転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す 作:くずもちXXX
「では改めまして、今日は我がフォースミッションに挑戦感謝しよう。本日のミッションはプレオープン。簡易版だが要塞を率いるとあるプレイヤーを撃破してほしい」
要塞はリーブラを採用。
参加してくれているみんなの前には、図入りで解説が表示されていることだろう。
「なんだか本格的だね」
「ああ、タカマルが作ったんならこうなるだろうなって思ってた」
どういう意味だい? ヒロト君?
言いたいことはわかるけど、今は大変なミッションの直前だ。作戦に集中してほしい。
「要塞の名はリーブラ。かの要塞は月基地で建設されついに動き出した」
「そしてこの私がリーブラの艦長……挑戦者の皆さん今日はよろしくお願いします」
ライトアップから登場したのは、黒いドレスに仮面の姿の女性。
……思ったよりもバッチリ準備を整えてくれていたイヴさんだった。
どうやらちょっと待たせすぎてしまったかもしれない。
しかしヒロトには当然それくらいの変装では一発でバレてしまった。
「イヴ!? なんでイヴが!?」
おお、ヒロトが驚愕しておる。サプライズは大成功の様だ。
「そう、私はイヴ。……フォース『モルガーナ』のイヴよ! どうヒロト? カッコイイでしょ?」
「……! いや、いつタカマルのフォースに?」
「少し前! ようやく準備が整ったから招待したの。私もヒロトとガンプラバトルがしたくって、自分のガンプラだって持っているのよ?」
「い、今まで持ってなかったんだ……。そう言えばガンプラに乗ってるところ見たことなかった」
「そうなの! でもこれからはいつでもガンプラで遊べるわ―――ガンプラバトルの真剣勝負だって、フォース戦だって出来るんだから!……驚いた?」
ニコニコと笑うイヴにヒロトは苦笑いで答えたが、不愉快というわけではなさそうでホッとした。
「かなり驚いた。……でも、そっか。それじゃあおめでとうかな?」
「ありがとうヒロト!」
「しばらく会えなかったから、心配してたんだ。リアルで何かあったんじゃないかって」
「……ごめんなさい。心配をかけるつもりじゃなかったの」
邪気の一切ないイヴの笑顔は、それだけヒロトを喜ばせたいと言う心の表れだった。
そしてその一方で、なんとも言えない困惑顔でその様子を見ている視線が一つ。
「……」
微笑である。
ただ、なんだろうこのやり取り? とただただ困惑だけが伝わって来た。
無理もあるまい。
このほんわかとした親密度。俺だって仲いいなって思うくらいである。
「そうだ……それなら、ちょうどいいかな? 今度会った時に渡そうと思ってたんだ」
「なに?」
「これ。初めて作ったから自信ないけど……おめでとう」
そう言って差し出したアイテムに、俺は戦慄した。
そ、それは……思い出のイヤリング!? ここで渡しちゃうの!?
いやいや確かにめでたいサプライズでお祭りのつもりだったけれども!
その重要アイテムを渡すほど、我がフォースネストは飾り気のある場所じゃないぞ?
イヴはイヤリングを受け取り、呆けたように言った。
「作ってくれたの?」
「ああ」
とても嬉しそうにイヴは受け取る。
そしてそれを自分の耳につけて見せた。
「うん。……良く似合ってる」
「嬉しい……ありがとうヒロト!」
「俺の方こそありがとう。俺、GBNを初めはあんまり気乗りがしなかったんだ。君がいなかったら俺の、俺達のガンダムは完成しなかったから」
「うん……」
「あの日でやめていたかもしれない。ビルダーの想いにガンプラが応えてくれていることを知らないまま……」
その言葉には、心からの感謝があった。
きっとそれが溢れた形があのイヤリング何だろう。
「うん……ありがとう。私もヒロトのおかげで嬉しいをたくさんもらえたの……でもこれからはもっと沢山遊べるよ!」
「うん」
微笑む二人は純粋に喜んでいるのが伝わって来た。
でも後ろの幼馴染さん、ハワワワと真っ赤な顔で赤面していらっしゃるけど大丈夫?
