転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

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*クリスマス小話

「メリークリスマスです、マスター」

 

「……ああ、クリスマスー」

 

「なぜですマスター。世の中はクリスマスに浮かれていると言うのにそんなテンションではチキンが冷めてしまいます」

 

「チキンの温度は俺のテンションで上下していたのか……今度温める時はハッピークリスマスでも口ずさみながら、カラッと揚げてみようかな?」

 

 そいつはさぞかし、楽しい晩餐になることだろう。

 

 アツアツの唐揚げは最高である。

 

「それはそれで興味深い話ですが、いいのですか? おしゃれをし、町に繰り出してワクワクのイベントを心行くまで堪能する……クリスマスとはそう言う祭典では?」

 

 どこで聞きかじって来たかは知らないが、リリネットも中々面白い事をタカマル君に言うものだった。

 

 しかしそんな一般常識は俺に当てはまるものではなかった。

 

「は? 無理無理。GBNでもイベント目白押しだし、クリスマスのログインボーナス逃せるわけないだろ? それに、模型店は言ってしまえばおもちゃ屋だ。書き入れ時だよ」

 

「なんということでしょう……夢も希望もここにはないのですね」

 

「夢と希望だらけだよ? さっきもRX―78がまた一機世に出たところだよ」

 

 ガンダムと言えば彼、彼と言えばガンダムだ。

 

 初心者も玄人もとりあえずここを押さえておけば問題ない、鉄板キットである。

 

「こんな特別なものを世に送り出している私は特別な存在だと感じました。そしてあなたにもハイプレゼント。なぜならばあなたもまた特別な存在だからです」

 

「そう言うのいいので。ああ、ガンプラはありがたく頂きます。……ええ。私が言いたいことはそう言うことではないのですタカマル。クリスマスには特別なものが必要なのです。例えばパーティーとか、パーティーとか……」

 

「どこでそう言う知識を仕入れてくるのリリネット? そういうのは真に受けちゃダメな奴だよ? プレゼントやら旅行やら、散財させて世の中を動かそうって大人の思惑だよ。みんな好きなことをすればいいのさ。ガンプラを買えばいいんだよ」

 

「……あえて乗っかっていくスタイルは嫌いではありませんが」

 

 確かにイベントムードで沸き立つ日だが、モルガーナのクリスマスはとても静かなものだった。

 

 というのも我がフォース『モルガーナ』に所属するメンバーは、そんなにイベント好きでもないからである。

 

「シバ君は、クリスマスパーティーとか鼻で笑うしな。ヒナタちゃんは家族でパーティーだ。ヒロトもまぁ同じパーティーに出席中だろうね」

 

「実によくわかる流れです」

 

「でも暇かと言われるとそうでもない。むしろ妙に忙しいんだ。まぁ店の手伝いはそうなんだけどね? ヒナタちゃんにもクリスマス前に相談を受けたんだ」

 

「……ホホウ。それは中々ハッピーなイベントなのでは?」

 

「ヒロトにプレゼントを買いたいんだけどガンプラの数が多すぎるんです! 助けて! っという相談なのだが」

 

「……ありそうな話です」

 

「素敵な模型や店員としては、手を抜けない依頼なわけさ。でもヒロトも興味ないキットを送られても困ると思ってさ。近々にプレバンで予約開始する人気のやつをネット予約して、家で仕入れとくって話になったんだけど……」

 

「いいではないですか」

 

「思ったよりも人気で……サバが落ちるような争奪戦だよ。まぁ……勝ちましたがね」

 

「……おめでとうございます」

 

 いや、本当にめでたい。俺も模型屋としての面目が保たれたような気分だった。

 

「で、良かったなと思ってたら……今度はフミナちゃんからメールが来て」

 

「おおっと、これはすごいイベントでは?」

 

 リリネットがホホゥと感心して目を輝かせたが、こちらもまた業務連絡である。

 

『タカマル君! クリスマスの企画が思いつかないの! 助けて!』

 

 そんなヘルプが来たらすぐに企画会議である。

 

「扱いドラエもんですか?」

 

「いや……。で相談に乗ったら、まぁサンタアバターフミナ衣裳を作ったらどうだろうと言う話になって、修羅場った」

 

「……なんというか。マスターは出会いフラグだけ立てて、イベント失敗していませんか?」

 

「ハハハ。少なくともロマンスはなかったね。まぁ仕方ないvチューバーすすめたの俺だし。イベント時は特別忙しいんだよああいうのは」

 

 生配信じゃないから、なんか作んなくちゃ始まらないのも、原因と言えば原因だった。

 

 おかげでいい配信になりそうで、お互いにクリスマス商戦を潤沢な懐で挑むことが出来そうな気がする。

 

 正月辺りにはフミナ氏の新型も拝むことが出来るに違いなかった。

 

 では適当なトークはここまでにしておこう。

 

 クリスマス用作業が終わった俺はフォースネスト内のテクスチャーを上書きすると、あっという間に月基地内はクリスマス仕様に早変わりした。

 

「よしできた……」

 

「こ、これは……ずっと用意を?」

 

 驚くリリネットだが、俺は密かに正月よりクリスマスのイベントが楽しみ派である。

 

「パーティーしたいんだろう? ELダイバーのみんなと基地でやっといで。ほら、サンタ衣裳とトナカイ衣裳はゲット済みなんだろう? 後は味のある飲み物と食べ物でもあればパーティーだろう」

 

 なんだかんだとみんなでミッションを攻略していれば、何がやりたいかはわかる。

 

 クリスマスログインボーナスも加われば、家のフォースにもバッチリクリスマスはやって来ることだろう。

 

「……マスター、天才ですか? 千里眼でもおもちで?」

 

「よせやい。言っただろう? おもちゃ屋はクリスマスに夢を届けるのさ」

 

「……! メリークリスマスですマスター!」

 

「マスターは止めな―」

 

 リリネットが喜んでくれたのなら何よりのクリスマスプレゼントである。

 

 俺はやるべきことをやり終えて、天井を仰ぎ見る。

 

 電子世界でもまぶしいと感じるのは、同じらしい。

 

「……タカマルはこの後どうするのですか?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 リリネットがサンタ衣裳で尋ねて来たが、俺はにっこり満面の笑みを浮かべて、心からの声を呟く。

 

「俺は……そろそろ、ダメな奴だ」

 

「……おやすみなさい良い夢を」

 

 ありがとう。

 

「タカマルにクリスマスの浪漫が訪れる日は、そのサービス精神旺盛なところを改めないと難しい気がしますね」

 

 リリネットの声が聞こえた気がしたが、頭はもう夢の中だった。

 

 

 

 ぐっすり眠って、目が覚めてからGBNにログインすると、アイテムボックスに沢山のプレゼントが入っていた。

 

「なるほど……俺にもサンタがやってきたらしい」

 

 

 メリークリスマス。

 




遅くなっちゃったけどメリークリスマス。
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