転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す 作:くずもちXXX
いつか来るかもしれない、そんな期待はしていた。
だがホントに来るとは思わなかった俺は一瞬何事かと本気で不安になった。
「やぁ! お言葉に甘えて来てしまったよ!」
「……いらっしゃいませー」
でっかいリムジンを俺は前世を含めて初めて見た。
そして彼はとてもお金持ちだと確信した時、俺の脳裏には閃く名前があった。
「……ひょっとしてシャフリヤールさん?」
「正解だ。君がタカマルだね? 思っていたより若くてビックリだ! よく私だと一目でわかったね?」
「そりゃあ、まぁ……直感ですかね?」
シャフリヤールの中の人が我が家のホビーショップへやって来た。
まず無理だと思っていただけに、実際来てくれたのなら歓迎したいところだった。
「いや、海外の個人ショップはどうにも敷居が高くてね、興味はあったんだがお招きいただいて嬉しかったよ!」
「ああーなるほどー確かに海外は怖いですね。どうぞ存分に見て行ってください。せっかく来てくれたんです。とっておきの棚もお見せしますよ?」
せっかく来てくれたので、店の中でもレアなキットが揃っている棚に案内する。
ガンプラ好きが店舗に求めるモノは一つ。
珍しく、そして素敵なキットとの出会いの場だった。
「おお! それはありがたい! GBNが流行ってからガンプラが品薄でね―――こ、これは! 旧キット……いや、ネット上で噂に名高い……ガンガル!?……こっちはエル〇スって書いてあるじゃないか!? 色々大丈夫かい!?」
「中古取引もしているのです。どうです? 00系の限定品も充実していますよ?」
「……なんという品ぞろえ。まるで宝探しじゃないか……町の模型屋さんはそう言うことがあるとは聞いていたが」
「楽しいですよね。わかります」
更に最奥にはもっとやばいキットも眠っているが……まだまだ初見さんには見せられまい。
宝探しを楽しむシャフリさんは、ひとまずお気に入りのいくつかを確保して、ホクホク顔で戻って来た。
「いやぁ……楽しませてもらったよ。すでに来てよかった」
「それは良かった。じゃあ、例の場所を案内しましょうか?」
「例の場所? ……ああ! GPDを改造したと言っていたね。是非お願いするよ!」
ではいったん落ち着いたところで、メインイベントといこう。
案内するのはもちろん店の裏手にある、倉庫である。
「すごくいいタイミングで来ましたよシャフリさん。改造がいい感じに区切りもつきましてね」
「ほう……それは素晴らしいね。君のような愛あるビルダーが自信を持って勧めるなら期待してしまうな」
そう言ってくれるのなら、こちらも見せ甲斐がある。
倉庫の中に踏み入れば、そこは素敵なラクロアだった。
「……! これはまたすごいものを作ったな」
「でしょう?」
草原に大きな湖まであるそれは一つの世界である。
筐体が投影するバトルフィールドの規模も、ここまで大きいものは俺が現役時代の時でもちょっとお目にかかったことはない。
その迫力にシャフリヤールですら、息を呑んでいた。
「城は模型か!……いや、なかなか作りこんでいるなぁ」
「ちゃんとガンプラも動かせますよ。どうです? せっかくだから戦っていきませんか? ちゃんと相手もいますし」
「そうなのかい? ほう……」
感嘆するシャフリさんの視線の先には城から出てくるピンクの鎧のナイトガンダムが剣を掲げてアピールしていた。
「これはかわいらしいね! このガンプラと戦えばいいのかな?」
「……そうですね。そこの棚にあるやつは好きに使って大丈夫です」
「ふむ……ならばこれしかないだろうな」
そう言ってシャフリさんが取り出したのは、サタンガンダムという名のSDガンダムだ。
GPD時代色々試した名残だが、今は存分にこいつを使ってシャフリさんに腕を振るってもらうことにした。