転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す 作:くずもちXXX
「……」
さて開口一番煽ってしまったが、こいつは中々おっかない。
だが、最高の状況だと言うことは間違いなかった。
オサカベ・タカマル史上最高の舞台に、思わず体が震えたほどだ。
チャンプのAGEⅡマグナムはまさに満身創痍だった。
主力武装のほとんどは壊れて、必殺技も使用済み。
動くことに問題はないようだが、確実に決して軽くないダメージを受けているだろう。
対して俺は、必殺技こそ使えないが大型メイス一本は健在、武装もいくつかは残っていた。
戦闘に問題がないのはフォースメンバーのおかげだった。
アヴァロンのカルナとエミリアは恐ろしいほど強かった。
流石ネームドは粘り強さが違う。
クタンとグレイズがここまでこられなかったのがその証だろう。
それでも1対1まで持ってこれた。
完璧なタイミングで自爆攻撃を決行したリリネット含めたELダイバー二人のドヤ顔が見えるような気がした。
「……これで負けたら言い訳出来ないな」
しかし不意の一撃で沈むことがあるのがGBN。
そして、一太刀で沈めかねないのが、クジョウ・キョウヤという男だった。
一瞬でも目を放したら……ホラこの通り。
ビームサーベルは喉元に迫っていた。
「……!」
かろうじて避けて、クロウで裂く。
当たらず、飛んできた刃で肩アーマーがえぐられた。
装甲を溶かすような距離を通り過ぎるビームサーベルを感じながら、大型メイスを振り左足を破壊したが、お返しに左手を切り落とされた。
「この!」
テイルブレードで背後から狙ってみたが、背中に目があるのかという機動で回避されてはさすがに驚いた。
「……!」
「……!」
ほんの数秒の攻防に一体いくつ動きを入れてくるのか。
これがクジョウ・キョウヤかと、俺も頭の中を毎秒更新されている気分だった。
阿頼耶識はフル稼働。
だがそれでも一拍遅れている。
きっとこの反射神経こそ、チャンプがチャンプたる所以なのだろう。
だが技量が足りなければ機体性能で補おう。それでも足りなければ策を弄すし、それでもダメなら奇策を使う。
それがオサカベ・タカマルのガンプラバトルだ。
「これで終わりだ……RGシステム起動」
「こちらとてまだ終りではないよ……FXプロージョン!」
隠し玉で差を埋めようと思ったのに……あぁ嫌になる。
インナーフレームが青白く輝き始め、その輝きが最高に到達した瞬間Gレクスは限界を超えた動きで、AGEⅡに襲い掛かった。
テイルブレードの連撃で注意を引いて、大型メイスで最短最速の突きを狙う。
しかし同じく輝きを増したAGEⅡの肩アーマーを砕くのがせいぜいだ。
衝撃でバランスを崩せたものの、バルカンが飛んできてメインカメラを撃ち抜かれたら、マイナスと言ってよかった。
身を守った大型メイスが柄の部分をビームサーベルで両断され、俺は斬られた柄を、相手に投げつけた。
まったく、致命傷を避けるので精一杯だ。
こんなボロボロの機体でさえ仕留めきれないのが、不甲斐ないったらありゃしない。
放った大本命の蹴りは盾にされた俺の大型メイスで阻まれたが、飛び出す脚部のパイルバンカーは大型メイスすら貫いて、AGEⅡの胸部を浅くえぐる。
「……! 俺が勝つ!」
「……負けるものかよ!」
とにかく接近戦で負けたくなかった。
バーニア全開で加速から、クローで頭部を狙う。
視界を封じつつ、テイルブレードで斬りつけると、命中前にワイヤーを切断された。
しかし俺は身を捻り。飛ばされたブレードを掴み取り、AGEⅡに叩きつける。
深々と突き刺さった刃を見た瞬間、俺は勝利を確信したのだが―――
「……私の勝ちだ」
「……!」
しかし胴体に深々と突き刺さったビームサーベルはGレクスの急所を正確に捉えていた。
「ついに……ついに決着です! 勝者! フォース『アヴァロン』! 第一回ガンプラフォーストーナメント! 初代チャンピオンは……フォース『アヴァロン』です!」
司会の興奮したアナウンスの後、割れんばかりの歓声が聞こえる。
そして撃墜判定でバトルステージから追い出された俺は両掌を顔に当てて、叫んだ。
「あー! うっそだろ! あそこまで追いつめて負けるのかよ!」
挑発までやって、本気にさせてから負けるの死ぬほどかっこ悪い!
ああさぞかし俺はニヤニヤしながら見られていると思いきや、リリネットはションボリとした顔をしていた。
「なんと言ったらいいか……とても残念です」
だが、謝られちゃうと何かが違う。
俺はなんとなく力が抜けて、頭を掻くと仕方がないよと笑みを浮かべた。
「まぁ勝負は時の運だ、むしろ決勝であの舞台を整えてくれてありがとう。それに最終目標は高ければ高いほどいいさ」
なんたって、トーナメントはまだ1回目だ。
「原作開始まで……あと13回もあるんだぞ? そんなのいちいち落ち込んでいられないって」
「? そうですか?」
でもまぁ、それはともかくこの敗北感はしばらく後を引きそうだった。