転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す 作:くずもちXXX
「いやぁ! してやられたよ。やるね君達!」
とてもフレンドリーに話しかけて来た狐耳をつけた男性アバターさんがシャフリヤールさんだった。
彼は顔を合わせて早々にがっしりと俺と握手し、メッセージを送ってきた。
「君達とはまた勝負したいね。私は『SIMURUG』というフォースに所属しているんだ」
「ああ、お噂はかねがね。俺達のフォースはモルガーナです」
「おお! 君もフォースを作っているのか。愛のあるいいフォース名だ。ふむ……君とはまた会えそうな気がするね」
一応こちらも礼儀としてメッセージを送ると、シャフリヤールさんは狐っぽい目を細めてウインクすると、颯爽と去っていった。
さすが作中1位2位を争うビルダーだ、纏うオーラが違う。
全員好きな格好が出来るはずなのに、雰囲気のある人はいるものである。
なんだかすごい人と知り合いになったのかもしれないなーと、変に感心していると報酬を受け取ったリリネットがこちらにやってきた。
「お疲れさまでした。特別報酬ゲットです」
「それは良かった。それで? シークレットな報酬って何だったの?」
「ええ、それはですね……これです」
リリネットが俺に見せたのはメッセージ付きのアイテムだった。
「なになに?……第一回GBNガンプラフォーストーナメント……シード権! の……抽選券?」
「はい。定期的にある、フォースのバトル大会、そのシード権を得る権利が貰えた……ということみたいですね」
「……なんか、こう……宝くじが当たった!って期待したら、宝くじそのものがたくさんもらえただけみたいな話だなぁ」
結構競争率高いミッションだったんだから、シード権くらいくれてもいい気がするけど、そう言うものでもないようである。
「そこは出来る限り広い範囲にチャンスをということなのでしょう。まるでチャンスがないと不満の種になりかねません。うま味は普通の賞品です。やはり大規模なミッションは得られる賞金の桁が違いますよ」
「まぁそう言うものか……」
「私はもうすでに、同じようなものを他にも入手していますので、本当にシード権を入手することも可能かもしれません」
「……え? 本当? 俺まだ持ってないんだけど?」
しかしずいぶん景気のいい話に驚く俺に、リリネットは若干得意気だった。
「公式ミッションの参加数の問題でしょう。私は基本的にログインしている間は常にミッションに参加していますので」
「……おおっ」
俺は思った。
それはすごいことになっていないか?
考えてみれば、ELダイバーにとってGBN内はリアルのようなものだ。
本気でゲームに参加すれば24時間だって戦えるのはある意味当然とも言える。
ともかく色々と想像できるが、俺は全て胸にしまっておくとしよう。
リリネットさんの頑張りの成果は彼女のものだし、彼女が楽しめるのが一番重要だろうから。
「……」
「ですが。これでまた一つ、月の悪魔の名をGBNに知らしめることが出来たはずです」
「うん。そっちの名前は広めなくていいからね」
「なぜですマスター」
「だからマスターは止めておきなさい?」
このリリネット、まさかこの二つ名で俺を定着させるつもりか? 恐ろしいメイドである。
まぁでもこういうのは大抵一過性のもので、大会で活躍すれば何かしら別の呼び方が定着することもあるはずだ。
出来ればチャンピオンとかになりたいなーなんて思うのだが……こいつばかりはやってみなければわからない挑戦だった。
期待しない程度にシード権の事は心にとどめて、また一つ勝利を積み重ねたことを俺は素直に喜ぶことにした。