転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す 作:くずもちXXX
リリネットは不敵に微笑み、イヴは身構えた。
余りにも突然に、そして怪しい登場だっただけに、それは仕方のないことだった。
「……私を? なぜかしら?」
「貴女は……ELダイバー。この世界で生まれた、電子生命体であるという自覚がありますね?」
「……!」
リリネットのとても率直な言葉に、イヴは思わず息を飲む。
でもすぐに微笑んで、頷いた。
「ええ。アナタの言ってること、わかるわ」
「私達にはELダイバーをサルベージする手段があります。そしてあなたの身体を修復する手段も」
「……そんな。でもそれって本当なの? だって……私達は」
そこまで言いかけて、言い淀む。
リリネットに何か言おうとしたが、意味がない。
イヴ自身にすらはっきりとしないそれは何の根拠にもなりはしないのだから。
しかしそれだけで、リリネットは何かを悟ったように微笑みを深めた。
「……やはり何か貴女は特別なのですね。マスタータカマルが気に掛けるのもわかる」
「どういうこと?」
「いえ、私の所感です、大したことではない。私は今あなたに何かを問いただすつもりはありません。そして私達が信じられるかどうかはすぐにわかる事でしょう。もちろん……あなたには選択肢がある。私達の手を取るか。それとも今まで通りでいるかです」
そんな問いかけに迷ったのは、彼女がイヴと同じ存在であると確信があったからだ。
リリネットが問題を本当に解決できるのだろうか?
いや、それは確かに重要だがそれよりも現状のまま居続けることがあまり良い結果につながらない事を自覚していることが、何よりイヴの迷いを強くする原因だった。
「貴女の自我は私が出会ったどのELダイバーより鮮明だ。今すぐ何があるわけではないでしょう。しかし我々のデータはとても不安定なものだ。この世界が意図して生み出したものではないイレギュラー。そのひずみは確実に我々を蝕み、いつしかこの世界を壊しかねない」
「……」
「我々と共に来るのなら、私達はアナタを快く迎えます。時間はありますが……どうか未来のある選択を望みます」
「……私は」
イヴにはぼんやりとした……記憶なのかそうでないのかも定かではない何かが確かに存在した。
それはきっと自分達のルーツに関わるものだったが、全てが真実だとしても今はもうどうしようもない過去の記録のようなものだった。
それだけであったなら、きっと悲しいけれどあきらめもついた。
この世界にとって自分が悪い存在であると言うのなら、消えてしまっても構わない。
でももうイヴの中には、望む『今』も存在した。
もしも可能性があるのなら―――だからイヴは首を縦に振った。
「いいわ。行きます」
「ありがとうございます。では行きましょう―――姫」
「ひめ?」
「いえまぁ、そんな感じがしたもので」
それにリリネットもたまにおかしなことを言うけれど、きっととてもいい人だ。
そう思えるから…イヴは彼女の手を取った。