転生主人公、ガンプラバトルネクサスオンラインを遊び倒す   作:くずもちXXX

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基地襲撃戦

「よし……これでひとまず準備は整った」

 

 ともあれ実機を用意出来た。

 

 試運転もかねてGBNにログインすると、今日も今日とてにぎわっていてなによりだ。

 

 ガンダムキャラのアバターが闊歩するロビーはアバターの造形一つとっても、こだわりが見えて、飽きが来ない。

 

 いや、そのこだわりはガンプラファンだからこそだろう。

 

 他のどんなゲームでも、彼らの造形への拘りには及ぶまい。

 

 歴史の長いガンプラでこだわりを磨き続けた猛者たちこそが彼らなのだから、ひょっとすると細かい造形に最も命を懸けた民……それがガンプラビルダーなのかもしれなかった。

 

 そんな彼らをかき分けて、向かうのは新たなミッションである。

 

「じゃあ、どんどんミッションこなして、ランクDまで上げてこう!」

 

「わかりました。よろしくお願いします」

 

 そして今日は相棒もいる。

 

 どこかメイドさんっぽい印象の色使いの衣装を着ているリリネットはそんなこだわりある彼らを唸らせるほどに、見事なキャラメイクとみられているようだ。

 

「ではリリネットさん。心の準備はできたかな?」

 

「もちろんです」

 

「君のこの先の経験は、全て今後の糧になる。俺も期待を裏切らないように頑張るよ」

 

「ええ、私も大変期待しています」

 

 さて今日はどんなミッションにしてみようか?

 

 ここのところ作業感が強かったからちょっと爽快感が欲しい。

 

 ならばこういうのはどうだろう?

 

 

 

 ミッションを選択。

 

 カタパルトから射出され飛び出したのは海だ。

 

 そして海面意外に眼下に広がるのは広すぎるほど広い滑走路と倉庫である。

 

 俺達が現れたとたん一斉にこちらを向いたのは、大量のリーオー部隊だった。

 

 リーオーとは新機動戦記ガンダムW内における量産機だ。

 

 無駄のない、まさしく量産機のデザインはそのわらわら出てくるまさに量産機という見せ方も含めて、味のある名機であると俺は思っていた。

 

 俺は空中でリリネットのハロクタンと合流して機体を掴む。

 

 そして指示するのは、敵中央部への突撃である。

 

「ど真ん中に俺を落してくれ!」

 

「沢山いますが大丈夫ですか?」

 

「もちろん、問題ない。リリネットさんは、今回は飛行しながら見ておいて。何なら撃っても構わない」

 

「……わかりました。幸運を」

 

「いいね。洒落た返しだ!」

 

 基地上空で砲撃が始まると、俺は目的のポイントで飛び降り、滑走路を削りながら着地する。

 

 そして105mmライフルをバカスカ撃ちながら、アリのように寄って来るリーオーめがけて突撃した。

 

 リーオー相手に絡め手など必要ない、いや、むしろそんなこざかしい真似は失礼まである。

 

 数で攻めてくるその姿勢に応えるには、己のスペックを最大限発揮し、真っ正面から叩き潰すだけだ。

 

 だからこそ俺は力いっぱい大型メイスを振るった。

 

「おぅら!」

 

 振り回すだけでメイスに当たる、入れ食いである。

 

 とにかく突撃してくるリーオーを殴っては投げ、投げては叩きつけ。

 

 このメイスの届く範囲は、全て蹂躙対象だった。

 

 気が付けば周囲はリーオーの瓦礫の山。

 

 燃え盛る基地の中、瓦礫の真ん中でGレクスは吼えた。

 

「ヒャッハー! やっぱり無双ゲーは最高だな!」」

 

「……野蛮の極み」

 

「なんか言った!?」

 

「いえなにも。頑張ってください」

 

「よしきた!」

 

 とりあえず女の子から声援を貰えたと、そういうことにしておこう。

 

 張り切ってテイルブレードを振り回し、胴体から真っ二つにしていると、思ったよりもずっと早く基地を制圧できそうだ。

 

 サクサク倒せる雑魚の群れはストレス解消に最高である。

 

 しかし残りの敵もあとわずかというところで、敵機接近の警報が鳴った。

 

 空を高速で飛行してきた誰かは、俺達の上空で止まるとこちらにバトルの申請をして来た。

 

「お、野良バトルか……もちろんOKだ」

 

 これで歯ごたえが出る。

 

 相手を観察すると、リーオーカラーのトールギスとはいい趣味だ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 バトルスタート。

 

 対戦が始まるその瞬間。空中からドーバーガンの雨が降り注ぐ。

 

 俺はジグザグと動き回ってかわし、倉庫の一つに逃げ込んだ。

 

 これでひとまずはOK、様子を窺いながら敵に狙いを定める。

 

 適当に撃ち込んできたが、それじゃあ手ごたえを得られまい。

 

 しびれを切らし、トールギスの加速に任せて急接近してきたところを、俺は屋根をぶち破って迎え撃った。

 

「!」

 

「あらよっと!」

 

 トールギスの抜き放ったビームサーベルごと、メイスで叩き伏せる。

 

 しかし器用に避けたトールギスは、瞬時に反転して空中へ逃れようとした。

 

 だが逃がさない。

 

 瞬時に飛んで行ったテイルブレードは、その足をワイヤーで絡め取って、空中から引きずり下ろした。

 

 派手に倉庫の屋根を突き破り墜落したトールギスは苦し紛れにドーバーガンを振り回すが、すでにこちらの攻撃圏内だ。

 

「……獲った」

 

 地面に引きずり落されたトールギスのダメージは大きく、バーニアは使用不能。

 

 ガツンと胴体を踏みつけ動きを固定すれば、俺の両手は自由である。

 

 メイスを振り下ろせば終わる。

 

 勝負が決まるその瞬間、空中から突如として飛んできて、積んでいた全武装を展開した相棒は叫んだ。

 

「あぶなーい」

 

「え―――」

 

 ドカンと大爆発で勝利は確定した。

 

「……」

 

「なるほど……これがガンプラバトル、興味深いですね」

 

「……楽しかったのならよかったよ。次の時は俺ごと撃たないようにしようね」

 

「もちろんです。おまかせください」

 

 やたらはきはき言われると逆に胡散臭いけどまぁいいか。対戦してくれた君もありがとうね!

 

 フォースの勝利は勝利、過程はともかくそれは素直に喜ばしい。

 

 ではではさっそく帰ってから戦利品のチェックをすることにした。

 

 貰った報酬をリリネットと山分けにしていると、俺のGレクスを見上げながらリリネットは呟いた。

 

「私はGBNという世界を好ましいと感じている節があります」

 

「なるほど」

 

「だからこそ、私という存在を確立するためにGBNという世界を知ることは不可欠なのではないかと」

 

「そりゃあ。GBNで生まれたんならそうだろうなぁ」

 

「聞き流していませんか?」

 

「流していませんよ?」

 

 何かとってもリリネットがようやくELダイバーっぽいー。

 

 ただまぁ俺だって、ここまで人間味を見せられると後ろめたくはある。

 

 何がといわれたら、データ取りは大変順調だったとだけ付け加えておこう。

 

 ミッションの前と後、そこで増えたデータはきっと、感情や記憶に直結している。

 

 俺はリリネットの報酬に、ちょいと色を付けてみた。

 

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