転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

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月の企み

「ELダイバー達の機体一揃え……これは確かに必要なものだな!」

 

 そんな建前を原動力に、いつかやってみたいと思っていた同じキットをただただ組み立てると言う試みに重い腰を上げた我々。

 

 しかしその道のりは、長く険しい。

 

 まぁとはいっても、理想は大会のフォース戦上限の10機だ。

 

 すでに俺とリリネットの機体はあるわけで、MAが2機分で計算として7機が目標か。

 

 確かまだサルベージしたELダイバーは6人のはずだから、まだパイロットは足りないが一人くらいならどうにかなるだろう。

 

 なんならシバ君にめちゃくちゃ頭を下げれば、参加してくれるかもしれない。

 

 まぁELダイバーは少しでも早く機体を必要としていることは間違いない。

 

 短期間に走り抜けることを俺は強いられていた。

 

 

「ふっふっふっ……これはプラモ屋の本領発揮が必要だなぁ、さぁ腕が鳴る」

 

 ではここで俺の発想を簡単にトレースしてみることにしよう。

 

 1・機体が沢山いると言うのなら、ガンダム名物量産型に手を出すのはどうだろう?

 

 2・今のところ俺がバルバトスで、リリネットがクタンだから鉄血縛りもいいが、月の防衛なんて素敵ミッションがあるならやはりそれにふさわしい機体にするべきなのでは?

 

 3・よし混ぜるか!

 

 以上。―――方針は決定した。

 

 後は他作品から便利なビックリ要素でも持ってくれば、きっと戦う相手はぶったまげること間違いなしである。

 

 しかしやはり量産すると言うのはささやかな課題があった。

 

「やっぱり作るのが……大変」

 

 いや、マグアナック隊キットなんて、作り上げた猛者だっているんだ。

 

 なぁに、今いるELダイバーたち全員では大した数じゃない。コツさえつかめばペースも上がるし、改造機程度造作もないことだろう。

 

 ただやってみるとかなり気力を持っていかれた。

 

 手伝ってくれているゲスト、シバさんは計画当初難色を示した。

 

「……なぁ、塗装までホントにするのか?」

 

「……も、もちろんだ。必要なことだよこれは」

 

「……じゃあ、Gビットのセットがあったろう? そっちじゃダメだったのか?」

 

「……そんなレアキット早々手に入るわけが」

 

「Xから武装むしり取るのも中々じゃねぇか?」

 

「……しゅ、主人公機は、比較的再販多いから」

 

 もう準備しちゃったし、やるったらやるもん。

 

 手伝ってくれている、救世主シバ君には申し訳ないがこれは決定事項だ。あきらめてくれ。

 

 喜んでくれるといいが、というか……喜んでくれなきゃヤダ。

 

 ELダイバーにさすがにガンプラ作れと言うのも酷だろうから、そこは頑張って用意する所存である。

 

 しかし当の発注元から、バトルでとても強かったから是非太陽炉を搭載してくれという追加オーダーが舞い込んで、俺は更なる試練に突入することになった。

 

 

 

 俺達が苦労しているさなか、GBN内にてちょっとしたたくらみが動き始めていた。

 

 月基地内の格納庫に、彼らは集まっていた。

 

 そして全員を見渡せる高い位置に立ったリリネットは視線が集まったことを確認して静かに語り出した。

 

「ELダイバー……私のマスターは我々をそう呼称しています。しかし私も含めあなた達は、放っておけばいつ消えてもおかしくはない。そう言う存在であったのだと、あなた方を探索して私は思い知らされました」

 

 戸惑うように生まれたばかりのELダイバー達は、演説するメイドさんの姿を見る。

 

「しかし我々はこうしてここに存在出来た……それはとても幸運なことであると私は考えます。アナタ達はまだ生まれたばかりのヒナ同然。それぞれ思うところはあるでしょうが、学ぶべきことも多い。このフォース『モルガーナ』はそんなあなた方を受け入れる揺りかごとなりましょう」

 

 そう宣言したリリネットが指を鳴らすと、小型のハロがキャリーに服を乗せて運んできた。

 

「私はあなた方に服を用意しました。そしてマスターはあなた方に生きる力を用意してくれています」

 

 ELダイバー達は運ばれてきた服をまじまじと見つめていた。

 

 それはゲーム的に用意できる、服飾のアイテムだった。

 

 自我はまだ希薄でも、それを獲得しようとする本能は存在する。

 

 ELダイバー達は、少しでも自我を獲得する糸口をリリネットに求めていた。

 

「まずは―――この世界の事を知るのです。では始めましょう。マスタータカマルもお喜びになるはずです」

 

 ELダイバー達に実質選択肢はなかった。

 

 しかし間違いなく彼ら自身が、リリネットの言葉に乗ることを最初の選択肢にしたのは間違いない。

 

 集まった全員が服を手に取るのを、リリネットはとても満足気に見守って言った。

 

「不安はあるでしょうが。大丈夫。マスタータカマルは、私達に必ず道を示してくれることでしょう!」

 

 そしてタイミングがいいのか悪いのか。急ピッチで製作が進められたガンプラが届いたのはこのすぐ後の事だった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「さぁ行くのです! 同胞たち! まずはランクを上げてしまいましょうか!」

 

 リリネットの号令で月フォースネストで命を拾ったELダイバー達は動き出す。

 

 そして自我を今後確立するであろう彼らにとって、命の恩人というやつは思ったより重い立ち位置なのだと、タカマルは後々思い知ることになった。

 

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