になりました‼︎
新年あけましておめでとうございます‼︎
これからも更新しますので、よろしくお願いします。
【お気に入り】や【投票】、【しおり】そして
【感想】などの『応援』をしてもらえれば心が
とても脆い豆腐メンタルな自分にも更なる
『創作意欲』が増して頑張れます‼︎
最後まで読んでもらえばとても嬉しいです‼︎
「いらっしゃいませ‼︎」
ロムルスとウツロが宿屋に入ると一人のゴブリナが
笑顔で受付の接客していた。
「部屋を一つください」
「はい。部屋一つですね」
ゴブリナはそう言って部屋の鍵をロムルスに
渡す。
「それでは、ごゆっくりどうぞ‼︎」
受付のゴブリナはそう言って宿屋に入っていく
ロムルスとウツロを見送った。
「ふーん、この部屋か……」
ロムルスはそう言って扉を開けた。
「ほーう、随分と豪華な部屋じゃあないか」
ロムルスはそう言ってベッドに座った。
「ところで、先程の件は一体、どう言うつもり
なのかな?」
ねぇ……『シズ』
ロムルスがウツロことシズに視線を向けて
そう言うと
「それは……」
シズはそう言ってロムルスから視線を逸らした。
「そもそも、あらかじめ約束したじゃないか、
決して自分の正体を明かさないと」
「………」
ロムルスがシズにそう言うとシズは黙って
しまった。
「それに今、君の存在はリムル=テンペストに
バレるわけにはいかないのは分かっている
でしょ?」
「それは…確かに、あの時は悪かったよ……」
『グレイ』
シズはロムルスことグレイにそう言って
頭を下げて謝罪をする。
「分かったならいいよ。一応、認識阻害の魔法
を掛けているけど次から気をつけてね」
「わかった……」
シズはグレイに頷いた。
「それと、この町にいる時は僕のことはグレイ
じゃあなくてロムルスって呼んでね」
「そうだね。わかったよ」
シズがそう言うとグレイは納得したのか満足した
表情をしてうんうんと頷いていた。
「それでこの後、どうするの?」
「そうだね。『目的の物』はまだ手に入れてない
からね」
グレイはそう言ってシズに視線を向けて
「だから、まずは……」
その後、ソウエイのお陰でリムルは無事に
ミリムと合流した。
そして町の皆が集った頃合を見計らい、
俺が壇上に立ってた。
「ええと、今日からこの町に、新しい仲間が滞在
する事になった。扱いは客人という形になるので、
丁寧に対応して欲しい。ただし、この町のルールは
守ってもらう約束になっているので、違反している
ようなら俺に知らせるように」
魔王だからと、なんでも許す気はない。
ただ、この暴力を前には匙加減が難しいのも事実。
非常に厄介だが、約束は守るようにと明言して
おいた。
ミリムもどうやらその辺は弁えたもので、
「心配し過ぎだぞ? ワタシは約束は守るのだ!」
と自信たっぷりである。
そこはかとなく心配であったが、疑ってばかり
いても仕方ない。ミリムを信じる事にした。
俺に代わって壇上に立つミリム。
「ミリム・ナーヴァだ。今日からここに住む事に
なった。宜しくな!」
と、自己紹介するミリム。
って、今なんて言った⁉︎
「おい、待て。今から住むってどういう意味だ?」
「そのままの意味だぞ? ワタシもここに住む事
にしたのだ」
「待て待て。お前は今住んでいる所があるんだろ?
そこの人達が心配するんじゃないのか?」
「大丈夫なのだ。たまに帰れば問題ない!」
馬鹿野郎、こっちは問題大ありなんだよ!
