突入は、かなり強烈なダメージと引き換えに基地壁面に大穴を開けて、突入に成功した。
「……あっぶなー。バルバトスじゃなかったら死んでたわ」
「めちゃくちゃするなぁおい!」
俺の機体で衝撃を緩和したくせに叫ぶアンシュだが、成果としては十分だろう。
「おかげで一番乗りだ……さぁさっさとボスを探して―――」
俺が言いかけた瞬間、本当にすぐ近くに動くものの気配を感じた。
「え?」
真っ白なドームの中でアイライトを輝かせ、待ち受けていたのは巨大スケールのガンダムダブルエックスだった。
「「ぬおおおお!!」」
予想は当たったが、近すぎる!
そして開幕一発目はチャージ済みだったらしい。
ぶっ放す、一秒前。
「……!」
俺は咄嗟に、DXの足をメイスとテイルブレードでぶん殴っていた。
足元をすくわれて倒れるDX。
射線がずれた巨大ツインサテライトキャノンが、派手に基地をぶった切り、大穴を開けていた。
ミキサーの中のようなひどい光景だったが、破壊の嵐が過ぎ去るのを待っている義理はない。
アンシェはバランスを崩したDXを蹴り上げて、頭にガーベラストレートの刃を突き刺し、俺は猛烈な突きを、その胴体に叩きつけた。
咄嗟の反応にしては殺意の高い連携だが、効果はてきめんだった。
「……やべぇキメきれてねぇ!」
しかし余りに咄嗟すぎて、攻撃が甘かったか。
ならばと俺は倒れたDXに回り込み、振りかぶったメイスでガーベラストレートの柄を狙う。
ガツンと柄の芯に命中したメイスは、深々とガーベラストレートをDXの頭ごと床に打ち付けた。
「……なんで、そんなえぐい勝ち方を?」
「そうかな? こう……頭部を破壊されると失格になるだろ?」
「いや、ガンダムファイトじゃねぇんだから」
ああでも、ガンダムならメインカメラをやられただけって可能性もあるのか。
ならばと俺は再びメイスを振り上げる。
最期の一撃はいつも切ない。
仮のチームメイトが、追い打ちをかける俺に若干引いているのを見るとなおさらである。
その時、我先にと入り口からなだれ込んで来たライバル達はDXの上半身を粉砕し、メイスを念入りに突き立てる、俺の姿を目撃して後にこう讃えた。
月の悪魔。
なんでも遭遇すると、メイスで粉々になるまですり潰すらしい。
なんだいそれ?
「……」
早く勝利のアナウンスをしてくれればいいのに、そこまでとどめを念入りにやって、ようやくシステムはミッションの勝者を告げたのである。
こうして、フォース『モルガーナ』は中々インパクト抜群のデビューを果たし、月という知名度抜群のネストを手に入れたのである。