転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す 作:くずもちXXX
美しい湖畔に水柱は立ち上り、鳥たちが逃げ散って行く。
水から現れた黄金の機体は、スモーと呼ばれる機体だった。
しかしその巨体はノーマルなものとは一線を画す。
イベント用特殊機体は、メガサイズと呼ばれるスケールだった。
幾何学的なラインが入る、丸みを帯びたシルエットの機体は水面ギリギリを飛ぶ機体に反応を示した。
「ユニバース!」
腕を振り上げるスモーに、ビームが狙い撃たれる。
バリアブルロッドライフルによって、関節という関節が撃ち抜かれ、バランスを崩すスモーはIフィールドとバリアーによって、大きな損害こそないものの隙は甚大だった。
「ヒナタ! お願い!」
「任せてください!」
そして太陽から、応じる声は聞こえた。
咄嗟に危機を感じてスモーは動く。
ハンドビームガンは、大きさもあって一射すれば大気が大きくゆがんで見えるほどの出力だったが―――太陽には届かない。
太陽を背にして近付いていた金色のズゴックは恐ろしく綺麗な機動で巨大ビームをかわして、重力を利用したままクローを突き出していた。
「いって!」
胴体をズゴックに貫通され、スモーはもがく。
「きゃ!」
強力なIフィールドの力場でズゴックを跳ね飛ばしたが、すかさずカリバーンがズゴックを受け止めた。
「ヒナタ! かっこよかった!」
「……ありがとう。でも最後がしまらなかったですね」
「じゃあクライマックスは綺麗に決めましょう!」
すでに胴体に大穴の開いたスモーは満身創痍である。
それでもまだ動いているスモーに、カリバーンとアマテラスは手をかざして同時に命令した。
「「いって!」」
呼び声に応えて、二本の剣が空中から飛来しスモーを串刺しにした。
続いて無数のビット兵器が完膚なきまでにIフィールドを失ったスモーの装甲を穴だらけにして、大爆発。
手を上空に伸ばしたまま、スモーは湖に沈んでいった。
「やったー!」
「これで秘密の別荘ゲットね!」
勝敗は決した。
パチンと手を合わせる女の子二人は、とても嬉しそうにフォースネストゲットミッション成功に歓声を上げていた。
「やっぱりヒナタすごい! 大きな子にも勇敢でビックリした!」
「イヴのサポートのおかげだよ! あんなに大きな相手ビームライフルで倒せると思わなかった!」
キャッキャと喜ぶ女子を観戦していた俺は、そのポテンシャルに戦慄を覚えた。
「……」
ちょっと難しそうなミッションに一緒に参加してみよう! そんな催しだったはずだ。
しかし親睦を兼ねたレクリエーションは奇しくも、彼女達が注目を浴びる華々しいデビュー戦になったようである。
いや、いい機体は用意したよ? でもメガサイズを2機で討伐ってそりゃあ才気に溢れすぎだろう。
初心者と初心者が微笑ましく頑張っている絵のはずなのに、一般公開された映像を見るロビーは歓声でお祭り騒ぎである。
「おお! やるなぁ! 誰だあれ!」
「かわいい女の子二人組のダイバーだよ! 機体のクオリティもたけぇ!」
「誰か動画取ったか!? 共有してくれ!」
謎の凄腕美少女ダイバーは、さっそく注目を集めているらしい。
「太陽と月が合わさって最強に見える……そんな感じ?」
今回のミッション『ディアナ様の別荘プレゼントキャンペーン』。
少女の秘密の別荘を荒らすつもりはないが、……これはいつかはマッタリお茶しに行きたいものだ。
巨大スモーを貫くズゴッククローは芸術点高かったなと、俺はかなり満足して勝者の女の子二人に差し入れを用意し始めた。