と、叫びたい気持ちをぐっと我慢する。
大丈夫だ……。コイツは気分屋だし、飽きたら
帰るだろう。
「まあ本人がそう言っているので、そのつもりで
対応してくれ」
俺は諦めて、ミリムの好きにさせる事にしたの
だった。
とはいえ、住民の反応は概ね好意的だった。
「なんと⁉︎ 魔王ミリム様ではないか!」
「おお、ご尊顔を初めて拝見出来ましたぞ……」
「それにしても、流石はリムル様だな。
あの暴君、ああも親しげに──」
「これで、この
等々。
魔王の威光は凄まじく、中でもミリムは人気者
だったようだ。
偽物だと疑う者もいなかった。俺が紹介した以上、
誰も疑わなかったのだろう。
「もう一度言うが、ミリムも今日から俺達の仲間だ。
何かあったら、色々面倒を見てあげてくれ」
「うむ。ワタシとリムルは友達だから、
何かあったらワタシを頼ってくれてもいいのだ」
ミリムに何かを頼れる程の剛の者はいないだろう。
寧ろ、ミリムが巻き起こす騒動で迷惑を受ける者の
方が多いと思う。そういう意味で言ったのだが、
ミリムには通じないようだ。前向きに受け取った
ようだし、否定する事もあるまい。
それにしても──
「友達、か──」
魔王とも友達になったが、果たして大丈夫
だろうか? この短い付き合いだけで判断すると、
ミリムはいいヤツだと思えるけど……。
俺の呟きが聞こえたのか、ミリムがモジモジ
し始める。
「そうだな、友達は変だな……。え、えっと……
友達というより、
何やら顔を真っ赤にしながら、言い直した。
は? えっと……
ミリム君、いつから俺達は
「えっと、
恐る恐る尋ねてみる。
「え? 違うのか⁉︎」
ミリムの目に、見る見る涙が溜まっていく。
だがそれ以上に、拳に闘気が溜まっていく方が
早い⁉︎
「なーんてねっ! 冗談だよ、冗談。
俺達は
素早いフォローで危険を回避。
俺も危うく地雷を踏み抜く所だった。
ガビルの二の舞は御免である。
「だろ? お前も人を驚かせるのが上手いな!」
俺の対応は正解だったようで、ミリムは笑顔に
なっている。
チョロイ奴である。
チョロイけど、扱いの難しい奴でもあるのだ。
今後油断は禁物。俺は一つ賢くなった。
こうして、火薬庫よりも危険な魔王ミリムが、
テンペストへの仲間入りを果たしたのだ。
「どうやら、ミリムはしばらくこの国に滞在する
みたいだね……」
グレイはそう言ってリムルとミリムを見て呟く。
グレイとシズは宿屋を出てリムルとミリムの気配
を探ってこっそりと様子を見に来たのだ。
「そうだね。それで『その荷物』はなんなの?」
シズはグレイが持っていたある荷物に聞くと
「ふふん、それはね……」とグレイは言う。
「いざと言う時の『秘密兵器の商品』だよ」
「へえ、秘密兵器なんだ……」
シズがそう言うとグレイは「うん。秘密兵器だよ」
と言うとシズは視線をその荷物に向ける。
「さて、それじゃあ、行こうか」
グレイはそう言って『ある場所』に向かう。
ミリムの紹介も終わり、食堂へと移動した。
食事が運ばれてくる。
今日はカレーだ。
正確には、カレーを再現した料理である。
米に似たイネ科の植物を発見したので、現在それを
品種改良中である。今はそれ程栄養価も高くないし、
味も悪い。だがカレーは万能なので、なんとか
美味しく仕上がっていた。
シュナの料理の腕のお陰である。これで白米が
完成したら、素晴らしい一品となるのだが……。
インドカレーのようにナンモドキもあるので、
好みで選べるようになっていた。
こうした料理は、試行錯誤の末に生まれたものだ。
他にもレシピはあるのだが、砂糖がないので再現に
苦労してしている。サトウキビに似た植物が生えて
いないか、現在森を探索させていた。砂糖大根
みたいに、根の部分に糖分を含んだものもあるかも
しれないので、見回りに出た際は多種多様な植物を
採取してくるように申し付けているのだ。
