転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

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秘密会議をしよう!

 誰かに相談するにしてもある程度元がなければ纏まらない。

 

 コンセプトが決まったら、さっそく相談である。

 

 しかしこんな面白い議題、ただメッセージで終わりなんてお手軽ではつまらないだろう。

 

 とある日、俺達は散々拡張した月ネスト極秘会議室にて、集結していた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「では……会議を始めようか?」

 

 本日のアバターは、黒いボディに青い目のハロ。タカマルハロである。

 

 傍らには白黒ボディに目が黄色のリリネットハロが浮いていた。

 

 そして暗めの会議室にはすでに会議に招待したメンバーが集まっていた。

 

「司会進行は、僭越ながらこの私フォース『モルガーナ』隊長。タカマルが行わせていただきます」

 

 では会議に出席しているイカしたメンバーを紹介するぜ?

 

「本日の議題は、こちらにいるイヴさん。おそらく最初期に実体化したと思われるELダイバーである彼女の機体製作についてです」

 

 ガシャンとスポットライトがニコニコ笑って座っているイヴを照らし出す。

 

「よろしくお願いします!」

 

 はい、よろしく。

 

 パタパタと開閉音。

 

「そしてゲストの元開発者の知り合い、トーリさん。ビルドデカール開発に多大な技術提供をしてくれた、優秀な方です」

 

「……どうも」

 

 此度トーリさんは、金色のボディにルビーの装飾をつけたアバターで参戦だ。

 

 スポットライトに照らされたトーリさんは、光り輝きながら若干落ち込んでいる様子だった。

 

「そしてもう一人。フォース『SIMURUG』からゲストで来てくれたシャフリヤールさんです。みんな仲良くしてね?」

 

 声を掛けたら駆けつけてくれたゲストは薄水色のボディに狐耳のシャフリさんである。

 

「手の込んだ事をしてるなぁ。こういうノリ、結構好きだよ? みんな好きだよね?」

 

「ええ、大好きです。そして暇がある人だけ集まってくれたELダイバーのみんなもハロアバターです。では今日はよろしくお願いしますー」

 

 パタパタパタと開閉音が収まるのを待って、俺はさっそく会議の開幕を宣言した。

 

 本題はありますが……まずは近況報告でもしておきましょうか。

 

「こちらからご提案させていただいたビルドデカールは無事完成いたしました。細かいバージョンアップは今後必要になると思いますが、現段階でもELダイバーをELダイバーとして成立させることに成功していると言っても過言ではないでしょう!」

 

 一際大きなパタパタ音。

 

「ということでいいですよね? トーリさん?」

 

 金色のトーリハロに話を振ると、彼女は目をピコピコ明滅させた。

 

「ええ……正直驚かされたわ。こんなに早く実現できるとは思わなかったから。それも思っていたよりも完璧な形で……あなた何者?」

 

「ただのガンプラ好きの1プレイヤーです」

 

「……そう。それと、ELダイバーについて、GBN内で電子生命体が発生している可能性があるって運営に警告したんだけど……ごめんなさい。一蹴されたわ。あいつら私にしばらくゆっくり休養するようになんて……うおっほん! まぁ少々時間がかかるとだけ言っておきます」

 

「でしょうね……」

 

「……でしょうねって何?」

 

「いや何も……根気強く頑張ってみてください」

 

「……頑張るわ」

 

 トーリさんが中で項垂れているのは、GBN内からでも一目瞭然だった。

 

 まぁ頑張ってほしい。宇宙怪電波の干渉なんて無理ゲーすぎると思うけど。

 

 しかしこちらとて援護射撃の用意はあった。

 

「というように……世間一般……というか運営にさえELダイバーという存在自体がまだ眉唾という現状です。まぁ無理もありません。しかしこうして実際に独立してELダイバーが存在できるようになった以上、日の目を見る日は近いと思っています。で、様子を聞きたいのはシャフリさんです、その後どうですか?」

 

「私も同感だね。正直懐疑的だったが実際に彼女達と過ごせば、納得せざるを得ないところだ。君のところのバティは驚くほど優秀で助かっているよ」

 

「……私生活でお役にたてるほど?」

 

「たてるね。ガンプラに詳しいのもだが、なぜか天気情報が神がかっているよ。どうやっているのか知らないが百発百中だそうだ。先日も出先の天気をピタリと言い当ててね。旅行を取りやめたそうなのだが、現地で乗るはずだったグライダーの飛行場で落雷事故があったんだとかで感心していたよ」

 

「……へー。それは良かったなぁ」

 

 心当たりはあるが、活躍してくれているのならよかった。

 

 頑張ってバティ。君の活躍しだいで今後のELダイバーの運命がガチで決まりそうだ。

 

