転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す 作:くずもちXXX
「フォース……フォースか……」
ヒロトは言われたことを反芻し、どうしようと頭を抱えた。
ガンプラバトルには興味はあったが、正直団体戦にはあまり興味がない。
しかし、イヴの言葉を蔑ろにするのはためらわれる。
「まぁ見聞を広めるのもいいかもしれないな……」
とりあえず、やってみよう。
ミッションでは何度かチームでの戦いもやったことがあるし、それ自体に忌諱感があるわけじゃない。
なにか適当なミッションを探してみると、ちょうど協力を募集しているフォースがあった。
フォース専用ミッションをやりたいが、人数が足りないらしい。
所謂助っ人募集のようだが、体験としてはちょうどいいかもしれない。
「これでどうかな?」
飛び入りだったがOKの返事があり、ミッションを受ける。
とある熱帯のディメンジョンに転送されると、ヒロトは軍服のような服装をした男性ダイバーに出会った。
「依頼を受けてくれてありがとう。今日はよろしく頼むよ」
「ええ、こちらこそよろしくお願いします」
「ああ、私達『アヴァロン』は君を歓迎するよ。とはいっても、今日は私一人なんだが」
そう言ってきまりが悪そうに頭を掻く男性のダイバーネームは、クジョウキョウヤと言うそうだった。
「そうなんですか?」
「面目ない。突然言い出した私が悪いのだが、まさか一人も捕まらないとは……」
「ははは……でも、フォース戦なら推奨人数が多いのでは?」
「まぁ、何とかなるさ。参加可能なのは2人からだからね。今回のミッションは単純だ。落下傘でジャングルに次々モビルスーツが降って来る。20機撃墜で、ミッションクリアだ」
「……20機か、2機じゃ結構辛いですね」
「ああ、だが決して不可能じゃない。君の戦力にも期待しているよ」
「はい。頑張ります」
「うん。じゃあ行こう!」
簡単に情報を共有してミッションスタート。
カタパルトから出撃すると、ジャングルにはいくつも煙が上がりガウ攻撃空母が何隻も空に浮かんでいた。
「あれから降ってくるやつを倒せばいいわけだ」
フィールドがジャングルで、相手が無尽蔵に沸いてくるとなると、臨機応変な対応が必要かもしれない。
そう判断したヒロトが選択したアーマーは『アースアーマー』。青い装甲を持つ汎用性の高い機体だった。
コアガンダム状態から出撃したヒロトは、飛行形態のアーマーをドダイ代わりに使って、空を行く。
「ザク、ドム、グフ……より取り見取りだな」
「ああ全くだ! 先に行かせてもらうよ!」
そして回線に割り込んだ声の後、後ろからとんでもないスピードでガンダムが飛んでいくのが見えた。
「あれはAGE-2の改造機か……」
「ガンダムAGEⅡマグナム! これが私の相棒だ!」
地上に降りてくるのを待たず、クジョウは次々にビームを直撃させて撃ち落としてゆく。
もちろん相手も落下しながら撃って来るわけだが、見ている限り一度も被弾している様子がなかった。
「すごいな……こっちも負けていられない。コアチェンジ……ドッキング・ゴー!」
掛け声とともにアーマーとドッキングしコアガンダムは、アースリィガンダムとなる。
とはいえAGEⅡのあの突っ込み様では、邪魔になりかねないと踏んだヒロトはいったん飛行を中断して、着地するとライフルを構えた。
スコープを覗き込み、呼吸を整える。
AGEⅡの動きを計算して、邪魔をしてきそうな敵機を絞った。
「……まず一つ」
そしてまずザクを一機、胴体に狙いをつけてビームライフルで撃ち抜いた。
続いて2機目。
やや右にそれたが命中。修正して3機目。
「よし……いい感じだ」
敵機はいくらでもいたが、的が絞れると言うのならやりやすい。
すでに10機は落としているAGEⅡは生き生きと次のターゲットに狙いをつけていた。
「やるじゃないか!」
「そちらも……進路は確保します。自由にやってください」
「心得た!」
AGEⅡは更に加速し、いよいよ止められなくなっていた。
進路上には次々花が咲くように爆炎が現れ、それはAGEⅡとアースリーで、ほとんど交互に作ったものだった。
「8、9……次でラスト」
「最後は私がいただこう!」
そんな叫びの後、AGEⅡは急上昇した。
「そっちにモビルスーツは……!」
いないはず。
そのはずだったが、巨大なビームが切り裂いたMSよりもはるかに大きなそれをヒロトは唖然として見た。
「ハハッ……」
「……勢いあまってしまったな。ガウも1機で換算されると思うかい?」
ジャングルに墜落してガウ攻撃空母が爆散すると、どうやら無事1機として換算されたようだった。
「……ふぅ」
ミッションが終わってヒロトは息を吐く。
すごいダイバーだったと戦いぶりを思い出して感心していると、そのダイバーはミッションが終わった直後に自分を労うために、通信を送って来た。
「お疲れ様。ありがとう。見事な射撃だった。今回のミッション楽しかったよ」
「こちらこそ、楽しかったです」
「ところで……君はもうフォースに所属しているのかな?」
急に訊ねられ、ヒロトは首を横に振る。
「いえ、フォースには所属していないです」
「そうなのかい? なら、もし良ければ私達のフォースに入らないか? 今メンバーを探していてね」
爽やかに笑い、自分を誘うクジョウキョウヤに、ヒロトは一瞬悩んだ。
腕前は今見たばかりで不足はない。
それに彼と一緒にバトルすれば、もっと強くなれるかもしれないと脳裏に過ると、自然と首は縦に頷いていた。
「俺も、フォースに入れないかと思っていたんです。急な話ですけど……入れてもらって構いませんか?」
「誘ったのはこちらだよ。君なら大歓迎さ。ようこそ我が『アヴァロン』へ」
ヒロトはこの日。アヴァロンというフォースに入隊することになった。
それを後で知った友人は、喜ぶとも、悲しむとも違う複雑奇怪な表情を浮かべていたが、その内心は友人だけが知るところだった。