ぶっちゃけ、モノさえあれば『解析鑑定』で成分
が判明するので、時間の問題で砂糖の抽出も可能
になると思っている。
ミリムはご機嫌で食べていた。
どうせ子供舌だろうと思い、シュナには果汁を
多めにした甘口で用意してもらった。
俺の考えは正しかったようで、ミリムは一心不乱に
食べている。
「うまーーー‼︎ こんな美味しいもの、久しく食べた
記憶がないのだ‼︎」
と絶賛しつつ、御代わりしている。
シュナも嬉しそうに、ミリムの御飯をよそって
いた。
微笑ましい光景だ。
そんな空気をぶち壊すように、突如爆弾発言した者
がいる。
シオンだ。
「ところでリムル様。ずっと気になっていたの
ですが、ミリム様にプレゼントされた品、あれは
一体なんなのでしょうか?」
ドキ。
突如何を言い出すんだ、シオンのヤツ⁉︎
「やらんぞ! これはワタシのものなのだ」
慌てて蜂蜜容器を隠すミリム。出したままにせず、
『空間収納』で仕舞っておけばいいのに。
「大丈夫てすよ、ミリム様。誰もミリム様の物を
奪おうなどとは致しませんから」
シュナが笑顔で言う。そりゃあそうだろう。
ミリムの物を奪おうとする命知らずなど、この町に
いるハズもない。
ミリムは自分の蜂蜜は狙われていないとわかった
途端、ニコニコ笑顔で食事を再開した。本当に魔王
なのかと疑いたくなる程に、無防備な姿である。
いや、ミリムの事はいい。問題は、俺がコッソリと
隠し持っていた蜂蜜に気付かれた事だ。
「そう言えば、何やら芳しい香りがしますね。
ミリム様の持ち物なのかと思っておりましたが、
リムル様がミリム様にプレゼントしたものだったの
ですか──」
シュナはミリムを諭した後、何やら思安気に俺に
視線を向けてきた。
不味い。これは非常に不味い事態である。
ソウエイはなどは我関せずと知らぬ顔を決め込んで
いるが、ベニマルは興味深そうに俺達の遣り取りを
眺めていた。
このテーブルに座っているのは、全員で六名。
俺、ベニマル、ソウエイに、ミリム、シュナ、
シオンだ。シュナ以外、ミリムと俺の遣り取りを
知っている者達であり、誤魔化すのは無理そう
だった。
どうやら、諦めるしかなさそうだ。
量産の目処が立ってからと思っていたのだが、
仕方ない。俺は懐から蜂蜜を取り出し、目の前の
コップに満たした。
「これは蜂蜜だ。砂糖がないから、代わりに用意
した。だが、取れる量が少ないので、皆に与える
事は出来ないんだ」
皆に回して、掬って舐めてみるように言う。
「「「──⁉︎」」」
驚愕の表情を浮かべる女性の二人組。
ソウエイは片眉を上げただけだが、ベニマルは
もっと欲しそうな顔をしている。
そして何故か、ミリムも一緒になって掬って
舐めていた。
いやいやいや、君はもう持っているだろう⁉︎
本当に欲張りなヤツである。
「とまあ、かなりの甘味がある。だがこれには薬効
もあって、万病の特効薬になるんだ。毒が混入する
場合もあるから、抽出にはしっかりと気を配らない
といけない。が、それは俺がやっているから問題
ないんだがな」
「これは、量産可能なのですか?」
「今は無理だな。週にコップ一杯分確保出来るか
どうか、という感じだ」
アピトに無理をさせれば、週に三杯は可能かも
しれない。が、無理させるのは禁物だし少なめに
言っておく。
「これは薬としても成分を研究させたいので、
中々食用には回せないんだよ」
これは本当だ。実際、『解析鑑定』によると
”特級万能薬”と解析結果が出ている。珍しい花々
から採取した蜜だけの事はあり、素晴らしい効能
があったのだ。
「確かに。
になりません。あれは、甘味料としてはイマイチ
でした」
シオンが頷いている。料理は出来ないのに、
そういう情報には詳しくようだ。
まあシオンの言う通り、
毒成分が多くて、食用にも適さないのだ。あれも成分
解析して抽出すれば、美味しく出来るとは思うのだが
