転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す 作:くずもちXXX
ELダイバーリリネットはログアウトという外部へのアクセス方法を手に入れた。
そして新たな機体を手に入れたことによって、ごく普通にGBNの世界を楽しめるようになった。
つまり負けても消去されることがない。
撃破時は通常通りに負け扱いになり、緊急時はログアウトしリアルのタカマル家サーバーに戻ることになる。
それは大変めでたいことだがそれは実質、リリネットが新たな世界を遊びつくすことが出来ると言うことだった。
「ご協力願えますでしょうか?」
「何事?」
「少々重要度の高いミッションに参加したいと思いまして」
フォースを組んでいるとしても、個人のランクは別にある。
それぞれに、ランク上げのために奔走していた俺達だったが、リリネットが提案したミッションには俺にも心当たりがあった。
「重要度の高いミッション……アレか!」
「そう、アレです―――」
最近噂のミッションはとあるマップの攻略だった。
時間が設定されている、イベントミッション。
ボスを倒すという、ただそれだけの内容だが、最も早くボスを倒したフォースには莫大な賞金とシークレットなアイテムが送られると言う。
そして競争型のミッションは、参加するだけでもポイントが高く。うまく貢献できればさらに大量のポイントがゲットできるおいしいミッションでもあった。
「シークレットなアイテムって何なのか……変なアクセサリとかかな?」
「わかりませんが、なにか重要なものなのは間違いありません」
「それはそう。競争相手が多そうだから、人手が欲しいってことか。リリネットも満喫してるなぁ」
「恐れ入ります」
「了解だ。なにが出てくるか楽しみだ」
運営公式で高難易度のミッションを用意しているなら、シークレットな賞品は土地の可能性が高いか。
フォースネストに使える土地は膨大だが有限でもある。
全員に行き渡る分は十分にあるはずだが人気の場所は、それなりに偏るはずだった。
「ジャブロー……ジャブローだったら熱いな。いや、リリネット達の事を考えるとラクロア城とか?いやネストに限らなくてもいいか、なんか役立つアイテムとか」
何にせよ運営が開催する大掛かりなミッションなのは間違いない。
それに、リリネットのお誘いである。ここはフォースの隊長として、頑張ってみるのは楽しそうだった。
というわけでとあるエリアに集まった俺達は、さびれた市街から大きな山を眺めていた。
とても形の良い三角の山である。
そして市街地には、ジオン軍と思わしき機体が複数配置されているのが確認できた。
俺は双眼鏡を覗き込み、山をじっくりと観察して言った。
「うーむ……あの山の天辺が怪しい……よな? 見たことあるしな」
「そうなのですか? ならまっすぐあの山を目指すべきでしょうか?」
「いや! それは少し様子を見た方がいい。……敵が使って来るかはわからないけど、スナイパーが配置されている可能性が高い」
「なら私が空を飛んでまっすく向かうのは悪手ですか」
「撃墜される可能性がある。おそらくMAでも撃ち抜ける火力があるはずだ。……だが懸念はどこのルートを通っても通ることになる市街地……ここには絶対強敵がいる」
「なぜわかるのですか?」
「……勘とだけ言わせてもらおう。でもこれはたぶん当たる勘だ」
全員参加型のミッションだから、これから町に大勢なだれ込むことになる。
しかし、きっと山に向かう前に妨害があることは想像に難くない。
何が起こるかまではわからなくてもその点、否定の材料がないリリネットはあっさり頷いた。
「了解しました。まぁ間違いなく妨害はあるのでしょうし」
「ま。そりゃそうだ……しかしそれにしても……陸戦ガンダムとガンタンクがやたら多いな……」
「陸上ならば悪くない選択なのでは?」
「陸戦だものなぁ。まぁ、いいさ。ゴールは山だ。あそこからおそらくボスは出てくる」
「なぜわかるのでしょうか?」
「いや、まぁ……なんとなく。ともかく市街地ではモビルスーツに注意。山に入ってからは、トーチカからの砲撃と、後は狙撃ね。出来る限り跳ばないように駆け抜ける」
「私には少し難しいですね。ならば進路が確保されるまで市街地では私が突破の囮になりましょう」
「了解。じゃあ俺は森に入って進路を開く。じゃあ行こう」
大雑把に手順を確認して、俺達はその時を待つ。
カウントダウンが始まり、スタートの宣言と共に一斉にプレイヤーに動きがあった。
大量のガンタンクと、陸戦ガンダムが一斉に突撃し始めたのだ。
キャタピラの土埃で前が見えないほどの進撃の後、爆炎がそこかしこで上がった。
「うわぁ! なんだアイツは!」
「……気をつけろ! 何かいるぞ!」
「……あいつ! エースだ!」
断末魔を残しガンタンクの反応は次々消えていった。
「ググッ……あいつら楽しそうだなぁ。俺もガンタンクにすればよかったかな?」
「理解に苦しみます。しかし強敵がいることは理解しました」
「そうかなぁ……」
だが一番楽しむならあのムーブが一番正解な気がした。
輸送機に乗り、低空を進むと、たまたま前にいたガンタンクが猛烈な勢いで砲撃を開始する。
「うわあああああ!」
悲鳴を残して沈黙。
おそらくガトリングガンでハチの巣にされたガンタンクは爆散し、高い廃墟のビルの上では青い機体が俺達を見下ろしていた。
何というプレッシャー……アレがエースか。
実際にこうして見上げるとここまで恐怖を感じるものか?
グフカスタムは、モノアイをグポンと光らせ、太陽を背にしてそこにいた。
「! 来るぞ!」
ワイヤーを駆使して、落下してくるグフカスタム。
ガトリングガンを不規則な機動から乱射してくるのをいったん俺が壁になって受ける。
「クッソ! 思ったより威力が高い!」
咄嗟に俺は、ワイヤーをひっかけている給水塔を砲で撃ち抜いて、グフカスタムを落下させた。
グフカスタムは瓦礫と共に降って来るが、追い打ちの砲撃も瓦礫をうまく使ってダメージを軽減していた。
無事着地したグフカスタムは、ヒートサーベルを赤く輝かせて俺達と対峙した。