転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

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チャンプの脅威

 思った以上にうまく事が運んだからこその勝利だとそう言えるだろう。

 

 準決勝に勝利した我々は恒例の月基地会議に集まっていた。

 

「えーでは皆様、今回の特別ゲストはこの人です」

 

「あ、ドーモ、フミナです。よろしくお願いしまーす……あの、一応司会だから、会議に参加しちゃまずいんじゃないかな?」

 

「そう? 重要なのは公平性だし、手の内ばらさないでくれたら大丈夫でしょ」

 

「あーまぁ……確かに?」

 

 思わぬ有名人の登場に、ヒナタ辺りは目を輝かせているのを確認できた。

 

 ELダイバー達も興味津々の様で、今回のプチドッキリは成功したようだった。

 

 そして最大の戦いの前だ、出来る限り士気は上げておくに越したことはなかった。

 

「えー、我々モルガーナはついに決勝という華々しい舞台に立つことが出来ました……しかし、一切油断はできません」

 

 リリネットは俺の合図に合わせて、映像を映し出す。

 

「なぜならば……決勝戦の相手はクジョウ・キョウヤだからだ」

 

 そしてディスプレイに映し出されたのは今後不動のチャンプとなるはずの男の画像だった。

 

 口に出してしまえば実にナンセンスだ。

 

 しかし『クジョウ・キョウヤだから』以上に今の危機的状況を端的に表した言葉を俺は持ち合わせてはいない。

 

 続いて、準決勝の映像である。

 

「アヴァロンの準決勝、対戦相手はシャフリさんのフォースだった。当然弱いわけじゃない、そもそもOO系の強力な機体をそろえた強豪フォースだ。それなのに……」

 

 対戦のダイジェストから、場面が変わる。

 

 そこには、一刀両断されて爆散するセラヴィーガンダムシェヘラザードの姿があった。

 

 即落ち2コマみたいな構成にして申し訳ない。

 

 しかしクジョウ・キョウヤの脅威度を示すためには必要なことなのだ。

 

「クジョウ・キョウヤ率いる、フォース『アヴァロン』はかなり特殊なチームだ。必ず隊長自身がフラッグ機をやっている」

 

「必ずですか?」

 

 リリネットの質問を俺は肯定した。

 

「そうだよ。でも彼が勝ち続けているってことは、誰も落とせていない証明だ。主力の三人は基本的に可変機能を備えた機体を愛用していて、クジョウ・キョウヤの愛機はAGE系の機体の改造機でガンダムAGEⅡマグナム。副隊長の二人はクランシェという機体をメインに使っているようだ。高速戦闘を主体にしているが、他のフォースメンバーの機体に統一性は感じられなかった。

まぁそれでも負けない。それは偏に、主力の実力によるところが大きい。

速い固い強い。正直、公式チートを疑いたくなるレベルだ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 趣味を大切にしている感じは好感が持てる。

 

 基本的にチャンプをサポートして戦うワンマンスタイルが突き抜けたフォースである。

 

「そして……最近腕のいい狙撃手がフォースに加入した。実力は折り紙付きで、準決勝にも当然参加してきた」

 

「ヒロトの事ね! 当然だと思うわ」

 

「……やってみて思うんですけど。確かにヒロト、すごく上手ですね」

 

 ヒロト肯定女子達は、力強くそのすごさを主張した。

 

 実際、恐ろしく速くて強い主力に、その速さについていける狙撃手など、悪夢かというほどの厄介さだった。

 

「だが俺達も負けてはいない。正直ここまで成長できるとは思わなかった」

 

 しかし相手の長所を見て落ち込んでいる場合でもない。

 

 ガンプラというコンテンツに触れて来た期間でいうと、俺達のフォースはそんなに長いわけじゃない、むしろ全体的に見れば短い方だろうと思う。

 

 しかし、短期間にかけた情熱は本物だったと俺は今ここに来て確信していた。

 

「ELダイバーのみんなは当然すさまじいが、ヒナタちゃんまでガチ勢に対抗できるところまで来るとは予想できなかった。素直にすごい」

 

 特に生身のヒナタはシバ君作の癖のある機体の性能を、十二分に引き出している。

 

 そこは素直に賞賛に値した。

 

 ヒナタは大いに照れながら、うつむいていた。

 

「い、いえ、私なんか機体も作ってもらっただけですし……」

 