──飼い慣らすのが難しいのである。
「まあ、あれも花畑を用意してそこを縄張りに
させれば、それなりに高品質の蜂蜜を作るように
なると思うけどな」
「なるほど……」
シオンは納得したのか黙り込んだ。
「砂糖の代わりと仰っていましたが、砂糖とは
このように甘いものなのでしょうか?」
シュナが興味津々という様子で聞いてきた。
これにはミリムとシオンも気になったようで、
聞き耳を立てている。
「ああ。薬効はないが、依存性が出る者がいる程に
甘い物質だな。料理に使ったり飲み物に入れたり、
様々な用途がある。これがあれば、作れる料理の
品数が一気に増えるんだよな」
そう説明した。
「なるほど、理解しました。明日からは、砂糖の
発見に全力を尽くさせます。シオン──」
「お任せを、シュナ様。このシオン、一命に
代えましても、砂糖を発見して御覧に入れます!」
「うむ、頼んだのだ!」
女性三名が、顔を見合わせて頷きあっている。
そんなことに命を賭けるなとか、お前等いつの間
に仲良くなったの、とか言いたい事は山程あるが、
今はいい。
俺は残った蜂蜜を舐めながら、これで砂糖の発見も
間もなくだと確信している時だった。
食堂の入り口の扉からコンコン、と叩く音が
聞こえた。
「一体、誰でしょうか? わたくしが対応します」
「ああ、悪いな、シュナ」
俺がシュナにそう言うと「いえいえ、リムル様
の為ならば」と笑顔で言って食堂の扉まで近づき
扉を開けた。
「いきなりの訪問ですみません。リムル様は
いらっしゃいますか?」
「いますが……貴方達は一体、何者でしょうか?」
シュナが二人の人物に名前を聞くと
「おお、ロムルスさんとウツロさんじゃあ
ないか‼︎」
俺は二人の名前を呼んで近づいた。
「さきほどぶりですね。リムル様」
グレイは笑顔でリムルにそう言うと
「リムル様、この方は何者なのですか?」
シュナがリムルに聞くと
「彼はロムルスさんだ」
「僕は商人をしているロムルスと言います。
どうかよろしくお願いします」
「商人のロムルスさんですね。わたくしはシュナと
申します。どうかよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
リムルが説明するとシュナはグレイと握手をした。
「そちらの方は?」
「ああ、彼女は僕の弟子で助手のウツロと
いいます」
「あら、そうなのですね‼︎」
グレイがそう説明するとシュナはそう言って
シズに近づいていき
「シュナといいます。よろしくお願いします」
「こ、こちらこそよろしくお願いします……」
シズの手をギュッと握って笑顔で自己紹介する
とシズもシュナに自己紹介した。
「ところで二人は一体、何しに来たんだ?」
リムルが二人に聞くと
「実はうちが取り扱っているある商品を宣伝しに
来たんです。よければ是非、見ていってください」
「そうか、じゃあ、是非ともその商品とやらを
見せてくれ」
「わかりました」
リムルがグレイにそう言うと「それでは失礼します」
とグレイはそう言ってシズと一緒に食堂の中に入って
いった。
「商品はどこで見せましょうか?」
「え? えーと、そうだな……」
グレイがリムルに聞いてリムルが悩んでいると
「皆の前でその商品を確認したらよいのではない
でしょうか」
「なるほど……確かにそうだな‼︎
その方が早いかもな‼︎」
シュナがリムルにそう言うとリムルはシュナの
言葉にいい妙案を得たといった表情でそう言った。
「というわけで、その商品をテーブルの上に
置いてくれ」
「わかりました。食事中にすみません」
グレイはそう言って荷物をテーブルの上に置くと
「ああ、構わない。俺の名はベニマルだ。
俺の隣の席にいるのがソウエイだ」
「ソウエイだ」
「更に向こうにいるのはシオンだ」
「私はシオン。リムル様の第一秘書だ‼︎」
