転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

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必殺のヒラメキ

「プルツーがやられた!」

 

「プレッシャー感じないのに!」

 

「こいつー!」

 

「尻尾なんかつけてもかわいくないぞぉ!」

 

「なんか怖いよこいつ!」

 

「バーカバーカ!」

 

 一斉に文句が飛んでくる。

 

 プレッシャーなくて悪かったね! 地味にそれが一番傷ついたわ!

 

 でも怒っている割にクィンマンサにメイスを突き立てて動きが止まった俺に容赦はしてくれないようだ。

 

 方向転換して、バインダーが一斉に狙う先は、俺もろともクィンマンサまで巻き添えの位置だった。

 

「……だけど!」

 

 クィンマンサ本体に直撃コースのビームを俺はあえて正面から受け止める。

 

 きちんと俺に照準が合わせられていた無数のビームは正確に俺に降り注ぎ、そして四散した。

 

 四方八方に拡散したビームは、俺を取り囲むように配置されたバインダーを何基か巻き添えにした。

 

「ビームが効かないの!」

 

「危ない!」

 

 フフフ。君らがいくらニュータイプでも、意思のない飛び散ったビームを回避することはできまい。

 

 そして被弾したその瞬間こそ、こっちの攻撃チャンスだった。

 

 テイルブレードで動きの止まったバインダーを貫き、ワイヤーを巻き上げる。

 

 Gレクスがバインダーを引き寄せて殴れば、ファンネルを飛ばして空洞だらけのフレームなんて、大した強度じゃなかった。

 

 撃破しつつ、盾まで手に入れられる、まさに一石二鳥である。

 

「ビーム兵器に頼りすぎじゃない? しかも有人なら特攻ってわけにもいかないよな?」

 

「卑怯者ぉ!」

 

 おやおや、なんとでも言うがいい。

 

 後は五つかな? 火力は減ってるし、ビームは効果ないよ?

 

 Gレクスの一際でっかいマニュピレーターで手招きして挑発すると、効果はテキメンだった。

 

「こいつー!」

 

「許せない!」

 

「もう一回囲もう!」

 

「完全無欠なわけじゃないよ!」

 

「バーカバーカ!」

 

 よし乗って来た。でもずっとバカって言ってる娘やめなさい?

 

 強化人間だって冷静さを欠いたら、お子様の部分が出てくるんだな。

 

 いや強化人間って感情的なもんだったわ。

 

「本当によくできたゲームだなぁ……さぁどうなるかな?」

 

 だがこっちも実はクィン・マンサクラスのビームを喰らい続けたらさすがにマズイ。

 

 まぁ当たらないように殴るしかないなと、次の獲物が近づいてくるのを待っていると、そこでコンソールに変化が起こって、俺は表情を強張らせた。

 

「……んん! これはえぇ……今ここでぇ?」

 

 もう少し、こう……劇的な場面で来てほしかったもんだが、熟練度を考えるとそろそろ来てもおかしくない頃ではある。

 

「まぁ……光栄なことかもしれないな、プル相手に必殺技のお披露目が出来るなら」

 

 そう、必殺技である。

 

 待望の必殺技をGレクスは使えるようになったようだ。

 

 さて周囲を高速で動き回るバインダーに有効な攻撃だといいのだが、使ってみない事には始まらない。

 

「なになに? デストロイヤー・レイ? 何それ怖い」

 

 俺のバトルスタイルを象徴した必殺技がデストロイヤーなのか?

 

「……心当たりはあるなぁ」

 

 まぁ自分の胸に手を当てるまでもなかった。

 

「必殺技を選択すれば、何かしら出るのか?」

 

 てっきりぶん殴る系の必殺技だと思ったら、視界に映る敵機全機がロックオンされた。

 

「? まぁいい。じゃあ行ってみてくれ! ……デストロイヤー・レイ!」

 

 念願の必殺技にワクワクしながら使ってみた。

 

 するとGレクスのインナーフレームは青白く輝き始めて、その光は徐々に強くなっていった。

 

「もうとりあえず特攻しよう!」

 

「そうだよ実戦じゃないんだし!」

 

「突貫だ!」

 

 えーやめて?

 

 そんな身も蓋もない声が聞こえて来て、内心冷や汗ものだった。

 

 プル達は再び攻撃に入るが、タイミングは絶妙に俺に都合がよい。

 

「! 発射!」

 

 Gレクスの口のギミックが大きく開き、背中のクリアパーツにも強い光が灯る。

 

 極限まで高まった光は、全身の砲門から拡散して光線となる。

 

 そして口からはただのメガ粒子砲とは比べ物にならない極太のビームが飛び出して、宇宙を切り裂いた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「! 来るな!」

 

 正面の敵はお気の毒。

 

「このビーム追いかけてッ……!」

 

「なにこれ!」

 

 そして夥しい数の光線は、敵を追尾して襲い掛かっていた。

 

 攻撃に気が付いて回避行動をとるバインダーを追尾して、次々撃ち抜いて行く光の群れは、接近戦しか能がないだろうと迂闊な距離にいた敵機を一掃してしまった。

 

 Gレクスの機体が熱で揺らめき、冷却が終わると、俺は自らの行いに恐怖した。

 

「あらー……」

 

 何という恐ろしい攻撃だろうか?

 

 少なくとも初戦の戦果は間違いなくデストロイヤーだった。

 

「おおお……ゴ〇ラかな? 内閣〇辞職ビーム……しかもホーミングか」

 

 まさかの攻撃に、俺も呆然自失だった。

 

 だが、この必殺技の使い方はなんとなく理解した。

 

「つまりは、今までの接近するには突っ込むだけってスタイルに一石を投じろとそう言うわけですかGレクスさん」

 

 こいつを開幕でぶっ放せば、さぞかし突っ込むのも楽になることだろう。

 

 何だか、とてもメッセージ性を感じる必殺技だったが愛機のGレクスさんがそう言うのなら仕方がない。

 

 ただ個人的に必殺技と言われると……どうにもモヤッとしてしまうが、全機撃破でミッションはクリアだった。

 

 

 

「……ありがとう。いいデータが取れた……でも! 今回は機体のせいだから! 私が負けたわけじゃない!」

 

「そーよ! 最後のアレは卑怯だよ!」

 

「「「「「そーだそーだ!」」」」」

 

「えー?」

 

 終わった後高評価は受けたが、戦闘の後不機嫌なプルシリーズに負け惜しみを言われる不思議なミッションは俺の記憶にわずかばかり刺激を与えた。

 

「今回のプルは姉妹感強いな……姉妹か」

 

 そう言えばイヴは本編に於いて、全体を通してみると姉キャラだった気がする。

 

 そう言う切り口も、悪くはないかもしれない。

 

「うーん、妹さんの方を参考にするのもありかな?」

 

 とはいっても原作のサラの機体は、描写がとても少ない。

 

 かろうじて思い出せるのは、月光蝶を使える機体だと言うことだけだった。

 

 そして末っ子ポジションのメイはウォドムポッドで∀系の機体だったか。

 

「∀…………月光蝶。月光蝶か。月光蝶を使うお姉ちゃん……いや、お兄ちゃんと言えば」

 

 月のマウンテンサイクルから出土した∀のお兄ちゃん。

 

 月を守る機体なら、サテライトキャノン並みに月のマウンテンサイクルから出土したターンXはピッタリだという気もする。

 

「お? これは良くないか? いやちょっとイヴには武骨すぎる気もするから、ベースは別にするとしても、性能は申し分ない」

 

 うまく作れば最高に黒歴史で最強の機体が出来る……かもしれない。

 

 そんな予感に俺は身ぶるいした。

 

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