転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

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私怨の逆恨み

「はっはっぁ! まぁサプライズ成功ってとこだな!」

 

 大層機嫌のいいシバ君の様子を見るに、どうやら俺はしてやしてやられたみたいである。

 

「いやもう本当に驚いた。シード権当たったんだから、素直にこっちに入ればよかったのに」

 

「いやいや。俺はGPDの宣伝するためにGBNやってんだよ。モルガーナは活躍してELダイバーの認知度を上げたいだろう? 宣伝のテーマがブレんだよ同一フォースだと。それに……」

 

「それに?」

 

「せっかくだからやって見てぇだろ? アンタとマジでガンプラバトル。俺もGBNの利点ってやつをいい加減わかって来てんだよ」

 

「……」

 

 何だろう。そのセリフはお兄さんちょっとジーンと来てしまった。

 

 相変わらずの肉食系の笑顔だし、素直ではないもの言いだが、GBNを本気で遊んでくれる感じは、すごく伝わった。

 

「……どうした?」

 

「いや……GBNで遊んでくれて、俺はとても嬉しいよ」

 

「なんだそりゃ? わけわかんねぇよ」

 

「いやいや、何げにオンゲーリアルで一緒にプレイしてくれる友達探すの難しいんよ?」

 

「そうかぁ? お前、リアルで顔バレしてるやつばっかだろう?」

 

 まぁ言われてみれば? それでもこの感動は同じ転生者でもなければ分かち合えない特別なものだろう。

 

 ただ無粋なツッコミはしたくはないが、いくつか確かめておかなければならないこともあった。

 

「ちなみに。あのコーイチさんとか、オーガさんとかその辺の人は?」

 

「ああ、コーイチは昔の知り合い引っ張り出してきた。オーガは、ソロでやってるヤルやつで和風っぽいのを見つけてスカウトした」

 

「何かずいぶん前から企んでた感じだなぁ……昔の友達はともかくオーガさんの方の理由がクソ適当じゃないか。よくそんなんでOKしてくれたなぁ」

 

 ものすごい肉食系だった気がしたが、そこはシバ君なりの交渉術を見せたらしい。

 

「キットで釣った。あとバトルジャンキーって話だったから、チャンプと戦うためにフォースに入ってくれってな」

 

「……ちなみにキットは?」

 

「GP02。使ってただろう? あれだよ」

 

「なるほど……公式戦のために和風で一新ってわけだ」

 

 アンシュのハロをじろりと見ると、赤い目を明滅させてどこか不敵に笑った気がした。

 

「そう言うことだ。心配しなくてもきっちり準備はして来たってわけだ。まぁ首を洗って待ってろよ。俺がオーガにチャンプ狙ってるって言ったのは……嘘じゃねぇぜ?」

 

「当然。―――俺だって手を抜く理由なんてないな」

 

 いいだろう、その挑発受けて立つ。

 

 俺は楽しみが増えたと純粋にそう感じていた。

 

 

 

「さぁ、注目の第二回戦! インパクト抜群の勝ち方をしたフォースモルガーナは、一回戦から機体を一新! ランキングで注目していた方々にはなじみ深い機体で参戦です! 対するフォースブレイクカラーズは、どこか和テイスト溢れる機体が特徴的ですね。あ、ダイレクトマーケティングはほどほどに! 私も怒られちゃったんで注意ですよー」

 

 フミナパイセン申し訳ない!

 

 軽い挨拶の後、2回戦は始まった。

 

 それでは楽しいガンプラバトルの時間である。

 

 カタパルトから射出された俺達は、ギアナの大地を飛ぶ。

 

 そして簡単にだが、味方に通信をした。

 

「じゃあ、手筈通りに。なんとなく手の内はお互い知ってる感じだ。気を楽にしていこう」

 

 そう言うと、真っ先に返事を返してきたのはヒナタだった。

 

「で、でも私がアンシェさんの相手でいいんですか? 絶対勝てませんよ?」

 

「そんなことないよ。その機体に手抜きはない。それに俺は君が弱いとも思ってない。胸を借りるつもりで戦っておいで。勝っても負けても得るものはあるさ」

 

「ううぅ……で、でも。実質隊長機ですよ? オーガって人にタカマルさんが当たるのは……」

 

 ヒナタさんは言い淀んだが、まぁ言いたいことは分かった。

 

 言ってしまえば、面識のない新人に見えるオーガに、一応の隊長が当たるのはどうなのか?

 

 そう言うことの様だ。

 

 しかし、どうにもシバ君の性格を考えると、素直に自分でフラッグ機を買って出ているとも思えない。

 

 そしてオーガという人物がただ者ではないことを俺は知っていた。

 

「まぁなんていうか……俺、スターダストメモリーのファンだったんだよね」

 

「え?」

 

 ぼそりと呟くと、空を飛ぶ赤い機影を発見して、俺は猟犬のように加速する。

 

「じゃあ行く! 頼んだ!」

 

「ええ!?」

 

 ヒナタさんが戸惑うのも無理のないことだが、師弟対決頑張ってほしい。

 

 そして俺はすぐさまターゲットを補足すると、挨拶代わりに巨大メイスの一撃を思い切り叩きつけた。

 

「……見つけたぁ!」

 

「おお! さっそく月の悪魔さんご登場かよ! いいぜ! その殺気! うまい肉が食えそうだなぁおい!」

 

「肉肉うるせぇ! キャラ変させて菜食主義者にしてやんよ!」

 

「……うお!」

 

 俺の攻撃を受け止めた棍棒を力に任せて叩き壊し、蹴りを叩き込む。

 

 羅刹天は派手に吹き飛んだが、かろうじて体勢を立て直して俺を睨んだ。

 

「いいなぁ、あんた! 喰いごたえがある!」

 

「……まったく。本当に嬉しいよ。シバ君も粋なことをする。まさかあんたによりにもよってGP02をプレゼントなんてなぁ……」

 

「あん?」

 

 ああ、俺の中に異世界から思念が入ってくるようだ。

 

 俺の体を通して出る力は、今なら鬼も殺せそうだった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 あんたがライバルポジションで出た時、俺はそれはもう喜んださ。

 

 そして期待した。

 

 ああ、新規造形のGP02が拝めるかもしれないと。

 

 それがどうだ? 新規造形どころかGP01以降のRGシリーズの続きも出やしない!

 

 貴様の人気がもう少しあれば! 救われた魂があった!

 

 そんな嘆きの怨念が俺のメイスに力をくれる!……気がする。

 

「……何も気にする必要はない。こいつは完全な私怨の逆恨みだ! 合法的に殴らせろ!」

 

「訳の分からねぇこと言ってんじゃねぇ!」

 

「なんだと! RGGP02が出なくて、なんの不満もないってのか!」

 

「……あるに―――決まってるだろうが!」

 

 二本の剣を引き抜き、襲い掛かって来るオーガ。

 

 それをメイスで受け止めた時、彼の顔から血の涙を見た気がした。

 

 それはそうだ好きじゃなければ、そのキットを使いはすまい。

 

 だがだとしても俺のメイスは揺るがない。

 

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