転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

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月の守護者

「フハハハ! 貴様がモビルアーマーを使うと言う情報は上がっているぞ! 月の悪魔め!」

 

 宇宙に紅い華が咲いていた。しかしその花は宇宙の敵威を集める妖華だ。

 

 宇宙空間を航行する、ラフレシアという名のモビルアーマーは見た目こそ鮮やかな赤い花のようだが125本にも及ぶテンタクラーロッドという触手に、高火力のビーム兵器、そして何より特徴的なバグという自動攻撃端末を持つ非常に優秀な機体だ。

 

 モビルアーマーを支援するために用意されたモビルスーツ、デナン・ゾン、デナン・ゲーはラフレシアを護衛しながら編隊を組んでいた。

 

 敵の作戦は非常にシンプル、全軍で防御網に穴をあけ、その中心でラフレシアの武装で大暴れするただそれだけで敵は一網打尽である。

 

「モビルアーマーにはモビルアーマーを! フハハハハ! 怖かろう!」

 

 思うさまロールをキメた鉄仮面がオープンチャンネルで煽って来るが、威張らないでくれないか?

 

 こちらは俺以外のパーティー全員が、仮面付きだ。

 

「……照準合わせ」

 

 俺の号令でフォース『モルガーナ』は動き出す。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 宇宙空間で待ち構えるその姿は宇宙の闇にまぎれるブラック塗装の装甲と黒鉄色のインナーフレームが鈍く輝いていた。

 

「十分に引き付けて撃て。集中して狙えば落とせない機体はない」

 

 グレイズという量産機は、本編において実質主人公を葬った量産機であるともいえる。

 

 ほとんど致命的な一撃を与えた武装は、ダインスレイヴという。

 

 しかしダインスレイヴを、俺はあえてオミットした。

 

 なぜなら、月を守護する役目にはもっとふさわしい兵器が存在したからだ。

 

 かつて月を手に入れる際、俺達も苦しめられたそれは確実に最強に名を連ねる兵器の一つである。

 

 そして月の防衛にこそ最高の力を発揮できる武装だった。

 

「サテライトキャノン、マイクロウェーブ来るぞ。目標ラフレシアだ」

 

 背後のパネルが展開、マイクロウェーブ到着と同時に激しく光り輝いて―――ほぼタイムラグもなく、一斉にサテライトキャノンは発射される。

 

「撃て」

 

「Gビット……いや! グレイズにサテライトキャノンだと! なんと冒涜的な……!」

 

 青白い砲撃が束ねられ、ラフレシアを貫いたのを確認して、俺は思わずニヤリと笑う。

 

 余波で逃げ遅れた周囲の護衛機体までもまとめて砕け散り、その攻めの陣形に大穴を開けた。

 

「流石に6機の集中砲火には耐えられまい……。主力撃破を確認。残存勢力の掃討にかかれ」

 

「「「「「「イエッサー。マイマスター」」」」」」

 

「うん、君達? マスターは止めようね」

 

 すぐさま、モビルドールに勝るとも劣らない完璧な連携で飛び出して行く味方機は頼もしくもあったが、若干完璧すぎだった。

 

 瞬く間に撃墜されていく敵機を見ながら俺はハァッと感心してため息をついた。

 

「ミッションクリアです。お疲れさまでしたマスタータカマル」

 

「これこれリリネットさん? 他の子が真似しちゃうでしょ? ……俺することなかったんだが?」

 

「タカマルの作った機体の完成度が高かったからでしょう。この対戦で、月に現在実装されているフォースネストにおける権利の50パーセントを掌握しました。月の完全制圧も夢ではありません」

 

「……月のミッションに積極的に参加してるなぁと思ってたらそんな野望を……」

 

「当然です。拠点は大きいほうがいい」

 

「いやぁ、そんなでもないよ? 今ウチのフォースはフルメンバーでフォース戦にも参加できない、零細フォースだからね?」

 

「現在、発見したELダイバーは私を含めて10名です。機体さえ用意すれば可能だと思いますが?」

 

「……え? 10名? もう?」

 

「はい、本日で10名になりました。フォース戦もフルメンバーで参加可能です」

 

「お、おおぅそれはすごいな」

 

 いつの間にそんな大所帯に?

 

 いや、考えてみれば毎日捜索は続けているから、見つかっていても不思議はないのか?

 

 いや、見つかりすぎだろう。

 

「マスターがログインしていない時でもフォース戦に参加できますので、これからモルガーナのフォースポイント効率は飛躍的に向上することでしょう」

 

 それは何もしないでフォースのランキングが急激に上がる可能性が出てきたわけだが、そいつはなんだか俺的に複雑である。

 

 しかしジッとこちらを見ているリリネットの目が期待に満ち溢れていた。

 

 目なんかキラキラ輝いていて、褒めて! と全力で訴えている気がする。

 

 実際俺だって、何年かかけて0だって不思議じゃないと思っていたくらいだ。

 

 それがもう10人ともなれば奇跡的ともいえるくらいの頑張りだった。

 

「……ありがとう。頑張ったんだなリリネット」

 

「いえ。当然のことをしたまでです」

 

 かぶせ気味に胸を張るリリネットは、自分でも自覚していないようだが、かなりのやったった顔をしていた。

 

「……じゃあ。治療が終わったら、全員分の機体……作りますかね。なにあと少しだ前回を考えるとすぐ用意できるさ」

 

「よろしくお願いします。フォース戦、非常に楽しみですね」

 

 それはそう! それにリリネットの頑張りを無駄にするわけにはいかない。

 

 俺としても今回フォース戦みたいなものを実際にやってみて、手ごたえもあった。

 

 驚いたけど、リリネットには感謝しなければならないか。

 

「後はゆっくりやろうと思っていたけど、出来るとなると……ちょっと手を抜けそうにないかなぁ」

 

 幸い、修理用の予備は常に準備するのがGPDプレイヤーの嗜みである。

 

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