転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す 作:くずもちXXX
「全員止まれ……」
密林の中を移動していたF9ノ1に乗るアヤメは、気配を感じて続く足軽ジムたちへ停止を命じる。
色鮮やかなノボリをくっ付けて走る集団は、どう考えても隠密行動に向いてはいなかったが、茂る木々がかろうじて忍ぶことを可能にしていた。
「ふっふっふっ……これぞシノビの真骨頂。でもなぁ……」
アヤメは空を見上げて、彼らを見た。
空を飛ぶグレイズの群れは、こちらを探しているだろう。
大雑把には位置を特定しているだろうが、相手はまだこちらを見つけていないらしい。
最初からフィールドの複雑さを使って近づこうという作戦は今のところうまくいっている。
これ見よがしに装備されたサテライトキャノンをどうにかするには、撃たれる前に近づきたいところだった。
「……どう考えても無理な気がする。やっぱりノボリは外そうかな?」
アヤメはため息をついて、再び歩き始めた。
しかし気が付く。
一際大きな機体と小さな機体が一カ所に集まると同時にグレイズ達は集まって、砲身を地面に向けたのが見えたのだ。
「……! まさか!」
「一斉射」
太陽炉の輝きが空に広がって、密林に破壊の光が降り注いだのはその直後だった。
「!」
アヤメはどうにか射程外に逃げたが、足軽ジムが何機か巻き込まれた。
絶対に狙っていたとは思えない攻撃にアヤメは息をのんだ。
「……無差別攻撃って無茶する!」
そして光が消え去るとそこには隠れる場所はどこにもない、焼け野原だけが広がっていた。
「くっ……!」
「地上では威力が今一ですね。おや。しかし試しでしたが、ネズミは見つかったようです」
「もう! リリネット! こういうの良くないと思うわ!」
「申し訳ありません。ですが、私も少々高揚しているようです」
すべての機体が自分達を見ていた。
そして空に浮かぶ、ハロ・クタンとカリバーンという名の機体も、もちろんこちらを補足しているようだった。
「……あ、これまずい」
「さて、別にシバ様に手を貸すことを咎めはしませんが……何の断りもなくことを進めすぎでは? いえ、責めているわけではありません。サプライズ大いに結構。しかし根回しとネタバラシは大切ですよ?」
輸送機に合体したハロが目を光らせた瞬間、足軽ジム達が顔を見合わせて、確実に狼狽えていた。
「みんな落ち着いて!」
「……それもそうね。私達ばかり驚かされるのは不公平だもの。かくれんぼが終わったら、今度は私達の番ね」
「……!」
今度はロックオンされて、全ての銃口がこちらを向いた。
「……退避!」
今度こそ本気の第二射は、容赦の欠片もなくアヤメと、足軽ジム達を狙い撃った。