「そして俺の妹のシュナだ」
「改めてよろしくお願いします」
ベニマルが鬼人全員の説明するがソウエイは自分の
名前を一言だけ言ってシオンに至っては第一秘書を
強調しシュナは頭を下げて自己紹介をする。
「ベニマル様、ソウエイ様、シオン様、シュナ様
ですね。僕はロムルスと言います。様々な場所を
転々と旅をしながら商売しているしがない旅する
商人です」
グレイがそう言うとベニマルは少し苦笑いして
「おいおい、様付けはやめてくれ。普通にベニマル
と呼んでくれ」
「ベニマルの言う通りだな」
「そうですよ‼︎」
「お兄様の言う通りです。そんなにも
畏まらなくても大丈夫ですよ?」
グレイにそう言うとソウエイ、シオン、そして
シュナもグレイにそう言うと
「そうだぞ、ロムルスさんももっと砕けた口調
でもいいと思うぞ?」
リムルもグレイにそう言うと
「そうですか……そうですね」
グレイはそう言って視線をベニマル達に向ける。
「それでは改めてベニマルさん、ソウエイさん、
シオンさん、そしてシュナさん。どうかよろしく
お願いします」
グレイは頭を下げる。
「こちらこそよろしくな、ロムルス殿。
と、そちらの彼女は……」
「う、ウツロって言います……ロムルスの
弟子であり助手をしています」
シズはベニマルにそう言うとベニマルは
「こちらこそよろしくな」と爽やかなイケメンな
笑顔でシズにそう言うと「こ、こちらこそよろしく
お願いします」とカチコチに緊張しながらも
自己紹介をしていた。
「それでどんな商品を宣伝に来たんだ?」
リムルは気になったのかグレイに質問をすると
「こちらの商品です。どうぞ」
グレイはリムルにそう言って荷物の包んだ布を
ゆっくりと開けた。
「こ、これは……⁉︎」
俺は驚きを隠せなかった。
なぜなら……
「こちら、目玉商品の『サトウキビ』です」
俺がずっと探していたサトウキビをロムルスさんが
そう言って大量のサトウキビを俺の目の前に見せた
からだ。
「すまないが……一本、齧ってみてもいいか?」
「ええ、構わないですよ」
ロムルスさんがそう言うと俺はサトウキビを一本、
手に取って剥きながら口に含み齧ってみる。
「うっ……」
「リムル様‼︎」
「大丈夫ですか⁉︎」
「まさか…ッ‼︎ 毒が入っていたのでは⁉︎」
「しっかりしてください‼︎ リムル様‼︎」
俯いてぷるぷると震えているリムルを見て心配して
いるシュナ以外の三名の鬼人達は殺気を剥き出しに
してグレイとシズを見ていた。
とくにソウエイはニヤリと不気味で危ない笑みを
浮かべてキレているのか殺気を放っているので
本当に不気味である。
すると
「うんっっっまぁぁい‼︎」
リムルはかつてないほどの笑顔でそう言って
笑っていた。
「大丈夫ですか⁉︎ リムル様‼︎」
「どこか身体に異常などはありませんか⁉︎」
「無事で良かったです‼︎」
ベニマル達、
リムルにそう言うと
「皆本当に大袈裟だな……俺は大丈夫だからお前達
も齧ってみろよ。良いだろ、ロムルスさん?」
「構いませんよ。ミリム様もどうですか?」
「うむ、ワタシも食べてみるのだ‼︎」
グレイがそう言うとカレーに夢中になって喋って
いなかったミリムがそう言ってグレイが持ってきた
サトウキビに興味が出たのか瞳をかつてない程に
キラキラと輝かせていた。
「リムル様そう言うのなら……」
「わかりました‼︎」
「リムル様の仰せとあらば」
「それでは……」
ベニマル達はリムルに勧められてサトウキビを
剥いて口に含み齧ってみると
「こ、これは……ッ」
「あ、甘い‼︎」
「美味しいです‼︎」
「蜂蜜と同じ……それ以上に美味しいです‼︎」
「蜂蜜も美味しかったがこのサトウキビとやらも
とても美味しいのだ‼︎」
どうやらベニマル達やミリムにサトウキビに
大好評のようだ。
そういえば先程からシズが黙っているけど一体、
どうしたのだろうか?
