転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す 作:くずもちXXX
「どうもどうも! 来てくれてありがとう!」
「こんにちは! お招きいただいて嬉しいわ! 私はイヴ! アナタがヒロトのお友達ね!」
「ああ、どうもイヴさん。タカマルです」
前回見かけた時はちらりとしか確認できなかったが、今回はブンブンと両手をフォールディングされ仲良く握手。
そこには白いドレスを着たお姫様がいた。
金髪の長い髪に青い瞳は俺の記憶にあるものだ。
無邪気だが、どこか神秘的な雰囲気はELダイバー特有のものか。
とにかく、こう……絵に描いたようなお姫さまは大変素晴らしい。
ニコニコ笑顔のイヴの横には、ヒロトがいつものポンチョ姿で落ち着かない様子だった。
「こちらこそ。ありがとう。それで……彼女がゲストなんだけど」
「大歓迎だよ。可愛いお嬢さんだ。是非ゆっくりしていってください」
一応招待した手前、演出は必要だろうと、手を差し出して多少気取ってしまってちょっと恥ずかしい。
イヴは俺の顔をじっと見ていて、俺はいたたまれない気分になった。
「あなたは……とっても不思議な感じのする人ね。今まであなたみたいな人見たことがないわ」
「……そうですかね?」
「なにか……そう。どこか別の世界から来たみたいな不思議な感じ。おかしなことを言ってゴメンなさい……」
だが困り顔の一言に……おそらくこちらで生まれ変わって以降、最高に驚かされた。
やっぱ本気で本質ついてくるんだなこの娘。
そらぁ、特別なはずだと妙に納得してしまった。
一瞬固まった空気を解きほぐしてくれたのはヒロトである。
すかさずフォローを入れてくれるのはさすが出来る男のヒロトさんだった。
「それにしてもすごいネストだな。月のフォースネストってこの間のミッションで目玉だったところじゃないか?」
「そうとも。苦労したんだー。サテライトキャノンが大安売りで飛んできてねぇ。当たらなかったのはほとんどギャンブルみたいなもんだった」
だが宝くじは買わなければ当たらないってことなんだよね。
こうして私はこの素晴らしいネストを手に入れてしまったわけだよ。
乗っかった俺はひとまず自慢しておいた。
「というかタカマルってフォース組んでたんだな。そっちも驚いた」
「組んでますねー」
「なんて名前のフォースなんだ?」
しかしそう尋ねられて、俺は思った。
改めて声に出そうとするとテレるなこれ。
名付けて短い間だが、とりあえず愛情込めて考えた名前だ、愛着がなくもない。
ならばどうしてためらう必要があるというのか?
我がフォースの名前は―――
「モルガーナだよ」
「モルガーナ? なんかかわいい名前だ」
「うん……まぁそうかな?」
かわいい……まぁ女王様意識してるからかわいいで正解なのかな? 魔女らしいけど。
名前の由来はアーサー王伝説とかから……はい、アヴァロンを意識しすぎでお恥ずかしい。
微妙にチャンピオン意識しているのを、気づかれるか気づかれないか微妙なラインなのもまた……お恥ずかしい。
だがあえて俺は開き直った。
「―――そう! 俺がフォース『モルガーナ』の隊長 タカマルとは世を忍ぶ仮の姿。その正体はオサカベ模型店の販売員ですのでどうぞよろしく。販売中止のデカールからまだ再販かかっていないあのキットまでガンダム用品を幅広く扱っていますので、是非御贔屓に。よろしくイヴさん」
「はい。店員さん♪」
一番目に付いたところそこ? まぁ間違いじゃないが。
フフフと俺が気分よく笑っていると、ヒロトは頭を掻いた。
「でも急に来るメンバーを増やしてごめんな。イヴはこの間GBNの中で知り合ったんだ。月が見たいって言うから連れて行ってあげたくて」
「もちろん。俺だって自慢したくて急に誘ったんだからお互い様だろう」
そしてせっかく友人を呼ぶと言うことで俺達も歓迎の準備は整えていた。
「改めてようこそモルガーナのフォースネストへ! 我々は君達を歓迎するよ!」
「……どうしたんだ? 何だか今日はいつにもましてテンションが高くないか?」
そうかな? そうかも?
何気に前々から地道に準備を重ねていたことが、どんな影響を及ぼしたのか、この目で見れるのだから興奮していたかもしれない。
ゲストを連れて来たのはネスト内で一番月面を堪能できる部屋だった。
探検しているうちに見つけたのだが、天井がとても高いのに、全面ガラス張りで最初はだだっ広い空間だった。
そこを俺達は徹底的に改造し、今は無数の植物を並べ温室のようになっている。
空には宇宙、そして外は白い砂漠。そんな中にオアシスの様に突然現れる素敵な庭がコンセプトだ。
「わぁ! すごいねヒロト!」
「ああ……これはすごい」
そして素敵なテーブルと椅子の並べられたガゼポのような場所にはリリネットが待っていて、俺達に深々と頭を下げていた。
「ようこそいらっしゃいました―――モルガーナ月基地フォースネストへ」
顔を上げたリリネットはジッとイヴの事を見る。
だがそれはイヴも同じことだ。
彼女が息を飲み、まっすぐ見つめる先にはリリネットがいた。
「―――あなた、は?」
「私の名前はリリネットと申します。……こちらのタカマルのご厚意でモルガーナに所属しているダイバーです」
「……そうなの。とっても素敵なお庭ね」
「ありがとうございます。どうぞ。お茶会の準備が出来ています。今日は心行くまでお楽しみください」
「! はい! お邪魔しますね!」
「……アナタとは初めて会ったはずなのですが、とても親近感を感じます」
「ええ―――ええ! そうね! 私もそう! 初めましてリリネット! 私はイヴ! 仲よくしましょうね!」
一瞬確かに緊迫した空気があった。
しかし彼女達はあっという間に、昔から知っていたかのように笑い合っていた。
でも一番戸惑っているのはおそらくヒロトだ。
そして次点はたぶん俺なのではないだろうか。
彼女達は何か感じ取ったのだろうか? それこそニュータイプのように。
ある意味新人類的ポジションなのは間違いないが、もしそうだとしたら実に興味深い。
「……急に打ち解けた様に見えたけど、どういうことか、わかる?」
そんなすがるような目で見られても、こういう超感覚はちょっとわからん。
俺は何と説明したものかと深く唸り……思い浮かばなかったので、説明は放棄した。
「何だろうね。知り合いだったんじゃない?」
「……そうなのか???」
だからそんな困惑顔で見られても。そんなわけないただの適当な妄想だ。
ただ確かなのはお茶会をするイブと、傍らにいるリリネットは恐ろしく絵になると言うその事実だけだろう。
俺はでも確かにその光景が胸に来るものがあった。
だってイヴを他のELダイバーに会わせてあげることは、思い描いた理想の一つの光景だったから。