転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す 作:くずもちXXX
ひと汗かいて月のフォースネストに戻って来ると、何か雰囲気が違う様な気がした。
「お疲れ様ですタカマル」
「お疲れ様リリネット」
頭を下げてくるリリネットに、ひとまず挨拶。
しかしリリネットと共にいるはずのELダイバー達の姿はなく、俺は首を傾げた。
「あれ? 他の子達はいないの?」
「いえ、います。本日はタカマルがミッションに参加すると聞いていたので、招集しておきました」
「……招集?」
そろそろゲーム内での学習も進み、和気あいあいと談笑してるんじゃないかなーなんて思っていたのだが違うのだろうか?
あっ、いろんな場所を見て回っているということかな?
うむうむ、幅広い学習がELダイバーの自我確立に必要なのは間違いない。
そう言うのは歓迎である。
「ではこちらに」
「ハイハイ」
だが集まってくれていると言うのなら俺としても様子は見ておきたい。
やはり治療も初の試みであることにかわりないから、元気に過ごせているのかは普通に気になるところだ。
てっきりまったりとサロンで談笑なんて姿を想像していた俺だったが、なぜか連れてこられたのは格納庫で、そこには俺達が作ったモルガーナ製グレイズがずらりと並んでいる。
そして―――おそろいのメイド風、執事風制服に袖を通し、仮面で顔を隠した集団が、直立不動で整然と並んでいた。
「…………?」
「皆様―――ミッションごくろうさまでした」
「「「「「ハッ!」」」」
「本日は、フォースモルガーナの隊長。マスタータカマルがいらっしゃいました。楽にしてください」
ザッと休めの体勢をとるELダイバー達は妙に様になっていた。
「…………え?」
リリネットの号令通りに、全員の注目がこちらに注がれているのを感じたが、俺は情けない声を出してまずリリネットに訊ねた。
「ナニコレ?」
するとリリネットは誇らしげなドヤ顔で頷いた。
「ELダイバーの救助をより効率的に行える組織を目指したところ、このような形に落ち着きました」
「そ、そうなのかぁ……」
このメイド、軍隊手本にしてELダイバーをまとめやがった!
いや、ある意味ではガンダム作品がベースのGBNであるなら当然の帰結なのか?
何だか罪悪感が湧いてくるのだが?
でもコスチュームは執事服とメイド服なのだから、こいつは中々趣味をぶち込んで来た。
しかし顔の仮面は確かにガンダム要素があって、憎い演出である。
あえて言おう……こういうの嫌いじゃない。
ただ少し……いや、ものすごく驚きはしたが。
でも一応俺としては言っておかねばならないだろう。
「無理強いはしてない?」
「もちろんです。皆志は同じだと確信しています」
「い、いや。もう少し肩の力を抜いてくれてもいいんだよ?」
「そう言うわけにもいきません。調査の結果、我々の想定以上にELダイバーが生まれていることが確認できました。しかしその多くが、バグとして消去されているのが現状です」
「な、なるほど」
「私達は可及的速やかに、ディメンジョン内の捜索を進め、サルベージを実行してみせます」
「お、おう。それはいいことだ。とても頑張ろう」
「はい。そう言っていただけると思っていました」
それは彼女達からすれば由々しき事態だろう。
なんとなく口出ししづらい感じである。
俺はELダイバー達を見る。
気のせいかもしれないが、どこか期待に満ちた目で見つめられている気がした。
君達がそう望むのならば―――仕方がないね。
俺は意を決し、彼らの前に立つと手を高く掲げ、勢い良く言い放った。
「時は来た! 君達先駆けのELダイバーこそが、未来のELダイバーを救い得るのである!」
ジークジオン!は心の中で!
……やっちまった。
あ、でもやってみるとこういう演説、思ったよりも気持ちがいいかも。
さて期待に応えられただろうか?
俺はリアルでちょっと赤面しながら、ELダイバー達をチラ見した。
おおーっと感嘆の声が!
……よかった!イケてる感じだ!
だがこれだけの人数が協力してくれるんだとしたら、わざわざフォースメンバーを一から探す必要ないかもしれない。
正式にアカウントは作られているんだから、彼らも立派なダイバーである。
「いやー……なんかやっちゃった感じがすごいんだけど、大丈夫?」
「もちろんです。素晴らしい激励でした」
「そ、そうかな?」
「はい。流石ですマスター」
「だからマスターはおやめなさい」
「なぜですマスター」
まだあきらめてなかったかリリネットよ。メイドさんにマスターと呼ばせている男に向けられる一般ダイバーからの視線を考えてほしい。
しかしこれで頭数はマジでどうにかなるかもしれない。
フォースのフラッグ戦は参加人数最大10人。
当然限界人数で挑戦した方が有利だ。
本格参入を視野に入れても問題ない感じだった。