僕は視線をシズに向けて見ると
「って、ウツロ⁉︎ 商品のサトウキビを齧っちゃ
ダメだよ‼︎」
なんと目を離した隙に、シズが大事な商品の
サトウキビを数本を剥いて齧っていたのだ‼︎
いや、確かにしたくなるのは分かるけどさぁ‼︎
「まさかこれほどの良質なサトウキビがあるとは
思わなかったなあ……一体、どこ産のものなんだ?」
「はい。こちらのサトウキビはすべて
『エンデ産』です」
エンデ? 一体、何処にあるんだ?
俺がロムルスさんの言葉に疑問に思っていると
「え、エンデって、あのエンデですか⁉︎」
エンデという言葉を聞いた瞬間、ベニマルの顔色が
変わった。
え? エンデってそんな有名な場所なの?
「なぁ、エンデってそんなにすごい場所なのか?」
「リムル様‼︎ エンデを知らないんですか⁉︎」
「お、おう……」
リムルがベニマルに質問するとベニマルは
信じられないと言った表情を浮かべていた。
「エンデっていうのはですね『空中に浮いている
都市』なんですよ」
「へーえ、そんな凄い場所があるのか……
それは是非とも一度、行ってみたいものだ」
リムルがそう言うとベニマルの表情が困った表情
をしていた。
「それは、無理なのです。リムル様」
「え? どうしてだ?」
リムルがベニマルに質問すると
「
え? 行き方が分かっていない?
一体、どういうことだ?
「行き方が分からないってのはどういう事
なんだ?」
「それは……」
「それは
誰もいないからです」
言いずらそうにしていたベニマルの表情を見て
それを察したのかグレイはリムルにそう説明する。
マジかよ……エンデってそんなに凄いところ
なのかよ?
ん? だけど……
「ロムルスさん達は一体、どうやってエンデに
行ったんだ?」
エンデに行けた者は誰もいないんだよな。
だったら、ロムルスさんとウツロさんはどうして
エンデに行けたんだ?
リムルがグレイに質問すると
「僕とウツロがエンデに行けたのは
『エンデの統治者』との繋がりがあるからです」
「繋がりだと……?」
「ええ、そうです」
グレイがそう答えるとベニマルは信じられないと
言った表情を浮かべながらグレイに言うとグレイ
は平然と言った。
「エンデの統治者様のお気に召したのか、
僕達はエンデに入る許可を得ているんです」
「なるほど、そんなことが……」
「にわかには信じられんな……」
リムルはグレイのに納得して対するベニマルは
信じられないと言った表情をグレイとシズに
向けていた。
「ですが事実です」
グレイはベニマルにそうはっきりと言う。
「それで、この大量のサトウキビは一体、
どうしますか?」
グレイがリムルにそう聞くと
「ロムルスくん‼︎」
「な、なんでしょうか? しかも、ロムルスくん
なんて……」
リムルはダン‼︎ とテーブルを叩きつけてグレイ
の偽名であるロムルスの名前を呼ぶ。
「是非ともここにある全てのサトウキビを
こちらで買い取らせてもらいたい‼︎」
「全てですか?」
「ああ‼︎ 全て言い値で買い取らせてもらおうじゃ
ないか‼︎」
「リムル様‼︎ そんな即決するなんて……」
「確かにサトウキビとやらは甘くて美味しいの
ですが……」
ベニマルとシュナが即断即決したリムルを注意する
ように言うがリムルの決意は変わらない。
「ベニマル、シュナ、さっきお前達にも話したと
思うけど砂糖は依存性が出る者がいる程に甘い物質
で料理に使ったり飲み物に入れたり、様々な用途が
あるってんでな、このサトウキビがあれば、作れる
料理の品数が一気に増えるんだよ。サトウキビは
砂糖製造にも利用されているんだよ」
「こ、これが砂糖に…ッ‼︎」
「しかし、そうなると……」
「そうなのか‼︎」
リムルの言葉を聞いた瞬間、シュナ、シオン、
