転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す 作:くずもちXXX
さて、ガンダムビルドダイバーズという作品は、ゲーム空間でガンプラバトルを楽しめる、いわゆるオンラインゲームの中で様々な問題を解決していくお話だった。
だがまぁ主人公を確認した以上は肝になる部分は解決するわけだから大きなレイドイベントがそのうちあるくらいに思っておけばいいだろう。
「というか……ヒロト君に関しては、完全にやってること別ゲーだしなぁ。関われる気がしないよ」
オンラインで四六時中張り付いているわけにもいかないので、いったん忘れよう。
なに、いざって時は全面戦争になるんだし、そん時手伝えばいいでしょ? とか俺は考えていた。
ただ、リライズは悲しい展開だった気がする。
はっきり言ってゲームやっててあんな目に合ったら、トラウマ抱えるんじゃないかというレベルの不幸がヒロト君には降りかかる。
そして、まだサービスが始まってすらいない現在、それを知るのは俺一人である。
「……なんだかなぁ」
まぁわからん。
思うところはあるが、それはともかくサービス開始である。
ここに来るまで実に長かった。
CMを見たあの日から、もしかしてと疑いつつもガッツリ遊び倒し。
もうここまで来てしまった。
どれくらい楽しみにしていたかと言えば、新しく新型の機体を新たに製作し、我慢できずに実機で遊ぶくらいだ。
初ログインの高揚感は最高だった。
ガンプラとダイバーギアをセットし、ゴーグルを装着してダイブ!
本当に別空間に行ったような臨場感は、まさに新しい体験だ。
世間の期待は、前作がいい出来だっただけにまだ様子見だが、俺はと言えばそこにためらう余地はない。
元の世界でも実現できていなかったフルダイブ式のオンラインゲームは、俺にそれだけのインパクトを確実にもたらした。
そしてヒロト君との接点はその後どうなったのかというと―――。
「タカマルってこの間の店員さん? ですよね?」
「……コンニチハ」
無事出会ってしまいましたよオンラインで。
同い年くらいだったし、有望ビルダーとお友達に慣れて光栄です。
しかし実際に見せてもらったコアガンダムは……正直恐ろしい完成度だったよね。
もちろんキットは発売されてないんだから、ほぼフルスクラッチってことなのに、まとまり方がえぐい。
その上、合体のギミック付きとなると中々狂気的な作品だと思う。
「いやマジですごい」
「ありがとう。でもそっちも……かなりのものじゃないか?」
「そうだと嬉しいなぁ」
既存のキットを使っているけど、出来る限り頑張らせていただいた。
我がバルバトスルプスGレクスを見たヒロトの感想はこうだ。
「なんかこう……ロマンがある」
「それは一杯詰め込んだよ」
黒と蒼銀、それに黒鉄色を織り交ぜたカラーリングのバルバトスルプスレクスは武装ギミックを盛り込んだパワー重視の接近専用機体に仕上がった。
メイン武装は大型メイスと腕部200mm砲、そして相手をホーミングするテイルブレイドと基本から大きな変更はないが、2つほど隠しギミックを仕込んでいる。
そしてお互いの機体を披露したのなら性能も知りたくなるというもの。
まだ手探りな人間しかいないのだから、俺達はさっそくミッションカウンターに行ってみた。
「それぞれの機体に癖があるから、まず慣れた方がいいかな」
「オレもそれがいいかな。まだ全然調整もできてない」
「ああ、それ怖いな。フルスクラッチは特に」
「そうなんだ。だから今回は殆ど任せてしまうかもしれない」
「そうか……」
ならば基本からいってみるのがいいかも。
どう見ても初級のミッションを選んで、俺はエントリーした。
俺達はカタパルトデッキに移動し、射出されるとミッションは始まった。
選んだミッションはコロニー内での戦闘だ。
空に街並みが並ぶ、スペースコロニーならではの眺めの中、ザクⅡが3機、モノアイを光らせて佇んでいた。
「ザクか……」
「そう、まだガンダムは大地に立ってない! ガンダムを防衛しつつ、なるべくコロニーを傷つけないように速やかにザクを排除。スマートなほど高評価!」
「なるほど……確かに最初にピッタリのミッションだ」
「でしょ?」
俺の機体は重々しい音をたてて着地した。
「さあレクス。初陣だ!」
そして地に足が付いた瞬間、バーニアを思い切り吹かすと、すさまじい加速ですっ飛んでいくレクス。
ザクはマシンガンを構えたが、俺は避けることは一切しなかった。
「よいしょぉおお!」
跳んできた弾を、避けずに受ける。
このバルバトスルプスレクスのナノラミネートアーマーなら、多少は凌げる。
そして同時にこの機体にダメージを集約するのが目的だった。
弾がぶつかる派手な音が機体に響くが、作戦が成功している証拠である。
「そおおおら!」
そして避けなければあっという間に距離は詰められ、一番近い機体に俺は体当たりをかました。
よろめくザクの足元を大型メイスで掬い上げる。
完全に転ばせたところで、マシンガンをメイスで叩き潰してついでに蹴りを叩き込んだ。
手ごたえあり。今蹴ったザクⅡはそう簡単には戦えまい。
だが、十分こちらが接近したことで、相手も数の利を生かして来た。
俺を取り囲みヒートホークを構えたが、俺に注目してくれるのは願ったりかなったりだ。
「そうそう、俺にだけ集中してくれ、じゃないと……つまらないからな」
俺は足で倒れたザクの頭を踏み潰して、前を見た。
フルダイブ型は初めて触ったが、Gや振動まで感じられるのは戦っている実感がある。
「よし! かかってこい……」
気分が上がり、勢いに乗って俺は背後に回り込もうとした一機を完全に無視して、目の前のザクに右腕の200mm砲を叩き込む。
脚部に命中し、ザクがグラついた隙を逃さずに、俺はメイスで思い切り頭からザクを叩き潰した。
地面に打ち付けられるように粉砕されたザクはどう見たって戦闘不能である。
こうまで眼前の敵に集中すれば背後からバカスカ撃たれるはずだが、結果から言うとそれ以上撃たれることはなかった。
「OK……作戦終了だ」
「うん。いい感じだった」
振り返ると、背後のザクは見事頭部を撃ち抜かれていた。
他に破壊跡が見えないところを見ると、一発で決めたらしい。
「……やっぱりやるなぁ」
武装は小型のビームガンしかないはずだが、結構な距離から命中させる腕には脱帽である。
「そっちこそ。だけど、チュートリアル的なミッションなだけあって難易度はそんなに高くなかったみたいだ。今度はもっと難しくしてもいいんじゃないかな?」
「ああ確かに。でもその前に初ミッション終了を喜ぼう。お疲れさまでした」
「お疲様。それにしても…………タカマルはずいぶん豪快な戦い方なんだな」
「え?……そう?」
ただヒロト君がちょっと引き気味なのだが、そんなことないよと我が分身レクスは赤く瞳を燃やしながら、両手を広げてアピールしてみた。