死んじゃわない?
そんな時、挙動不審のヒナタちゃんに気が付いて、真っ先に動いたのはヒロトではなく、イヴさんの方であった。
「あなたヒナタさんね! こんにちは! 私、貴女にも会いたいと思っていたの!」
「こ、こんにちは。えっと……私はヒナタです。あなたは?」
「私はイヴ! ヒロトのお友達だけど……でも今日はライバルだね! ミッション、貴女にも楽しんでもらえるように頑張るから楽しんでいってね?」
「は、はい! よろしくお願いします!」
イヴがにっこりと微笑み。ヒナタはたどたどしく応じる。
初対面独特の緊張感は、どこかほほえましさも感じるが、さて?
バチバチっと火花が散ったらどうしようと思ったが、俺が見たところいったんは大丈夫だと思う。
まぁ前提として、俺としてはこの出会いは喜ぶべきものだった。
「あ……でも、これからガンプラバトルなんだよな、火花散っちゃう?」
「昼ドラですか? これから大変なことになるのでしょうか?」
「こらこら……どこでそんなことを覚えて来たんだ? リリネットさん?」
「いえ。しかし……こうして一か所に集まると、妙な関係になったものですね?」
リリネットの目は、その仕掛け人はどう考えているのか?と語っている気がした。
まぁ気のせいではあるまい。
だが俺としては、そんなに大層なことは考えていない。
ただ出会う機会があるならば、あの二人なら大丈夫だろうという、無責任な信頼感があるだけだった。
「…………オンラインにしては、友達同士のかわいい関係性じゃないか?」
「なるほど……」
そのなるほどってどのなるほどー?
俺はちょっぴり不安になったが、しかしこれは断言できる。
「出会えもしないよりはよっぽどいいだろう? ここは出会いとガンプラバトルを楽しむGBNなんだぜ?」
「なるほど? それはそうかもしれませんね」
じゃあ特別な今日という出会いのために、俺も精いっぱい頑張るとしよう。
モルガーナ特別ミッション。
プレオープン版は、リーブラを闘技場に見立てて戦う宇宙空間無差別バトルだ。
モルガーナはフラッグ機。今回の場合はイヴ機を守る様に配置していて、挑む側は全滅するかタイムアウトで敗北となる。
「頑張って俺達を突破してくれ。それではミッションスタートだ!」
ブザーが鳴り響き、出撃してくる挑戦者たちを俺達は待ち構える。
本来であればフルメンバーで相手をするところだが、今日のところは参加者に人数を合わせて楽しくバトルである。
「ただし―――最初からクタンの合体形態だけどな!」
「どう見たってラスボスですね」
合体変形は省略して、複座式で参戦したリリネットのツッコミは鋭いがこの機体の宇宙空間の防衛力は半端ではない。
そして、今回のヒロインは箒に乗って、流星の様にリーブラ上を飛行していた。
カリバーンの機動は、淀みなく俊敏だった。
「調子はどう?」
「バッチリ! ヒロトは喜んでくれるかな?」
「さて、でもきちんと遊べるのは……俺を突破したその後だから期待しない方がいいかもね!」
「ええー!」
実は俺だって今日のテンションは高い。
屈辱の敗戦からの貴重なリベンジチャンスだ。燃えない方が嘘だろう。
そしてルール的に、先にゲストの相手をするのはこの俺である。
ではそろそろ出迎えをしなければならない。
宇宙の闇の中に、純白のMSはよく映えた。
「来たかヒロトォ!」
「……タカマルか。最初から全開じゃないか!」
白いアーマーを着た、コアガンダムはジュピターヴガンダムか。
宇宙戦闘に特化した形態を持ちだして来るあたり向こうもやる気は十分。
相手にとって不足はなかった。