そしてミリムの女性陣のサトウキビへの見る目が
一瞬にして価値観が変わってギラリと輝かせて
変わる。
「というわけで、買い取らせてくれないかな?」
「どうか貴重なサトウキビをどうか‼︎」
「お願いします‼︎」
「頼むのだ‼︎」
リムルが手を合わせてグレイに頼むとシュナ、
シオン、そしてミリムすらも頭を下げて頼み込む。
「そこまで頼み込まれるとは思いません
でした……」
グレイはミリム達の必死さにドン引きしながらも
ふむ、とそう言って考える仕草をする。
そして
「いいでしょう。ここにある全てのサトウキビを
リムル様に売りましょう」
「本当か‼︎ 恩に切る‼︎」
「こんなところで砂糖を手に入れられるなんて
とても幸運です‼︎」
「これなら更なる新しいお菓子を作ることも
夢ではありません‼︎」
「これでもっと美味しいものを食べることが
出来るのだ‼︎」
リムルがグレイに感謝を言うとシュナ、シオン、
そしてミリムもグレイに感謝の言葉を伝える。
「今回は助かったよ。ロムルスくん」
「そこまで喜んでもらえるなんて本当に
良かったです」
僕はそう言って大袈裟過ぎるぐらいに感謝する
リムル=テンペストと手を取り握手する。
さっきから隣にいたシズが気になっていたが
シズの声が一切聞こえない。
視線をシズに向けるとシズはまだサトウキビを
ボリボリと無言で齧っていた。
だからサトウキビを齧っちゃダメだよ‼︎
僕がシズにそう視線を向けていると僕の視線を見て
僕の思っていることを一瞬にして理解したのかシズ
はサトウキビを齧るのを止める。
するとその時のシズの表情はとても恋しくて
名残惜しそうな表情をしていた。
「後、お願いがあるのですがよろしいでしょうか?」
「なんだ? 俺に出来ることがあるなら叶えて
やるぞ?」
グレイはリムルに『あるお願い』するとリムルは
グレイの言葉にリムルは聞いてみる。
「実は
もらえないでしょうか?」
この国特産の蜂蜜を? アピトの蜂蜜を分けて
ほしいのか?
そもそもアピトの蜂蜜は砂糖がなかったから代わり
にしていたのだが、取れる量が少ないのだが……
「どうでしょうか? 可能でしょうか?」
ふむ、せっかくこんなにも貴重で大量のサトウキビ
を持ってきてくれたしできれば彼の願いを叶えて
やるとも言ったのだから出来れば叶えてやりたい。
「わかったよ。蜂蜜を出来るだけ分けるように
するよ」
「ありがとうございます」
リムルは少し考える仕草をしながらもグレイに
そう言うとグレイは感謝の言葉を伝える。
「交渉成立だな」
「そうですね。では、これからもよろしく
お願いします」
二人はそう言って肩をポンポンと叩いて
ガッチリと再度握手する。
「それじゃあ、すぐにでも蜂蜜と金貨を用意
するよ」
リムルはそう言ってテーブルの上に適当に粘土を
焼いて作った不恰好な容器に入った蜂蜜と大量の
金貨を用意した。
「ふむ、確かに金貨と蜂蜜をもらいました。
ではこちらのサトウキビをどうぞ」
グレイはそう言ってサトウキビをリムルに差し出す
とリムルはサトウキビを受け取って蜂蜜と数枚の
金貨をグレイを渡す。
「ありがとうました。それでは僕達はこれにて
失礼します」
グレイはそう言って椅子から立ち上がって蜂蜜と
金貨を確認して受け取る。
「ウツロ、そろそろお暇するよ」
「わかった」
グレイはシズにそう言うとサトウキビを途中で
齧っていたシズにもそう言って立ち上がらせ
ながらグレイに付いて来るように言った。
「それではこれからも我々をご贔屓にして
ください」
グレイはそう言って頭を下げてシズとともに
食堂を後にした。
「随分といい買い物をしたなぁ……」
まさか、砂糖の元となるサトウキビがこんな
身近な場所にあるなんて思わなかった。
俺がそう呟きながら思考を巡らせていると
