とあるスレを見て感動したので初投稿(ガチ)です
タイトルが全てです


元スレ
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渋でも重複投稿してます
(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23258646)

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続きませんし続ける気も今のところありません


ナギサvs先生vsダークライ

先生は激怒した。必ずや、かの邪知暴虐のヤケクソフォームを除かねばならぬと決意した。

先生にはグランドジオウを最強だという者が分からぬ。

先生はRX世代である。主人公が、圧倒的な威力の必殺技で敵を蹂躙するのを見て暮らしてきた。

けれども他作品の最強フォームに関しては、人一倍敏感であった。

 

きっかけは、些細なことだった。

まさか、ナギサとの他愛もない特撮談義が、あそこまでの自体に発展するとは――

 

 

 

先生は、いつものように変身ベルトを買い求め、ついでにトリニティにも寄ることにした。

帰り道がトリニティを通るものだったというのもあるが、久しぶりにナギサと話そうという気になったのだ。

先生もナギサも、普段は忙しく、到底趣味に没頭する時間など存在していない。

それが、偶々その日は二人とも予定が空き、同じ趣味を持つ者同士で語り合おう――ということになった。

そのまま何事もなく終われば良かったのだが、ジオウ世代であるナギサの一言によって、先生とナギサの混沌を極める戦いが始まったのだ。

 

「先生は、どの最強フォームが一番強いと思いますか?」

 

"BLACK RXでしょ。一気に敵を薙ぎ倒す必殺技、カッコ良いと思わない?"

 

先生の何気ない返答を聞き、僅かに表情を引き攣らせ反論するナギサ。

 

「いえ、最強はグランドジオウでしょう。何と言っても、最高最善の魔王なのですよ?」

 

それを聞き、先生の笑顔が少し険しくなる。だが、先生は子供ではない。大人として、子供の勘違いを正す必要がある。そう考えた先生は、深呼吸を挟んで気分を落ち着けてから言葉を続ける。

 

"確かにRXはジオウより前のライダーだよ?でも、あれ以上の強さはあり得ないでしょ"

 

「仮面ライダーも進化するのですよ?平成ライダーの力を全て手に入れたグランドジオウなら、RXなど敵ではありません」

 

更に場の空気が冷え込む。先生は眉間に皺をよせ、ナギサはティーカップの持ち手を強く握りしめている。

 

"ナギサ、君には一度、この世の真理というものを教えてあげる必要があるみたいだね"

 

「それを理解することになるのは先生の方なのでは?」

 

"…………"

 

「…………」

 

無言でティーカップを置いたナギサは、同じく黙り込み、スマホを横にどけた先生に掴みかかる。

キヴォトス人と生身の人間であれば、すぐに決着が着くかに思われたが、先生は意外にもナギサと拮抗している。

 

「中々やりますね、先生……!」

 

"そっちこそ、私も鍛えてるんだけどね……!"

 

二人が床を転げまわり取っ組み合うことで、先程までティーセットやケーキスタンドが整然と並べられていたテーブルは、見る影もない程に散らかっている。

幸いにも、〝久しぶりの休みは仕事をせず楽しく過ごしたいから〟といった理由で書類が置かれていなかったため、被害は収拾できる程度のものではある。

 

そうしている内に、鍛えているとはいえキヴォトス人と比べて基本スペックの劣る先生が劣勢を強いられる事となった。

 

"くっ……!"

 

「その程度ですか、先生?では、そろそろ負けを認めて、グランドジオウが最強であると宣言していただきましょうか?」

 

"まだだ…まだ終わらんよ!私の中の最強は、何時だってBLACK RXだからね!"

 

「そうですか……ですが問題ありません。もう一度本編を見返せば、先生も〝最強〟の認識を改めざるを得ないでしょうからね」

 

そう言いつつ、ナギサはふと自らが笑っていることに気がつく。こんな、子供のような笑顔をできたのは何時振りだろうか。

もっと幼い頃は、無邪気に特撮を楽しめていた筈なのに。

年齢が上がるにつれ、話の通じる相手は減っていった。

 

『申し訳ありませんナギサ様、私はそういったことには疎く……』

 

ナギサには理解できなかった。自分はただ、楽しく話がしたいというだけなのに、誰にもそれが理解されないことが。

 

更に月日が流れ、ティーパーティーとなってからは、毎日のように職務に追われてプライベートの時間など、殆ど作ることができなくなった。

 

『ナギサ様、先日の正実の予算についてですが……』

 

『ナギサ様、校則の改定案が上がってきています。目を通しておいてください』

 

できたとしても、ミカやセイアを初めとした友人の中には趣味の話が通じる者はおらず、そういったことは自分一人でしか楽しむことができなかったのだ。

 

『ナギちゃん、この前言ってたスイーツ、どこのお店で売ってるの?』

 

『ナギサ、毎日のようにロールケーキを食べているが……飽きないのか?』 

 

幾ら好きでも、一人だけでは心から楽しむ事など、できる筈もなく。いつしかナギサは、趣味を封じるようになっていた。

 

――――先生が来るまでは。

 

先生が特撮好きである、という話を聞きつけたナギサは、自らシャーレに行こうと思った程だ。

それ程までに、話の合う者の存在は、ナギサにとって大きかったのだ。

先生の中の〝最強〟がジオウでなかったのは、勿論残念ではあるが。

そんな事は気にならない程、ナギサは嬉しかったのだ。

趣味を共有できる相手がいたという事実が。

 

"…ギサ!"

 

 

"ナギサ!!"

 

肩を軽く揺すられる感覚で我に返る。

床に仰向けになり、自分を見上げる先生の声を聞いて、初めて自分の涙に気が付いた。

 

"大丈夫!?"

 

焦ったような先生の声が耳に届く。つい先程まで険しいかった彼の顔は、不安そうに歪んでいた。

 

(嗚呼、そうだ、私は)

 

「こんな風に……くだらない事で喧嘩ができるような友達が欲しかったんです……!」

 

「ミカさんやセイアさんも、勿論大切な友達です」

 

「でも、こんなどうでも良いことで盛り上がれる、そんな友達が……!」

 

少し乱雑に目を擦ると、笑顔を浮かべた先生の姿が目に入る。

それは、ナギサと同じ、目の前のことに一生懸命な〝子供〟のそれだった。

 

"ごめんね、ナギサ"

 

"私は先生だから、ナギサの友達にはなってあげられない"

 

"でも、ナギサと特撮の話をして、一緒に特撮を見て、二人で楽しむことならできる"

 

"これからも、私と特撮談義、お願いできる?"

 

優しい声を聞き、反射的に返答していた。

 

「っ、はい!」

 

"ありがとう"

 

「いえ、お礼を言うのはこちらの方です。一人だった私の話し相手になってくれて」

 

"いや、ナギサの願いを叶えられて、私も嬉しいよ。だから気にしないで"

 

「それでも、です」

 

ナギサの表情は、純粋で、全力な、子供としてあるべき笑顔だった。

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

「ところで、RXが最強だというのには、まだ私は納得していませんからね」

 

"さっきので泣き疲れたナギサが私に勝てるとでも?"

 

「良いでしょう、実力差を教えて差し上げます」

 

"大人の力を甘く見ない方が良いよ"


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