転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

29 / 88
特訓をしよう

「うーん。接近戦の経験を積みたい……」

 

 距離を詰める戦法は極論、邪魔しながら急いで近づき殴り合うだけのとてもシンプルなものだ。

 

 問題は近づいた時にどうやって勝つか。

 

 ガンダム作品に登場する兵器は兵器がモチーフなだけあって、強力な武装は長距離の武装がとても多い。

 

 そう言う武装の大半を無効化しつつ、対等に戦えるのは接近戦であると思う。

 

 だからこそ、俺自身の接近戦スキルを鍛えたい。

 

 しかしGBNには膨大な数のミッションが存在する。

 

「果たして、最適なミッションとは何なのか?」

 

 そんな疑問を感じた時は、いつの時代もコレ。

 

 みんなの声である。

 

 SNSやら、GBN情報掲示板をあさった所、接近戦大好きな方々から偉大なる学びを得た。

 

 

 いまのとこ、あのミッションが最強だな! Gガン系の!

 

 

 ですよね!

 

 

 そんなコメントを青い狼のアイコンの方が共有していて、俺も乗っからせてもらうことにした。

 

 

 

 最強を極める。そんな夢にとりつかれたファイターは多い。

 

 お気に入りの機体に、最高の武装を取り付け、ひたすらに戦うそんな遊び方が、このGBNの中にも存在していた。

 

 とあるミッションでひたすら戦い続けるこの戦いも、そんな試みの一つであることに間違いはなかった。

 

「うおおおおお!」

 

 完成した! 色々工作が完成した!

 

 楽しくも、苦しい単純作業の繰り返しだったが、俺は成し遂げたのである。

 

 そしてその鬱憤を晴らすように、俺はバトルに勤しんでいた。

 

「ガンダムファイトぉ!」

 

「レディー……」

 

「GO!!!!」

 

 舞台上のフィールドで、拳と拳で殴りあう。

 

 まぁ、今回の相手のライジングガンダムはいきなり弓だし、俺はメイスだけれども。

 

「必殺必中ぅ! ライジングアロぉー!」

 

「!」

 

 一瞬カットインが見えた気がしたモビルファイターの攻撃は、まさに一撃必殺。

 

 連射しない分一撃の攻撃力が大きく、掠っただけでもまずい攻撃はあまりにも多い。

 

 だから理想はすべてかわすのが吉。

 

 当然のように接近戦に強い機体も多いからバルバトスと決して相性がいいわけではなかった。

 

 モビルファイターと戦って。戦って。戦い抜いて!

 

 勝ち進むこのミッションは非常に難易度が高いが、確かに接近戦のプレイヤースキルを上げるにはこれ以上ない破格のミッションである。

 

 弓を避けたら、接近戦。ヒートナギナタの乱舞が襲い掛かって来る。

 

 しかし所詮はNPC、モビルファイターとなると必殺技が―――。

 

「パターン化してるぞ!」

 

 突っ込んで巻き込まれる瞬間に、そっとこちらも一撃を置いてやればいい。

 

 そうすれば必殺の一撃の衝撃をそっくりそのままお返しできる。

 

「ああああっ!」

 

 今回は俺に軍配が上がり、ライジングガンダムを撃破した。

 

「……撃破後の、負けボイスはなんかやらかした気がするな」

 

 ヒロインの叫びだとなおさらである。

 

 だが負けは許されない。修羅の道は始まったばかりだ。

 

 さぁ、次の相手がやってくる。

 

 そいつはリング上に降り立って、腕を組み叫んだ。

 

「フハハハハ! この馬鹿者が! どれ! この東方不敗マスターアジアが貴様の力を見てやろう!」

 

 ガチョンとマントを開き、やって来たのはマスターガンダム。

 

 リアル系の見た目にスーパー系にしか見えない多彩な必殺技を持つ、尊敬すべき師匠の機体、それがこのマスターガンダムだ。

 

「十二王方牌! 大車併!!!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 マスタークロスの鞭のような攻撃の後、円を描いた凡字に紫色の光が灯り、次々俺に襲い掛かって来た。

 

「うおおおお!」

 

 鞭は大型メイスでも届かない!

 

 飛んでくるなんだかよくわからないものに至っては完全に長距離攻撃!

 

「接近戦の経験積みたいんですけど!」

 

 何とか回避しきって叫ぶとマスターガンダムは、すでにグルグルしていてエネルギーの竜巻と化していた。

 

「超級覇王電影弾!!!」

 

「ある意味接近戦だけどぉ! それもう俺からしたら砲弾なんよ!」

 

 しかし機体そのものが飛んでくる、砲弾よりもはるかにでっかい奥義は容赦なく俺を引き潰しに来た。

 

 それでもなんとかギリギリかわして見せると、背後の建物を軒並み爆砕した。

 

「……これがガンダムファイトの弊害ってやつか。そりゃあ荒廃するわ地球」

 

 だがこちらも負けてはいられない。

 

 理不尽には理不尽で対抗である。

 

 必殺技には必殺技。

 

 このGBNには、それが可能なシステムが存在していた。

 

「そろそろこい! 必殺技! 今来ないでいつくるんだ!」

 

 崩れた瓦礫の山から、ゆらりと紫色のオーラを纏ったマスターガンダムはゆっくりと歩いてくる。

 

 赤く輝くアイランプが残光を残して揺らめいている姿は、何か巨大な化け物にしか見えなかった。

 

 右手が輝きマントが展開すれば、飛んでくる技は十分絞れる。

 

「喰らうがいい! ダークネス・―――フィンガー!」

 

「うおおおお、ひっさつわざぁー!」

 

 大型メイスを腰だめで構えて、対抗して直進。

 

 顔面を掴まれる前に、マスターガンダムの顔面にパイルバンカーを叩き込む。

 

「そのパターンはもう何度目かだ……ガンダムファイト国際条約第一条……頭部を破壊されたものは失格となる」

 

 なんちゃって。

 

 だが、なんとなく俺の頭部を破壊しちゃうスタイルの根源はここにある気がした俺だった。

 

 爆発するマスターガンダムを背に、俺はいろんな思いを込めて、ため息をついた。

 

「やっぱいいよなぁ。Gガン。接近戦の憧れは間違いなくここから来てるよ……はぁ、必殺技って……なんだ」

 

 しかしNPCでは見せかけだけの様だな。

 

 声が同じなだけでもワクワクしちゃうが、ちゃんと勝てるように作ってくれてる。

 

 めちゃくちゃ強いけどやはり対人戦じゃないと、そろそろ積み上がるモビルファイターの残骸が山になってしまうよ。

 

 自分だけのバトルスタイルが形になったもの、それが必殺技システムらしい。

 

 俺ほどバトルスタイルを絞っているブレイヤーも珍しいと思うのだが、まだまだバトル経験が足りないと言うことなのだろう。

 

 GBNでは上から下までまだまだビギナー。

 

 まぁ手探り状態で頑張るしかなさそうだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。