転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

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*コブラがやって来る

「うおおおお!!!」

 

 Gレクスは、全身の推進力を限界まで使って、逃げ続けていた。

 

 他の参加者も、似たり寄ったりの奮戦模様である。

 

 俺達はイベントに参加して、丘を目指して走っていた。

 

 イベント内容はとても簡単。

 

 丘に辿り着いたらアイテムゲット。

 

 しかしただの競争というわけではなく、後ろからとんでもない大きさのエネミーが襲い掛かって来る仕様だった。

 

「……コブラガンダムかよ!」

 

 ただし、その大きさはメガサイズ以上の超特大だった。

 

 ガンガンと木でも岩でもぶっ壊して突き進んでくるコブラガンダムは、追いつかれたら完全にリタイアである。

 

「あああああ! なんで俺は可変機体にでも乗ってこなかったんだ!」

 

 馬鹿正直に愛機に乗ってきてしまった数秒前の自分をぶん殴りたかった。

 

 しかし俺にも機動力を底上げする切り札がある。

 

「リリネット! 合体だ!」

 

 叫ぶと、リリネットからの通信はすぐに届いた。

 

「……残念ながら。合体は少々悠長かなと思うのです」

 

「……合体のタイムラグが、命取りになると?」

 

「……上位入賞者には特別な景品が送られると言います」

 

「……リリネット……さん?」

 

「では頑張ってくださいね♡」

 

 ハロ・クタンは、わざわざ用意していたのかガンバレ♡と書いた扇をパンと開いて見せると、全開で飛んで行ってしまった

 

「ぬあああ、リリネット! そりゃあないだろう!」

 

「申し訳ありません! しかし限定なので!」

 

 そう言うの好きだったのかリリネット!

 

 高く舞い上がるハロ・クタンはこのままいくと上位入賞も夢ではないかもしれない。

 

 だがまぁ突如地面を割って飛び出してきたコブラガンダムにバクっといかれなければの話ではあるが。

 

「あ」

 

「あ」

 

 ハロ・クタンはその瞬間、一口で丸呑みにされてしまった。

 

「リリネーーーーット!」

 

 ああリリネット、食べられてしまうとは情けない。

 

 調子に乗って障害を楽に飛び越えようとする者には、それ相応の制裁があるらしい。

 

「どうやら、高く飛び過ぎてもギミックが発動するみてぇだな……リリネット、無茶しやがる」

 

「シバ……アンシェ! 参加していたのか!」

 

「なんかもらえるもんなら貰っておこうと思ってな! SEEDの限定キットって噂だ!」

 

「本当に!?」

 

 年末ともなれば、それは中々特別仕様なものになりそうだった。

 

 しかし、見たところシバ君の機体はアストレイ。そうレースに有利な機体ではない様に見えるが……。

 

「いや! これは! レッドドラゴンだとぅ!」

 

「そうよ! まぁちんたら走っていきな!」

 

 背中にのっけたでっかい背負い物はフライトユニットに十分すぎる推進力を与えているようだった。

 

「くそ……どんどん抜かれる。というかヘビ速いんだよ。あっという間に追いつかれそうだ」

 

「……タカマル、対策してこなかったのか」

 

「それはいけないな! インフォメーションはよく見なければね! お先に失礼する!」

 

 そしてまたまた飛んできたヒロトとチャンプにぬかされて、なんだかもはや負けた気分だった。

 

 当然のように飛行能力持ちの連中は、その飛行能力を存分に発揮して低空を飛んで行った。

 

「……リリネットの犠牲が糧になってるな。悪かったね! 糧に出来なくて!」

 

 確かにイベントのインフォメーション確認しなかったのは悪かったけど、なんとなくニュアンスでいけると思ったんだもの! 

 

 悪いのは俺ではなく年末の忙しさだと、俺は思うわけだよ!

 

「だ、だが! まだ間に合うはずだ! 一縷の希望に俺は賭ける……っていうかこいつが邪魔なんだよな!」

 

 いつまでも追っかけてきやがって!

 

 頭に来た俺は大型メイスを振りかぶってぶん殴った。

 

 しかし―――いつになく硬質な音が聞こえると、傷一つないコブラガンダムはひるむこともなくでっかい口を開いた。

 

「あっ……当然のように非破壊設定なわけね」

 

 つまりコイツは追いつかれたらダメなギミック。

 

 やっぱり、インフォメーションの確認は大切だなって俺は思った。

 

 食われる寸前、俺の機体は空飛ぶほうき星にすんでのところで救出された。

 

「危なかった! タカマルさん! 大丈夫?」

 

「イヴ! 助かった!」

 

 危ういところで俺を助けてくれたのは、箒に乗った魔女……ではなくカリバーンに乗ったイヴだった。

 

「危ないところだった……危うく食べられるところだった」

 

「アレに捕まったら一撃みたい。気を付けないと、ヒナタは追いつかれて食べられちゃったんだから!」」

 

「……ズゴックじゃダメだったか。防御力は高いんだけどなアレ」

 

 ズゴックはさぞかし呑みやすかったことだろう。

 

 うっかりするとヒナタちゃんですらバックリいかれてしまう、極悪ギミックの様だった。

 

 しかし、ここまでダメダメだとさすがに情けなくなった俺は箒に引っかかりながらガクリと項垂れた。

 

「ああ、そういえば……ヒロトは先に言ったよ。箒なら追いつけるかも……」

 

「もちろん! 追いつくどころか追い抜いてあげる!」

 

 頼もしいことを言うイヴはヴァリアブルロッドライフルを全開にして、追い上げに掛かるようだ。

 

「……!」

 

 猛烈な加速に目を白黒させていた俺は、しかしせっかくリリネットが残したアドバイスを伝え損ねてしまった。

 

「あ」

 

「あ」

 

 でっかいコブラが突っ込んでくる。

 

 うむ、どうやら時間切れか。新しい年に追いつかれてしまったようだ。

 

「よいお年を!」

 

 バックリ。

 

 ミッションは失敗したが、参加賞は144分の1コブラガンダム。

 

 ちなみに50位までに入るとゴールドメッキバージョンで、1位のみコブラガンダム着ぐるみと、『あんたが蛇神』タスキが貰えるらしい。

 

 1位になり、襷をつけて白いコブラガンダム着ぐるみを着てスクショを撮られているチャンプを見ていると、俺はちょっとだけ温かい気持ちで新しい年を迎えられそうな気がした。

 





【挿絵表示】

新年あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
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