転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

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フォースお試し体験

「これがログアウト……なんだか変な感じ」

 

「……よしよし。動作正常。ようこそリアルワールドへ」

 

「歓迎いたします姫」

 

「姫じゃないわ?」

 

「気持ちはわかるが落ち着くんだリリネットさん、いきなり姫呼びは引かれる可能性がある」

 

「それはないですお二方、最初が肝心ではないでしょうか?」

 

 俺はついにイヴを迎え入れてしまった。

 

 後悔はしていないが、妙に落ち着かない焦燥感があるのは、アニメを知るからこそだろう。

 

 我ながら小心者だと思うが、元が印象的なんだから仕方がない。結末がなんやかんや大団円ならなおさらだった。

 

 ひとまずCGのイヴは、興奮したようにGPDで走り回っていたが、リアルの俺に手を振って言った。

 

「これでヒロトみたいにガンプラに乗ることが出来るのね! じゃあ約束通りフォースに入って……」

 

「いやいやいや、待った待った。フォース云々はもうちょっと待って?」

 

「ダメかな?」

 

「ダメじゃないけれども、まずは体験から。……えっと手始めに別の事をお願いしようかな?」

 

「別の事?」

 

「そう。まぁ君らの住まい作りとか? 難航しててね」

 

「まぁ! お家ね!」

 

 手を打つイヴの言う通り、みんなの素敵なお家である。

 

「こういうのは本人たちの希望も聞かないとね。リリネットはともかく、他の子はまだ自我が幼い。そこで、君が協力してくれると嬉しい」

 

「なるほど……それはいい案かもしれません」

 

「いいわ! 楽しそう!」

 

 即答してやる気のイヴに、リリネットも頷く。

 

 とりあえず問題はないようだった。

 

「じゃあ、みんなで協力してどんなふうにするかを考えてくれる?」

 

「わかった、頑張ってみる!」

 

 さて彼女達は一体どんな風に家を作るのだろう?

 

 ある程度提案には応えるつもりでいたが、彼らが要求したのは少しだけ意外なものだった。

 

 

 

 物は試し程度の提案だったのだが俺はその光景にこんな感想を持った。

 

「なんていうか……こいつは思った以上に素敵な光景になったな」

 

 GPD筐体の上で、ガンプラが縦横無尽に走り回っている。

 

 彼らが要求した物、それは工作用のプラモデルと素材一式だった。

 

 そこでの作業はすべて俺が作った工作用ハロを使ってELダイバーの手によって行われていた。

 

「てっきりGPDの背景データを弄ったりするのかと思ったけど、直接模型を作るとは……いや彼らからしたら建築だな。これならガンプラを動かす練習にもなると」

 

 手際は初めてとは思えないもので、まるで機械のように正確である。

 

 ELダイバーは俺達ビルダーのデータから生み出された、いわば模型の申し子。

 

 工作技術に長けているのかもしれない。

 

「うーむ、これは楽しみになって来たな」

 

 一体どんなものが出来上がるのか、とても微笑ましい。

 

「まぁ、後は自主性に任せてみましょうか。ああ、接着剤や塗料には注意するんだよ? 溶けちゃうからね」

 

「「はーい」」

 

 あら、いいお返事。

 

 では邪魔しないように俺は退散することにしよう。

 

 

 

 それからの数日、俺はシバ君を手伝ったり。GBNでミッションをこなしたり、店番をしたりとそれなりに充実した時間を過ごしていた。

 

 何が出来るのか楽しみにしていたということもあって、出来る限り作業の工程は見ないようにしていた。

 

 しかし突然リリネットからメッセージが来て、俺は目を疑った。

 

「完成したので見に来てください……完成した?」

 

 おやおや、ずいぶん早く出来上がったものだ。

 

「一体どんな家になったんだろうなぁ。ELダイバー初の建築なんて歴史に残るんじゃないか?」

 

 そんなことを呟きながら俺は倉庫へ向かう。

 

 しかしそこに出来上がっていた物を見て……俺は驚愕させられた。

 

「んん?」

 

「遂に完成しました。我らが居城、ELキャッスルです!」

 

「映像を参考にしたの! 上手に出来ているでしょう?」

 

 ワチャワチャとこちらに手を振るハロ達が楽々出入りしているのはどう見ても城だった。

 

 内装までも作りこまれているに違いないラクロア城である。

 

「どう? うまく出来てるかしら?」

 

 ハロの中からでも期待しているのが分かるイヴの声が聞こえ、俺はモデラーとしてその素晴らしい完成度に複雑な心境を抱えながらもバッチリだと太鼓判を押さない訳にはいかなかった。

 

「マーベラス……」

 

「これは褒められているのよね?」

 

「もちろんです。大いに驚いてもらえていますよ」

 

「ならよかった。みんなやったわ!」

 

 イヴハロが呼びかけると、短い間で打ち解けたハロ達は手を振っていて大分仲良くなれたようだ。

 

 俺はまだまだELダイバーを甘く見ていたのかもしれない。

 

 しかし、ここまでしっかり作られると、GPDで遊ぶ時どかすの大変そうだなと俺はシバ君に怒られることを覚悟した。

 

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