転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

5 / 88
プリンセスローズを貴方に

 カタパルトから出撃し、飛び込んだのは一見すると城の中のような空間だった。

 

 そこには、黒いドレス姿の女の子らしき人影が、何か大きなものから逃亡しているようである。

 

 なるほどと頷く。

 

 ヒロトはすでに空中で女の子を追っている敵に狙いを定めているようだった。

 

『防衛ミッション;少女を守れ 目標 闇の騎士 デスサイズ』

 

「了解……」

 

 ヒロトは足場のない空中だと言うのに、敵の頭の中心に見事命中させるナイススナイピングである。

 

「ナイス!」

 

「頭が大きいから狙いやすい。……前衛任せた」

 

「もちろん!」

 

 言われた時にはもうすでに限界までバーニアを全開にしていた。

 

 レクスの戦術は単純でいい。

 

 突っ込んでぶん殴る、ただそれだけである。

 

 まぁその近づくことが射撃武器が基本のガンダム世界ではめちゃくちゃ大変なのだが……そこは鉄血世界の機体に搭載されたナノラミネート装甲は射撃武器にはめっぽう強く、特にビームはよく弾く。

 

 的上等。ダメージを与えられる前にこの極太メイスを叩き込むのがバルバトス使いの美学だろう。

 

 フルスイングの一撃は、暗黒騎士のマントに当たるが、衝撃でお互い吹っ飛んだ。

 

「……固ッ!」

 

 足場を固めずに殴ったこともあるが、あのマントはSDでも伊達ではないらしい。

 

 先んじて砲撃を叩き込む。

 

 そして、射出したテイルブレードは自ら敵をロックオンして襲い掛かった。

 

 だがデスサイズは大鎌を巧みに操って、ブレードを弾き返してくる。

 

 こいつ結構強い。雑魚なら5回は串刺しに出来た攻撃をいなして見せたのは、まさに騎士の所業だった。

 

「……心持ちNPCのSDは反応いいんだよな。生身の生命体だからか?」

 

「あれロボットじゃないのか?」

 

「あ、SDガンダムあんまり触れてない感じ? カードダスとか」

 

「いや、こっちじゃSDにも乗れるから。キットは全部知ってると思う。GPDの時はかなり戦った」

 

「確かに!……いや! でも俺は生命体説を押したい! 乗り込めたとしても意思のあるロボットなんて沢山いるだろ?」

 

「……奥が深いなSDガンダム」

 

 それはそう。あの世界パイロットとガンダムが普通に会話することもあるからね。ちなみにモンスターもいる。

 

「でも、SDの奥深さはこんなもんじゃない……戦ったことあるならわかるか」

 

 言ったそばからこちらに手をかざしたデスサイズを見て、俺は叫んだ。

 

「警戒!」

 

「なにが……」

 

 隙を見て二射目を狙っていたヒロトは、急に動きを止めてその場にくぎ付けにされた。

 

「たぶん魔法だ! 動きを止められたか!」

 

「……魔法か!」

 

 SDガンダム、特にナイトにはこういうからめ手があるから侮れない。

 

 そして一瞬、ヒロトに意識が逸らされた瞬間、デスサイズは飛び出して逃げる少女に追いすがった。

 

「……さすがにそれはさせんでしょう!」

 

 すぐさま俺はメイスでがら空きの背中を叩き潰す。

 

 大きくのけぞり今度こそダメージを追ったデスサイズは、瞳を薄れさせた。

 

「行くぞヒロト!」

 

 俺はそのままゴルフのスイングで、デスサイズを打ち上げる。

 

 待っているのはもちろん、拘束から解放されたヒロトだった。

 

「悪い……今度は仕留める」

 

 猛烈な勢いで迫っているはずのデスサイズに、ヒロトは今度こそ二射目を眉間に叩き込んだ。

 

『ミッションクリア!』

 

 アナウンスが響きデスサイズが崩れ落ちた。

 

 俺達はひとまず一息つく。

 

 そして逃げ回っていた黒いお姫様がこちらに向き直ると微笑み。一言ありがとうと言って光の中に消えてゆく。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 ミッションに参加した俺達の手にはアイテムがゆっくりと落ちて来た。

 

「プリンセスローズ?」

 

「そうだよ。あのお姫様、魔法で人に変えられた薔薇の化身だったんだ」

 

「普通の……その、お姫様にしか見えなかった」

 

「まぁお姫様には違いない」

 

「そうか……うん。こういうのヒーローみたいでかっこいいな」

 

「……!」

 

 ヒロトのはにかむような笑顔の一言に、俺は内心ひやりと背筋に寒いものが走った。

 

 それはちょっとばかり、今後のストーリーを想起させるものだったから。

 

「うーむ……」

 

「ああ、でもお姫様、最後消えちゃうのは寂しいよな」

 

「…………ソダネ」

 

 俺はヒロトの言葉にかろうじてそれだけ答えた。

 

 うん。……もうちょっとがんばって今後の方策を考えた方がいいかもしれない。

 

 まだことが動くには猶予はあると思うが、GBNは広大だしその時にどう転ぶかは神のみぞ知るってところだろう。

 

「まぁ…………何とも言えんですな」

 

 ゲームでマジもんのトラウマ植えつけられるのはやっぱりおかしい。

 

 どうにかしてあげたいけど、どうにかなる気はまるでしなかった。

 

 なんだい、宇宙の果てからやってきたデータ生命って。

 

 肝心のお姫様は、楽しそうにこちらに手を振っているが、なんとなく先を見通してそうな雰囲気があるんだよねこの娘。

 

 一介の学生がどうこう出来る話じゃない……まぁただの学生ならばだが。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。