一月六日、上条当麻は死んだ。
インデックス、オティヌス、御坂美琴、食蜂操祈、この四名は特に悲嘆に暮れるだろう。
それでも明日は来るし朝日ものぼる。どれほど涙を流そうとも時間は止まらない。
一月七日、騒動は終わらない。
最初はマンホールから湧き出た異物を
肉色の軟体動物、アメーバにも見えるそれは学生の腕に絡みついた。
それは学園都市のどこかで起きた小さな異変、徐々に広がりいつしか取り返しがつかなくなっていく。
未然に防げなかったのか、原因は?対処が遅れているのはどうしてなのか。ハンドカフス、超絶者、CRC、アリス=アナザーバイブル。
クリスマスイブから続く異常事態に対応が後手になったというよりも、異常事態を超えて戦争をしていたといっても過言ではない状態が連日重なり合って生まれたどうしようもない隙。闇に潜む輩は見逃さなかった、ただそれだけ。
今の学園都市は阿鼻叫喚と呼べるほどの狂乱が覆っていた。
第七学区
御坂美琴と食蜂操祈は暴徒と化した能力者を制圧しながら逃げまどっていた。
「くっそ!ふざけんじゃないわよ!食蜂!!」
「ぜぇ…はぁっ…まったくもうっ…!人使いが荒いにも程があるってぇ、いうかぁ…!」
「しょうがないでしょ!?倒しても倒しても雄叫びあげながら突進してくるし、有効なのがあんたの能力しかないんだから!」
「だからってぇ…ちょっと過激力が強すぎるんじゃないかしらぁ!?」
(でも、何かが変なのよねぇ、こう別の誰かと奪い合ってる感覚というかぁ?)
リモコンを操作し襲い来るの能力者たちを停止させる、食蜂操祈は違和感を感じつつも目の前の対処で精一杯だった、派閥メンバーとの合流が一番望ましいが贅沢も言っていられない。
「ねぇこれってあの子の仕業じゃないの?」
「あの子って…御坂さん、何するつもり」
「問いただすだけよ。あいつのためにも」
食蜂の脳裏にストレッチャーで運ばれる彼の姿がよぎる。
アリス=アナザーバイブル、上条当麻に死を宣告した少女。思い出すだけでもはらわたが煮えくり返るがもしあの少女が暴走しているのなら止めるべきだ。
命を投げ出してまで救おうとした彼に対する冒涜は決して許してはならない。
泣き叫ぶ者、能力を暴走させる者、倒れて動かなくなった者。それらを制圧しながら足を動かす、上条当麻が救おうとした少女を確かめるのだ。
だが今回の騒動の鍵を握るのはアリス=アナザーバイブルではなく、第十三学区のとある小学校にいるフレメア=セイヴェルンのランドセルについてあるキーホルダー、カブトムシ05もとい、垣根帝督である。
清算すべき過去と向き合え。