「そこは問題じゃないだろう。だけどそうだなぁ……せっかくの決勝だし、気になるなら乗り手の意見も含めて、強化改修するのもありだ」

 

「え! 私がですか!」

 

「もちろん一人じゃ厳しいだろうから、手伝うとも。正直に言えば相手が相手だけにまともにやっても勝負にならない可能性がある。出来ることは何でもやっておかないと……不安だ」

 

「それは……でも大丈夫ですかね?」

 

「大丈夫だろう。今は状況的にアレだが、1から作りたいならチャレンジ推奨だね」

 

 自分で作って戦い始めてからが本番なのは、それはそうである。

 

 無理なら無理で、あえて言わないが次はヒロトに手伝ってもらいたまえ。

 

 どういう意味のニュアンスが伝わったかはわからないが、ヒナタは控えめに頷いていた。

 

「が、頑張ります……」

 

「うむ。じゃあ、今までアマテラスを使ってみて、気が付いたところをどうぞ?」

 

 手始めにそう促すと、少し考えてからヒナタは感想を語り出した。

 

「ええっと……私はアマテラスに不満はないんです。むしろ機体の性能が良すぎてついていくのが精一杯って感じなので、もっと速くしたいとかはないかな?」

 

「そう?」

 

 まぁ元ネタからして、規格外な性能の機体である。

 

 ゲーム的にもシバ君の研究の集大成だ。むしろ簡単に動かせるようにはできてない。

 

 この短期間で、乗りこなせるというレベルまで持って行ってるヒナタの頑張りが評価されると言う話だった。

 

「ですが! 今回みたいに武装を変更するって言うのはいい案だなって思います! 次は宇宙なんですよね? ダインスレイヴが有効だとも思えませんし、本体に手を加えずに強化出来るなら嬉しいなと……」

 

 そしてしっかり次を見据えて意見してくれるヒナタは、もうどこに出しても恥ずかしくないダイバーだった。

 

「いいねぇ。確かにそうだ。使い慣れたものに、この局面で手を加えるのは怖いのはわかる。……よし。じゃあ主な改修点はヒナタ機の武装強化のみ。要望をしっかり聞いてうちのチームカラーに合わせた素敵な仕上げにしよう。俺達は今までの成果を細かく調整。ベストなカスタマイズを考えていこうか」

 

 全員が頷いたのを確認して、俺は気合を入れた。

 

 実は一つ、武装のアイディアがあるし、ヒナタちゃんと相談しつつ実装してみるとしよう。

 

 最後のラストスパートもこいつは中々忙しくなりそうだった。

 

「で、ここからがフミナさんにお願いしたいところだね」

 

 一区切りついて、話を振るとカヤの外だったフミナはビクリと背筋を伸ばした。

 

「え? 私? あ! フォースに参加してほしいとか? えー困っちゃうなぁ」

 

「入りたいなら歓迎だけど、今は無理かなぁ。流石に決勝でメンバー追加はまずいですよフミナさん。そう言うのではなく宣伝なんだけど」

 

「……宣伝はダメです。前にも言ったでしょ?」

 

 不満げなフミナは唇を尖らせていたが、こいつは彼女がいざという時に混乱しないようにするための、基本知識の共有だった。

 

「いやいや、宣伝とはいってもGBNの話だよ。ひょっとするとこの後辺りに公式からも話があるかも」

 

「……どういうこと?」

 

「いやなに。今GBNって実はとっても面白い事が起きているんだよ。その辺そろそろ公式に認知してもらおうって話してるんだよね」

 

「そうなんだ。……それって大丈夫なやつ?」

 

「大丈夫なやつ。むしろすごい。ある意味ガンダムよりSF」

 

「えぇ~」

 

 むしろ大丈夫じゃないやつがどんなのか知りたいところだけれど、頼りになる我らの水晶鳳凰様は、今も自らの尊厳を守るために奮闘してくれているはずだった。

 

「というわけで、ゲストにそれとなく打診する意味も含めて、最後にお知らせがあります」

 

 俺は息を吐いて、十分に溜めてから宣言した。

 

「この決勝の勝敗に関わらず、終了後にELダイバーの存在を公表していく感じになりそうです」

 

「!!!」

 

「?」

 

 反応は主に2種類である。

 

 お知らせの方が、重大なんじゃないか?

 

 そんな声が聞こえた気がしたが、冷静さを欠いて作戦会議もないだろう?

 

 

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