彼女はどこへ行ったのか。
盛岡駅
盛岡駅で、2人が婚約旅行中の帰りのことだった。
「いやー、楽しかったな。」
「うん。」
「今度、旅行は結婚の後に旅行しようか。」
「ええ、結婚式の後にね。」
「うん。」
そう言って、2人は盛岡発11時55分の東北新幹線「やまびこ4号」に乗って東京へ向かった。
ファーン!
と、警笛を鳴らして東北新幹線「やまびこ4号」は定刻通りに盛岡駅を発車した。
丁度、その頃高山は休暇で三陸海岸へ行っていた。
「やっぱいいよな、東北新幹線「やまびこ」の旅は。」
「うん、三陸海岸素敵だったわ。」
「そりゃそうだよな。」
高山は札沼と友人の星川と一緒に3列席に座っていた。
「うん、やっぱりいいわね。」
「ええ、東北へ行くには便利になってきましたわよ。」
「まるで、奥の細道の旅って感じだわ。」
「失礼ですが、東北へ行かれたんですか。」
「ええ、私は一関へ行ってきまして。」
「なるほどね、確か「夏草や 兵どもが夢の後」という俳句だったな。」
「さすがですね、よく知っていますね。」
「ええ、僕も高校の頃に国語に習いましたから。」
と、高山は言った。
そこへ、車掌がやってきました。
「すいません、乗車券を拝見。」
「はい。」
「ああ高山さん、東北新幹線の旅ですか。」
「ええ、3連休で東北へ行こうと思いましてローカル線の旅をしていました。」
「そうですか。」
そこへ、1人の男が慌ただしい様子だった。
「すいません、彼女知りませんか?。」
「どうかしました。」
「大変なんです、彼女がいなくなったんです。」
「えっ、彼女がいなくなったんですか?。」
と、男は車掌に言った。
「鉄道公安隊の高山と言います、お話を詳しく。」
高山は手帳を見せた。
「実は俺は、彼女と一緒に個室に乗っていたんです、トイレへ行ったまま遅いので心配していたら、どこへ行ったのか行方が分からなくなったんです。」
「ほう、なるほどするとあなたは個室に乗っていて、彼女が戻ってこないと心配になったって訳だね。」
「はい、でも彼女がいなくなったのは事実だから。」
と、その時だった。
「君たち、このあたりで怪しい人物は見なかったかな?。」
「いいや。」
「さぁ、知らんなぁ。」
「そうか、見てないんだね。」
「ええ。」
高山は、車掌に言った。
「それで、次の駅は?。」
「次は終点の東京です。」
「そうですか、じゃあとにかくあなたは公安隊に来てください、詳しい事情を話してください。」
「あっ、はい。」
14時32分、東北新幹線「やまびこ4号」は定刻通りに東京駅に到着した。
「では、さっそく状況を聞かせてください。」
「はい。」
そして、事件が起きた。