第十三学区、とある寮内にフレメア=セイヴェルンや生徒たちが避難していたころ、垣根帝督及びカブトムシ05とフロイライン=クロイトゥーネは防衛線を展開していた。
「…、数が多い、キリがない…」
「フレメアが気になるのなら中に入っても構いませんよ?」
肉のアメーバを振り払いながらカブトムシ05は告げるが、フロイラインは首を振る。どちらか1人が離れる訳にはいかない。しかもアメーバの数は一向に減らない。むしろ増えているような気すらする。
「埒があきませんね」
ため息交じりにぼやきながら増殖した個体に肉のアメーバの解析を促す。多少の時間はかかるし個体が飲み込まれる可能性もあるがこの状況を打破するには解析は必要不可欠だ。
(しかし、これは…)
解析を進めるうちに認めたくない事実が浮き彫りになっていく。
(やはり、材質は「
(もう一人の
このアメーバがおそらく
「にゃあ…カブトムシ、どうしたんだ?大体外は危ないんだぞ?」
窓から別個体のカブトムシが防衛線を離脱する様子を見てフレメアは心配そうにキーボルダーに話しかける。
「大丈夫ですよフレメア。ほんの少し調べるだけですから、あなたはここで待っていてください」
安心させるように優しく窓から離れるように促すカブトムシ05。そして別個体のカブトムシは肉のアメーバが噴き出たマンホールの蓋をはがし地下へと乗り込む、これ以上被害を広げてはならないのだ絶対に。
地下へ潜ると地上と同じく肉のアメーバが地下道を埋め尽くしていた。しかしカブトムシ05は臆することなく進み続ける、まるで人間の体内に入ってしまったような感覚に陥りそうなほどだ。それでも進み続けいつしかカブトムシはカキキエ隧道の入り口にたどり着いていた。
――――
同時刻、アレイスタークロウリーと木原脳幹は事態の収拾に動いていた。
「地下だな」
「次から次へと…どう見るアレイスター」
「おそらくこれは超絶者の仕業ではない。科学側だろう」
脳幹はため息交じりに葉巻を吹かしながら物憂げに告げる。
「木原か…」
「だが魔術も加わっている、だとしたら彼、だろうな」
「木原でありながら魔術にも詳しいとしたら」
「木原飽和、これほどの大仰な事彼にしか成しえないだろうよ」
第十学区、カキキエ隧道へ向かうべく足を進めた途端に上空から何かが飛来し、次の瞬間木原脳幹は数十メートル先に吹き飛ばされていた。
「何!?」
ショッキングピンクのショートヘア、手足に梵字が刻まれた包帯を巻き不敵な笑みでこちらを睨みつける女、「ダキニ」が木原飽和の頭部が入った培養ポッドをぶら下げてアレイスターと対峙していた。
「よーお全ての元凶。裁判のお時間だぜ。クソ野郎」