転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

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楽しんだもの勝ちかもしれない

 数度打ち合う。

 

 大型メイスはサーベルで打ち合えるようなものではないはずだが、うまくいなされたことで、相当強いNPCだと理解した。

 

 勝てないとは思わないが、仕留めるとなると時間を食う。

 

「こいつは結構骨あるなぁ。流石スペシャルミッション」

 

 するとすぐに、空から檻の様に高出力のビームが降り注いて、グフカスタムと俺の間を両断した。

 

「先に行ってください。こちらは何とかします」

 

「了解……がんばれ!」

 

 轟音を背に、俺はビルの合間を走りぬける。

 

 今回は実弾兵器が多いからか、派手な砲撃音がそこら中から聞こえて、進むだけでも一苦労だ。

 

 こういう時は一つ、道なき道を突き進むとしよう。

 

 俺は手近なビルに飛び込んで、大型メイスで壁面を破壊しながら直進した。

 

 出来る限り大きく破壊して、土ぼこりを巻き上げながら、道なき道をまっすぐ進む。

 

「目立つが、大人数で参加してるフォースは誤射が怖かろう! さぁどんどん行くぞ!」

 

 ネタに走ったとはいえ、プレイヤーを瞬殺するようなNPCがそれほど大量に投入はされまい。

 

 ならば、雑魚など気にせず最短で進むのが最適解と俺は踏んだ。

 

「後は他のプレイヤーがどう出るかだが……、気にするだけ無駄だな」

 

 とにかく早々に山に入って、狙撃を何とかしよう。まずは山に潜まねば。

 

 一番にたどり着いても、高出力のビーム砲で遠距離から狙われるのはそれだけで脅威になりかねない。

 

 

 

 迷彩色のジムスナイパーは、森の奥で狙いを定めていた。

 

 だが潜むのがうまい獲物を、俺は前もって目星をつけておいた狙撃しやすそうなポイントと、長年培ったモビルスーツを狩る勘頼りに見つけ出してゆく。

 

 密林を音もなく移動し、こちらをなるべく気取られないように近づく。

 

 そして出来れば狙撃をした直後。

 

 そうでないなら不意打ちを狙って、襲い掛かった。

 

 大型メイスは豪快に過ぎる。

 

 出来る限りコンパクトにクローを突き出し、頭部を破壊した。

 

「よし」

 

 掴めば潰すことはわけがない。

 

 機能停止を確認したらすぐに離脱し、次の獲物を狩る。

 

 その繰り返しである。

 

 

 

「……」

 

「絶対ボスはオレたちがもらうぞ……豪華賞品はもらったようなもんだ」

 

「GNフィールドなら、ビームなんて怖くない。どうせラストはアレだろ?」

 

 強力なシールド機能を持って山道を進む、ジンクスの二人組は次の瞬間、何かに躓いて、前のめりに倒れていた。

 

「え!」

 

「どうした!」

 

「何かに躓いた、これは……ワイヤー……」

 

「敵か!」

 

 気が付いた時にはもう遅い。

 

 背中から抜き手の一撃が深々と、敵モビルスーツの背中に突き刺さる。

 

「なんだ!」

 

 更に森の闇にまぎれて、襲いかかってくるのは縦横無尽に森を駆けまわる、テイルブレードである。

 

 避けようとすればするほど、こちらの思惑通りだった。

 

「うわあああ!」

 

 気が付けばワイヤーで退路を断たれた獲物はうまく動けずバランスを崩した。

 

 ついには追って来る刃に対応できずに結局貫かれることになった。

 

「……ワイヤーと森って、案外凶悪な組み合わせだなぁ」

 

 あ、向こうで足音がするね。

 

 砲撃の音に合わせて、背後がとれそう♪

 

 森の闇にまぎれる俺は、結構楽しくなってきた。

 

 

 

「……おおむねめぼしい狙撃手はクリア。じゃあそろそろ行こう」

 

 さっきから山が振動している。

 

 中から何が飛び出すのか? なんとなく予想できた人間は多いだろう。

 

 だがわかるからこそ、率先して出ていく気になれない。

 

 どうしたものかと様子を見ていると、森から飛び出す真っ白な機体が、先陣を切って火口めがけて突っ込んでいった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「うおおおおお! 俺は君と添い遂げる! 付き合ってください!」

 

 なんかの告白やってる!?!

 

 突進するEz8のパイロットはどさくさに紛れ戦場で愛を叫びながらマシンガンを乱射していた。

 

「楽しんでるなぁ……やっぱり俺も陸ガンかなにかにしとけばよかったかなぁ」

 

 後の祭りだが、エンジョイしているのは間違いなくアイツらだと思う。

 

 しかし火口近くに迫ったEz8はせり出してきた巨大な影に遭遇した。

 

 タイミングが悪すぎて、あまりにもいい距離で戦闘がはじまり、飛んできた大型メガ粒子砲は告白のセリフごと、ガンダムを飲んだ。

 

「そいと――――」

 

「あ、消滅した……」

 

 南無三。

 

 これは告白失敗ってことなのかな? 勇者に俺は祈りだけでも捧げておいた。

 

 よしこれで、一発目はどうにかなったね。

 

 後はチャージされる前に、距離を詰めるに限る。

 

 だが開幕の一撃は、試合開始の合図ともなる。

 

「出るべきものが出て来たなぁ……でもデカすぎじゃね?」

 

 言ってみればPGアプサラスⅢと言ったところか。

 

 チャンスと見たのは俺だけではなく、身を潜めていた機体が次々と姿を現して、大型メガ粒子砲を撃ち放ったモビルアーマー、アプサラスⅢに襲撃をかけていた。

 

「おっと! こうしちゃいられない! 俺も参戦しないと!」

 

 大型メイスを肩に担ぎ、バーニアで加速。

 

 さて誰が仕留めるのか? どう見たって勝負時だ。

 

 そして大勢のモビルスーツがメガ粒子砲で薙ぎ払われる中、いい位置で粒子をまき散らして走る機影を俺は目撃した。

 

「……太陽炉? あれは! セラヴィーガンダムの改造機!シャフリヤールか!」

 

 ダイバーズに登場した凄腕ダイバー参戦とはおもしろい。

 

 正式名称はGN-1001Nセラヴィーガンダムシェヘラザードだったか。

 

 現時点では何とも言えないが、すでに今見る限りでもとんでもない完成度の機体であることは見て取れる。

 

「まずいな……高火力の機体はアプサラスに有効そうだ……」

 

 何にしてもトップクラスのプレイヤーなんて要注意に決まっている。

 

「まぁ誰が相手でもやることは変わらないけどな……」

 

 俺は大型メイスを振りかぶって、アプサラスに殴りかかる。

 

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