「うおっほん! まぁ、外部の意見は実は大切です。案外国をまたいで意見が来ると思ったより簡単に意見を翻しちゃうなんて話は腐るほどあります」

 

「……確かに」

 

 何が好転につながるかわからないから、そこはまぁ色々やってみるしかないと言うのが現状だった。

 

「先の見えない話はこれくらいで。今回一番の議題。イヴの機体案、行かせていただきます!」

 

 そしてメインイベントである。俺はこの日のためにまとめておいた資料をディスプレイに映し出した。

 

「えー素体としては月モチーフの機体としてターンX。ターンXを押したいと思います」

 

 再びパタパタと開閉音。

 

 しかしピコンと鋭い赤目が輝くと、スポットライトは紫色のハロを照らし出した。

 

「ターンXか……イヴが使うにはごっつすぎんじゃねぇか? 広告塔的なもんだって聞いているが?」

 

「モビルドールを別に作ればよくないかな? どうせいるだろうし。なんなら別の機体とミキシングしてもいいかもしれない。とにかくバトルで強くないとGBNじゃ注目を集めるのは難しいと思うんだよ」

 

「……それはまぁそうだな」

 

 GBNはガンプラバトルをするゲーム。まさしくそこはブレることのない真理だと思う。

 

 シャフリハロも、では改めてと俺の提案したX構想に意見をくれるようだった。

 

「なるほど。面白いじゃないか。それで、これは君が作るつもりなのかな?」

 

「そうですよ?」

 

「そうか……でもそれはさすがに止めた方がよくないかい?」

 

「え?」

 

 だけど、谷底に落とすがごとく無慈悲な言葉に俺は一瞬頭が真っ白になった。

 

「それは……こいつの技術に疑念があるってことか?」

 

 変わってアンシュハロが質問するとシャフリハロは目を点滅させて、いやいやと体を横に振る。

 

「技術面に不安なんてないさ。まぁ、やっとひと段落したところなんだろう? ビルドデカールなんてものが彼なしで成立しないことはわかる。しかしガンプラ製作についてはそうじゃない。言っては何だが……この間彼の店舗にお邪魔する機会があったんだが、彼が店番をしていてね」

 

「……ああ、たまにやってるな」

 

「その上、普通のプログラマーが匙を投げるような複雑なプログラムを組み、サーバーを運営しつつ、廃人並みにGBNにどっぷりハマり、ELダイバーのプラモデルも大半用意して……かつ真面目に学生をやってるんだとしたら……そろそろ過労で死ぬんじゃないかと心配しているんだが?」

 

 そんな疑問が提示された瞬間。

 

 会議室は一瞬静まり返った。

 

「…………そ、そんなことないよ? 楽しくてやってるし? ほら、ガンプラって作れば作るほど元気が出てくるじゃない?」

 

 いや、俺は平気だよ? やりたいことは沢山あるのだ。

 

 シバ君に対抗して、俺だってすんごいの作るよ?

 

 俺のハロのつぶらな瞳で訴えてみると、アンシュハロは特大のため息をついた。

 

「……いや、完全に了解した。全員でやる。これは決定だ」

 

「そうですね。我々も今ならプラモを組むことが出来ます。分担しましょう」

 

 そんな! リリネットハロまで!?

 

 良くない流れに慌てたが、もはやこの流れは止められそうになかった。

 

「私もリアルでの支援はさせてもらったが約束のシャフリヤールとしての協力はまだしていないのでね。ひとまず、彼女の人型素体は任せてもらおうかな?」

 

「よろしくお願いいたします」

 

「じゃあ、バトル用の機体はモルガーナでやるか」

 

「いいね。ELダイバー達との共同作業なんて愛しかないじゃないか。ELダイバーを世間に認知させるためにも華のある機体に仕上げるのは悪くない。どうせなら、GBNのシステム内で限りなく悪名高い黒歴史の∀タイプを忠実に再現するくらいに突き詰めていこうじゃないか」

 

 シャフリアールの言葉におおーと声が漏れた。

 

 つい身を乗り出してしまったのは俺も同じだった。

 

「何それ面白そう! な、なら。案があるんだけど!」

 

 つい飛んで主張する俺に、全てのハロのつぶらな視線がやれやれと訴えてきているように感じた。

 

 俺はいったん着地して咳払いする。

 

「うおっほん!……では最後に、イヴさん意見を一つ」

 

「そうね……」

 

 視線が集まったイヴはムムムと唸る。

 

 そして彼女は何かをひらめいた様子で言った。

 

「ガンダムがいいわ! ガンダムがとっても強いって聞いてるの!」

 

「「「……」」」

 

 モデラー達は天を仰いだ。

 

 ターンXがガンダムであるかどうか……それはまさしく意見が割れる。

 

 なるほど確かに、どうやらこいつは長丁場の戦いになりそうだった。

 

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