「これほどのサトウキビが手に入ったので様々な
デザートを試すこと出来ますね」
「さすがはシュナ様です‼︎」
「次回のデザートを頼むのだ‼︎」
シュナがそう言うとシオンとミリムは目の色を
変えて輝かせて子供のようにはしゃいでいた。
「俺も楽しみにしているからな。シュナ」
「はい‼︎ どうかお任せください。リムル様‼︎」
リムルがそう言うとシュナは花が咲いたような
笑顔をしながらしながらリムルに向けていた。
「さっきはお疲れだったね。シズ」
グレイはシズにそう言うとシズは仮面を外して
「うん。でも、まさか魔王ミリムだけじゃなくて
あんなにも鬼人がいるなんて思わなかった」
シズはため息を吐きながらもグレイにそう言う。
シズが言うのも無理もない。なぜなら鬼人は
オーガの中から稀に進化する種族だからだ。
しかもリムルの周囲にいたあの三人の鬼人達は
Aランクオーバーにすらなっている。
「しかも、あんな嘘を吐くなんて思わなかったよ」
『【空中楽園都市エンデ】の統治者は他でもない貴方だというのに』
「まあね」
グレイはそう言ってシズから視線を離しながら言う。
「それにしても、どうしていきなりスライムさん
の元に行ったの?」
シズがグレイに聞くとグレイは
「ふふん。それはね……」
グレイはそう言って口元を三日月の様にニヤリと
笑う。
「あの時、宿屋の部屋でも言ったけど『目的の物』
を手に入れるためだって、そのためにどうしても
リムル=テンペストに近づく必要があった」
そう、そうしなければ『目的の物』を手に入れる
事は出来なかっただろう。
「そもそも、貴方がそれ程までに欲しいといって
いた物は一体、なんなの?」
シズはそう問うとグレイは右手をシズに見える
ように出す。
それは、
『とある物体』だった。
「これは……?」
「これは『ある人物の細胞』だよ」
「細胞って、一体、誰の……?
いや、これって、まさか……ッ‼︎」
シズはグレイが見せたその細胞を見た瞬間、
『ある可能性』を導き出した。
「どうやら誰の細胞なのか分かったみたいだね」
この細胞は一体、誰の物なのか
「この細胞の持ち主、それは……」
『リムル=テンペストの細胞』だよ。
あの時、リムル=テンペストと交渉して握手した
時にリムル=テンペストのスライム細胞を拝借して
おいたのだ。
僕がそう言うとシズは冷たく凍りつくような
瞳と声で
「スライムさんの細胞なんかを手に入れて一体、
どうするつもりなの?」
そう静かに低い声で腰に携えた剣に手を掛けて
今にも剣をこちらに向けてきそうな迫力で僕に
聞いてくる。
「ただ有効活用させてもらうだけだよ」
僕がシズにそう言った後、僕は自分の分身を二人
を生み出し『並列存在』で個々にエネルギーを
分け与える。
「ぐ、グレイが三人になった……ッ⁉︎」
シズは驚いているがそんなシズに言葉に返す時間
が実にもったいない。時間は有限なのだから。
僕は二人の分身のうちの一人にリムル=テンペスト
の細胞を持たせる。
「それじゃ、後はよろしくね」
「うん」
「分かった。そのように動く」
僕は二人の僕に思念伝達で内容を伝えるとそう返事
をした後、二人の分身達は僕とシズに背を向けて
そしてまるで霧のように溶けて消えるかの様に
その場を後にした。
最後まで読んでもらいありがとうございます‼︎
さて、ここで多くの謎が増えましたね。
①グレイは何故そこまでして『リムルの細胞』を
欲しがっていたのか?
②『スライム細胞』を一体、何に使うのか?
③分身体の二人のグレイは一体、何処に向かって
行ったのか?
これからも更に頑張って投稿していきますので
期待していてください‼︎
他にも『投稿している作品』があるのでそちらも
是非とも読んでいってもらえればありがたいです‼︎